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自転車は空を飛ばない 一般市民の民事裁判初体験記

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小さな事故が事件になって、そして訴訟になるまでとなってから。
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#ご近所トラブル

出るとこ出ますよ(3) 相手方からの抗弁 一般市民の民事裁判初体験記【24】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 隣家との争いは、弁護士同士の交渉が決裂。舞台は、ついに法廷へと移っていきました。先手はこちらから。訴状を出しました。訴状は裁判所に受理されて、相手方に当方の訴状が届きました。次は、相手方からの一手となります。 前回のつづき・・・  隣の家に、当方からの訴状が届く。日常生活を送っているとどうしても顔を合わすことは避けられない。この書状を通して、会話をするような独特な感じ。なかなかシュールな展開であった。  Y氏は明らかに、当方に敵意の視線を投げかけてきてい

出るとこ出ますよ(2) 訴状を出す 一般市民の民事裁判初体験記【23】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 相手が弁護士を立てて来ました。こちらも弁護士を立てて応戦です。お互いの主張内容は噛み合うことはなく、本件はついに、裁判所へと舞台を移すことになりました。 前回のつづき・・・  訴訟に踏み切る手続き。まずは訴状の作成だ。  これをつくるのは素人にはたいへん過ぎる。そこで、専門家の出番となる。  訴状の構成  ・事件名:本件は、損害賠償請求事件と記されていた。  これに、  ・当事者の表示  ・請求の趣旨  ・請求の原因  ・証拠方法  ・添付書類 と続

出るとこ出ますよ(1) 訴訟になる前に 一般市民の民事裁判初体験記【22】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 もともとは、自宅の土地に停めていた車のドアに傷をつけられてしまったというのがそもそものはじまり。 相手が当方申し入れの修理代を詫びのひと言と共に支払ってくれさえすれば、すぐに解決できる問題でした。 ところが、この相手方ときたら、こちらもこれまで迷惑をかけられていたと被害者としての主張を弁護士立てて申し入れて来たのです。話のすり替えです。しかも、台風の風で飛んできた当方の自転車に自分の車も傷つけられたと言って来ました。虚偽、捏造の主張です。のちに、この修理代と

弁護士を立てて反撃する(6)  こりゃ、司法の判断を仰ぐしかなし 一般市民の民事裁判初体験記【21】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 2018年の年明け早々。Y氏の代理人K弁護士宛てに、回答内容次第では、当方訴訟も辞さずの通知書を送りました。前回は電話でしたが、今回は通知書でK弁護士は回答をして来ました。またしても、期待以上の怒らせ方です。 前回のつづき・・・ 年が明けて、しばらくして、Y氏代理人K弁護士より通知書が届きました。 2018年1月15日 通知書受領。   (写真 通知書) またまた弁護士名が仰々しく並んでいる。こちらはもう1ミリもビビりはしない。  【通知書の内容

弁護士を立てて反撃する(5)  やるならやるぞ! 一般市民の民事裁判初体験記【20】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 Y氏の代理人K弁護士の回答は、なんと「ゼロ回答!」。修理代金一切の支払いをしないという激烈なものでした。しかもその理由は、証拠も示さず、でっちあげた当方の自転車が風で飛んできて、自分の車のバンパーに当たったというもの。もう穏便にとはいかない空気が急速に私たちを包み出していました。 前回のつづき・・・  2017年も12月。しかも中旬となり押し迫ってきた感が増して来ていた。泣きたくなるぐらい陰鬱な感情を抱えながら、日常を暮らし、日々の仕事に追われるのは本当

弁護士を立てて反撃する(4) 相手からのふざけた回答 一般市民の民事裁判初体験記【19】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 当方の代理人S弁護士からの通知書に対するY氏の代理人K弁護士の回答が電話で来ました。そのあまりにも自分勝手な内容に、私はそれこそ腰が抜けるほど驚くことになります。 前回のつづき・・・  出張先にて、その日の仕事を終えた私は、そのあと、お客さんと会食の予定が入っていた。夕方、妻から一報があった。K弁護士からの回答についてS弁護士から連絡が入ったと。会食の時間が迫っていた私は、会食が終わった後、私から妻に電話をするとしたが、私の胸はそこから何やらざわざわ騒ぎ

弁護士を立てて反撃する(3) 当方からの反撃第2発目! 一般市民の民事訴訟初体験記【18】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開いたのはここからです。 あれから3年半ほどが過ぎ、その当時の様子を振り返ってみますと、「あそこまで熱くやる必要があったのかな」とも思わないことはないのですが、同時に、現在の冷静さで持って、考えてみても「あの時はやるしかなかった」と、あらためて確認ができました。私たち夫婦の人生の正当防衛みたいなものだったのだと思います。 Y氏の動きに、何ら反論することなく、う

弁護士を立てて反撃する(2)一般市民の民事裁判初体験記【17】自転車は空を飛ばない

当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開きました。そして、K弁護士からの回答がもたらされます。 前回のつづき・・・ S弁護士から2017(平成29年)年11月27日付 通知書が知らされた。  あとで知ったことだが、この弁護士名が並んで仰々しいのは何の意味もない。業界の慣例なのであろうか。事務所所属の弁護士が回覧板にサインしているようなものだ。  【通知書の内容】  ・Y氏代理人K弁護士は、11月9日に予約の

弁護士を立てて反撃する(1)一般市民の民事裁判初体験記【16】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 自分の宅地に停めていた車に、隣家の車の空けていたドアがぶつかっつて、傷が付いた。当方は事を荒立てる意思はなく、賠償してくれればそれで丸く収めるつもりだったのです。保険か実費で支払うかの返事を待っていた当方に寄せられた相手方の答えは、なんと弁護士の送り込み。難癖付けて、自分は悪くないと言い始めました。 理不尽にもほどがある。いい加減にしろ。私たち夫婦は戦うことを決めました。 前回のつづき・・・ 2017年11月22日 当方代理人S弁護士より相手方代理人K弁

開戦の決断(4) 一般市民の民事裁判初体験記【15】自転車は空を飛ばない

 さて、弁護士を頼むとなると費用の問題が避けて通れません。一般市民にとってはおいそれと出せる金額ではありません。しかも交渉がうまくいったとしても、高額の賠償金が取れるものでもなし。さすがに悩む私たち夫婦でした。 前回のつづき・・・  私「10万の修理代のために、50万はデカいよな・・・」  妻「やめる?」  しばしの沈黙が流れた。  私「でも、このままでというわけにはいかんだろ。お願いしよう」  私は弁護士に依頼することを決めた。実は、私は相手方の弁護士が来たという時

開戦の決断(3) 一般市民の民事裁判初体験記【14】自転車は空を飛ばない

 法的紛争に立ち向かう。私たち夫婦は強力な助っ人に加わってもらうことを決めました。代理人(弁護士)には代理人(弁護士)です。この時点で、もうご近所トラブルとは言えないレベルになって来ました。 前回のつづき・・・ 2017年11月14日(火) 妻と娘に義母に加わってもらい、とある法津事務所に相談に行ってもらっていた。K弁護士の話を詳しく伝えてもらうためだ。幸いだったことに、以前に、私が知己を得ていた弁護士さんがいたのである。相談したいとの一報を入れると、すぐに会ってくれるこ