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弁護士を立てて反撃する(6)  こりゃ、司法の判断を仰ぐしかなし 一般市民の民事裁判初体験記【21】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話

2018年の年明け早々。Y氏の代理人K弁護士宛てに、回答内容次第では、当方訴訟も辞さずの通知書を送りました。前回は電話でしたが、今回は通知書でK弁護士は回答をして来ました。またしても、期待以上の怒らせ方です。


前回のつづき・・・

年が明けて、しばらくして、Y氏代理人K弁護士より通知書が届きました。

2018年1月15日 通知書受領。

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  (写真 通知書)

またまた弁護士名が仰々しく並んでいる。こちらはもう1ミリもビビりはしない。

 【通知書の内容】(原文のまま)

-------------------------------------------------------------------------------------- 冠省、何かとお世話になります。
 本件につきましては、隣人同志の紛争であり、円満解決を前提として貴方からの金銭のご請求金104,220円に対し、金77,490円を支払うことで解決致したく存じます。
蓋し、貴方車には○○様(当方の名前)ご高承の事故前からの傷があったものであり、その修理代金は金26,730円相当でありこれを控除すべきだからです。
本件紛争をこじらせることなく、一日でも早く円満解決することを祈願し本書を呈しました。
とり急ぎご回答致します。
                                草々
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 すぐに「同志じゃないし」と突っ込みを入れながらも、めまいがした。慇懃無礼とはこのようなことを言うのだと思った。
 文中の「円満解決」「本件紛争をこじらせることなく」「一日でも早く」・・・
 どの口が言うと思わず声が漏れた。盗人猛々しいという言葉も浮かぶ。

 法的手続の文言が効いたのか、支払うとなって来たのは前進ではあった。しかしながら、あれだけ妻が説明したのに、いつの間にか、前の傷を含めて、当方が請求したことになっている。104,220円はY氏による傷の修理代だけだ。前の傷の分の修理代は32,940円で、これはY氏に負担は1円もお願いしていない。

 Y氏の主張は、自分が原因の傷の修理代が77,490円であり、
104,220円-77,490円=26,730円を当方の従前からの傷の修理代としていた。「払ってやるが、前からあった傷の分は引いておけよ。うちに支払いをさせるんじゃないぞ」これが、向こうの言いたいことであった。

 妻と娘がわざわざ出向いて金額の説明をしていた時のY氏の聞く態度と言動。「そんなん分からへんわ」「これぐらいやったら保険でするわ」その姿が思い出されて、妻はまた怒っていた。

 104,220円を支払うとともに、修理の間、車が使えなかった迷惑料として、なにがしかの金額を加算する。謝罪の言葉がなくても、こういう回答であれば、当方も相手の誠意を汲み取り、解決へと向かわせたであろう。

 謝罪するという気持ちは、この時のY氏には微塵もなかったのではないか。彼女は、自分自身を紛れもないか弱い被害者に仕立て上げていた。

 法的手続の起動スイッチを私たちは押した。

 つづく


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