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「私が活かしている合氣道 視野と集中」                                設楽浩二さん

こんにちは!
今回は編集者として活躍されている、設楽浩二さんにお話を伺ってみました。設楽さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

設楽浩二(しだら こうじ)
1961年栃木県鹿沼市生まれ。天通合氣道貳段。慶應義塾大学経済学部卒業後、1985年株式会社双葉社入社。編集畑を歩み、現在常務取締役編集局長。
DEF STUDIOS株式会社代表取締役社長を兼務。妻は漫画家の高口里純。


入門のきっかけ

ー 体を動かすことが好き

もともと合氣道には興味があって、本部道場に子供を通わせていました。最初はその送り迎えをしていましたが、自分も体を動かすことが好きな方なので、やってみようという思いから本部道場に入門しました。今年で15、6年目くらいになります。
入門して数年は稽古をして体を動かしてスッキリ、という段階でしたが、だんだんと武道の考え方や合氣道の考え方を学んでいくにつれて、自分の考え方にもフィットしていって。
仕事ではちょうど管理職になった時期でもあり、自分と仕事と合氣道が上手く繋がっていたことで、精神的な支えにもなっていました。

学びと実践

― 視野の広さと集中

技の稽古では武の要素としての技術的なことを学びますが、その稽古を通して学ぶ考え方や精神性が、日常生活や仕事においても大いに活きています。
話したいことはたくさんあるのですが、私が一番心に響いている教えは視野と集中についてですね。
何かに意識を向けていくと、一点に集中しているつもりが捉われて執着になってしまう。しかし視野を広く持ちつつ、その先の全体を見渡せることが集中であると。
技では向かい合った相手との接し方になりますが、執着してしまっては不測を捉えることができなくなってしまいます。
我々は物を作る仕事なので、作品を作る際にその一点に執着しがちになって、それに固執すると周りが見えなくなって進展が妨げられてしまうんですよね。
けれども、集中はその先を見ていくようにすることなのだと、そうすると全体を見渡すことができるようになるということが分かってきて。
これは私にとって大きな気づきであり、これまで上手くいかなかった理由もここにあったことがわかり、今日でも日々の実践を心がけています。

―「イマ」という時間

もう一つ、好きな話があって。
「イマ」というこの一瞬の時間の連動によって世の中の時間が動いている、ということ。「イ」「マ」「イ」「マ」「イ」「マ」…と続いていく時間。
要するに止まっちゃダメなんだなと。常に物事は動いているから意識的に止めてしまうと、自分もそこで固執してしまうし、それは執着の一因になってしまう。
そこに留まらずに進み続けることが大切なんだって思います。
他にも話したいことはたくさんありますが、とりあえずこの辺までとしましょう。

― まず、同じ方向を向く

若いころは、私も人とぶつかることが多くて。なんでダメなの? と不満を持つことも多かったのですが、やはり自分の意見ばかり押し付けていて上手くいかなかったんですね。
入門していろいろ教えていただいて、それじゃダメなんだと。
大切なのは同じ方向を向いて考えるということだということを学びました。
最近では社員にも積極的にこの話をします。
合氣道の技も相手と同じ方向に目線を向けて、相手の様子を捉えつつ導くようにしますが、仕事でもまずは同じ方向を向いて寛容の心をもって接していく。
そうすると自然とこちらの進みたい方向に相手も目を向けてくれて、ぶつからずに上手く物事を進められるようになってきます。

― 余裕を持つこと

普段私が心がけていることは、余裕をもつということですね。
自分に余裕がないと早急の事態にも適切な判断や対応ができなくなってしまいます。
自分自身の落ち着ついている状態にもつながりますが、丹田を中心とした姿勢やリラックスした状態、先の話の視野の広さや集中した見方などが身につくことで、日々の心身の落ち着きが保てているように感じます。
仕事でも、朝令暮改はウエルカムにしていて。決めた計画が変わってしまうというのは周囲にも影響を及ぼしますし、理解を得るのに苦労することもあります。
しかし、それはネガティブに捉えるのではなくて、その先へより良い方向に進むために必要な変更であるならば、柔軟にしてどんどん受け止めていきたい、という思いでいます。
また、プライベートで私が大切にしていることはONとOFFの区別をつけることですね。
平日は仕事に勤しみ、土日は休養と稽古でリセット! このサイクルが何年も続いています。

心身の調子をととのえて

― 合氣道の魅力は?

45歳を過ぎてから合氣道を始めましたが、体を動かすことによる体力や体幹の維持はもちろん、丹田を中心とした姿勢や柔軟性、無理のない身体の動かし方を学べることによって、物の持ち方や歩き方ひとつをとっても日常生活を快適に送るために活かせる要素がある、ということですね。
また、人付き合いや物事に対する考え方においても、視野の広がりをもっていると落ち着いて行動できますし、精神的にも楽だな、と感じることが多くなりました。
ちなみに、私はゴルフが嗜みのひとつですが、合氣道から学ぶ姿勢や体幹の安定、身体の使い方などを意識することで、スイングやフォームに無駄な力が入らずに安定し、飛距離の維持もできています!(笑)

― 私の「道」として

昇段も目指したいと思っています。体力的にもギリギリかもしれませんが、最近になって自分でも成長を感じるところがありますので、その感覚を活かしつつ、私なりの技・私なりの合氣道を求めて、今後も精進して参りたいと思います。



取材日:令和5年6月4日
取材:白鴎大学3年 藤木紫乃
記事:創立35周年プロジェクト班


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