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弁護士を立てて反撃する(2)一般市民の民事裁判初体験記【17】自転車は空を飛ばない

当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開きました。そして、K弁護士からの回答がもたらされます。 

前回のつづき・・・

S弁護士から2017(平成29年)年11月27日付 通知書が知らされた。

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 あとで知ったことだが、この弁護士名が並んで仰々しいのは何の意味もない。業界の慣例なのであろうか。事務所所属の弁護士が回覧板にサインしているようなものだ。

 【通知書の内容】

 ・Y氏代理人K弁護士は、11月9日に予約のうえ○○様(妻の名前)の○○(妻の勤務先)を訪問し、向後、双方の歩行や自動車の出入や植木によって相互に越境しないこと、境界線上に費用折半のうえ塀を建設すること、及び△△様(当方)の車を損傷した件は然るべく損害賠償をしたいと考えるが、他方Y車のバンパーも損傷を受け被害事故もあること等を申し入れました。

・これに対して、○○様は、Yが費用を負担して塀を設置することに異議はないが、費用の折半は出来ないとの回答でした。

 ・同日の夜、○○様は当職事務所に対しその旨のメールを送付しております。このメールの写しを念のため送付しますので、ご確認ください。

 ・当方は、このメールの送信によって双方の懸案は一件落着したものと判断しておりました。当方の費用で当方敷地上塀を設置することは、向後の双方の紛争を拡大しないために必要不可欠ですので、何卒ご理解の程よろしくお願いします。
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 いやはや、驚愕である。妻が送ったメールで一件落着だそうだ。あなたが送ると言っていた覚書の案はどうなったのだ。何より、断じて許容できないのは、バンパーの件だ。仮にも法律家である弁護士が、何の証拠も示さずに、被害事故があると言って来ているではないか。言い掛かりも甚だしい。

 ハッタリ屋のY氏とハッタリ屋の弁護士のタッグチーム誕生か。例の境界に関する覚書の件も確かめた形跡はまったくない。11月22日付 当方代理人S弁護士よりの通知書には明記されていたものである。意図的にスルーしているのか、とぼけているのかはこの時点では不明であった。

 単純な事件である本件がこのあと、複雑さを増しまくるようになっていくのは、このK弁護士によるものが大であった。この弁護士は、このあともY氏の主張することを事実かどうかを精査することなく垂れ流して来る。

 「私が来たら二週間で解決する」と言って、やって来たこの御仁は、己の力で、この事件の解決を、翌年の8月まで引き延ばした。事故発生が前年の10月であるから、そこから起算すると、なんと10か月である。火消し役どころか、マッチポンプここにありである。
ひょっとして、引き延ばして、稼ぐのが目的だったのかとつい訝ってしまう。

 さてさて、当方はまた反論する必要性に迫られることとなった。


【後日談・教訓】
 弁護士を立ててのやりとりとなると、私はドラマのように、弁護士同士が面談してお互いに解決策を検討し合うのかと思っていたのですが、それはまったく違います。文書でのやりとりが基本となります。
こちらが送付して、向こうから返って来て、またこちらから送付して・・・とこれを繰り返します。文書と文書の間には、1か月ぐらい間が空くのも普通ですから、かなりの時間がかかります。進行の遅いことこの上ありません。
 こんな状況で、日常生活で顔を合わせることになるご近所。本当にたいへんです。相当な覚悟の要る戦いになります。

つづく


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