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「世の中を知る、自分を知る 合氣道への探求心」                                  吉沢俊助さん

こんにちは! 
今回は証券会社に勤められている、吉沢俊助さんにお話を伺ってみました。吉沢さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

吉沢俊助(よしざわ しゅんすけ)
1988年生まれ、神奈川県出身。天通合氣道貳段。
慶應義塾大学在学中に天通合氣道に出会い、同大学合氣道会(サークル)元主将。
卒業後、大手証券会社に入社。営業・投資銀行部門を経て、現在IPO(株式上場)を専属とするインベストメント・バンキング部署所属。未上場会社に対する株式上場コンサルティングに従事。
趣味はおいしいものを食べることと温泉巡り。


習い始めたきっかけ

ー 大学サークルでの出会い

父の赴任の都合で、幼少期をアメリカ合衆国サウスカロライナ州で過ごしました。
現地の小学校に通っていましたが、学校の友達が武道や折り紙など日本の文化や物事にすごく興味を持っていて、外国にいながら日本を学ぶような状態でした。
そして、自分自身もそれにこたえる形で日本のモノを調べたり友達に紹介したりしていくなかで、武道を学びたいという気持ちが湧いてきました。
帰国してから通った中学校・高校は進学がメインであったため、部活には入っていませんでしたが、高校の恩師が合氣道いいよ! といっていたことを思い出して、大学の新歓期にサークルの合氣道会を覗いてみました。

ー 演武の力強さに惹かれて

色々な武道がありますが、既に経験者が多かったりして、合氣道なら大学からでも自分のペースで始められそうだ、と感じたことも大きかったと思います。
また、新歓期に先輩方が新入生に向けての演武会を行ってくださったのですが、その時の演武がとても力強くて印象的で。ここで学びたい! と思ったことが入会のきっかけでした。
卒業してからの、3年間は仕事に専念していたこともあり、稽古を続ける余裕もなかったのですが、4年目に入ってだんだんと生活の余裕も出てきたときに、OBの先輩から声掛けをしてもらったこともあり復帰しました。
今は、都内教室の助手や在席をしていたサークルOB会の役職も務めていますが、複数の教室の稽古にも参加していて、もうライフサイクルになっていますね!

世の中を知る、自分を知る

ー 原点にかえる

法学部に在籍をしていたので、卒業後は国家公務員や弁護士を考えていたのですが、ちょうどリーマンショックが起きました。その反動を目の当たりにしたことをきっかけに、世の中を知るという意味で経済に関心が出てきたことと、自分の人生にもその領域を知っておきたいという気持ちが生まれ、証券会社へ就職しました。
仕事では顧客のお話を聞いて具体的なプランや対策を練っていくのですが、煮詰めていくとだんだんと当初の目的から方向性にズレが生じることもあって、どうしたいのかを見失いがちになってしまうこともあります。一歩間違えると会社の動向を左右してしまうことになるため、責任は一層重いのものに。
そんな時、上司からのアドバイスに原点にかえるというものがありました。
この原点にかえるという考え方は、私にとっては合氣道から学んだ糸の切れた凧になってはいけないという部分とマッチしていたところでもあり、仕事においても自分においても、常に意識している部分です。

ー 自分自身が安定できるもの

私は自信が持てないことで精神的に不安を感じてしまったりして、メンタルはあまり強くなかった方なんです。だから、何か自分自身が安定できるもの、安心できるようなものを求めていました。
合氣道では丹田を中心に安定した姿勢や身体の使い方、心が落ち着いた状態(心身ともにリラックスした状態)というものを自分で実感しながら稽古していきますが、日常生活においても自分の状態を維持するのに役立っているんですね。
不安を感じたときに自分をとらえて、身体と心を安定させてみる、それを繰り返していくと、少しづつ大丈夫と思える自信につながってきており、重い責任を担う現在の職務においても生来の臆病な性格の中、安心・自信をもって励む事ができていると考えています。

ー 自分の軸を持つこと

今はコンサルティングに従事していますが、相手とのコミュニケーションがとても大切になってきます。話を聞く力が必要なのはもちろん、相手の思いやニーズを理解すること、そして言語化できない部分などを捉えた上で、相手の選択肢を広げながら継続して上手く付き合っていくことが必要になってきます。
相手との良好な関係を続けていくには、まずは自分の軸をしっかり持っていることがとても大切だと思っています。
その自分の軸を持つ手段として、稽古の中で実感したことを実践する。
そうすると、視野の持ち方であったり、間合いの取り方であったり、自分の感覚を思い出すことで、原点にもどることができるように思います。
日ごろから自分の軸を持っていることで、自然と相互理解も進んで、良い関係性を保ち続けながら関わっていける。日々の稽古がそういったことに役立っているように思えます。

今後の展望

ー 探求心をもって探究していく

稽古のたびに新たな発見や感覚を体感できるのがとても楽しくて、稽古へのモチベーションも高いです。
昇段もしていきたいですが、今はまだ、自分の中でできているのかどうか不安になるところが多いので、本質的にこれだ! という理解と体現実現ができるように、自分に納得がいくところを目指してこれからも研鑽を積み重ねていきたいと思っています。



取材日:令和5年6月19日
取材:白鴎大学3年 藤木紫乃
記事:創立35周年プロジェクト班

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