文章添削士の部屋(文章添削士協会)

文章添削のプロ「文章添削士」が、日々の学びや趣味などについてつづるブログです。

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最近の記事

読書感想文から小論文を学ぶ⁉(その2)

夏休みの宿題の定番、「読書感想文」と言うと、あまり良い思い出がないという方も多いでしょう。ムダな課題なんじゃないか? という意見もよく聞きます。 しかし、書く目的を明確にした上で課題に取り組むことで小論文を書く練習にもなるのです。今回は、読書感想文と小論文の似ているところと違いについて説明していきます。 1.自分の考えを書く  読書感想文は、読書体験から生まれた自分の感想や考えを述べる文章で す。本を読んだ感想だけでなく、読書体験によって生まれた自分の考えを書くことが求め

    • 【日本の冠婚葬祭~通過儀礼 ⑨結婚記念~】

       このブログでは、日本の儀式を見直し、少しでも後世に継承していきたいという想いで様々な行事や儀式をご紹介しています。前回は『厄年』についての回でしたので、今回は『結婚記念』について書いてみようと思います。  前回のブログはこちら。  これまでご紹介してきた通過儀礼は、「人の一生」に関わるものでしたので、「生まれてから〇年経ったらおこなう儀式」というものでした。  しかし、今回ご紹介する「結婚記念日」は「夫婦として過ごした年月」に関わるものであり、「二人で迎える通過儀礼」

      • 読書とは友人に出会うこと

        オリヴァー・ゴールドスミスは、アイルランドで生まれ、18世紀に活躍したイギリスの詩人、小説家、劇作家です。今回は、彼の名言から読書について考えていきます。 「読書とは著者との対話である」と言われます。読書を通じて、私たちは著者と対話することができます。ページをめくり、言葉に耳を傾けることで、著者の思考や感情に触れることができるのです。 そして、著者の考え方や意見に触れることで自問自答が生まれることで、自分自身の思考や感情に変化が起こります。 それは、友人関係を築くこと

        • 読書感想文から小論文を学ぶ⁉(その1)

          書店に行くと「夏の課題図書」の文字が目立つ季節になりました。 もうすぐ夏休み。 夏休みの宿題に必ずといってもいいほど「読書感想文」が出て、頭を抱えた経験をされている方も多いのではないでしょうか。 このように書いている私も小学生の頃、毎年原稿用紙を目の前に「どう書けば良いのか」わからず、あらすじを書いたり、本のある部分だけを取り上げて「私は○○だと思った」といった書き方で原稿用紙を埋め、何とか宿題を提出していました。 しかし、小学校5年生の時に担任の先生が文章を書くことが

        読書感想文から小論文を学ぶ⁉(その2)

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        • 日本の冠婚葬祭
          0本

        記事

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼 ⑨賀寿の祝い~】

           このブログでは、日本の儀式を見直し、少しでも後世に継承していきたいという想いで様々な行事や儀式をご紹介しています。前回は『厄年と厄祓い』についての回でしたので、今回は『賀寿』について書いてみようと思います。  前回のブログはこちら  『賀寿』とは、毎年訪れる誕生日の祝いとは別に、節目節目の長寿を祝う儀式のことを言います。どちらかと言えば『長寿の祝い』という方が馴染み深いかもしれません。  満60歳の還暦の祝いから始まり、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿などのお祝いが

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼 ⑨賀寿の祝い~】

          毎日コツコツ続けること

          この言葉はイチロー選手が2004年、当時のメジャーリーグ年間安打記録を破った際に記者会見で語った言葉です。 例えばあなたが「志望大学に合格したい」「公務員試験に合格したい」「就職活動を成功させて志望する会社に入りたい」など、何らかの「目的」があって毎日文章を書く練習をしようと決意したとします。 しかし、最初は目に見えてわかるほどには上達しません。 なぜならば、上達するまでには時間がかかるからです。 なかなか上達しないことでモチベーションが下がり、練習を止めてしまい、それ

          情熱に輝く瞳は、素敵だ -読売中高生新聞編集部『部活魂! この文化部がすごい』

           この連載では、ある添削士が新書の中高生向けレーベルから毎回1冊を取り上げ紹介します。中高生の読者に向けて書いていますが、知的好奇心の強い小学生、学び直したい大学生や大人の方々が読んでくださるのも大歓迎です。 * * *  『響け! ユーフォニアム』というアニメが話題を集めている。武田綾乃の同名小説を原作とする、高校吹奏楽部の青春物語だ。現在(2024年4月〜、Eテレ)放送されている3期目は、物語の最終盤。主人公たちが3年生となり、最後の大会に向けて駆け抜けていく日々が

          情熱に輝く瞳は、素敵だ -読売中高生新聞編集部『部活魂! この文化部がすごい』

          練習は嘘つかないって言うものの…。

          現在、大リーグサンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手が約10年前に(当時)Twitterでつぶやいた言葉が、最近、また話題になっているそうです。 それだけ、真理を突いた言葉なのでしょう。 6月19日は「ベースボール記念日」です。 1846年6月19日に、3ストライク、3アウトなど現在使われているルールで試合が開催されたことを記念して制定されています。 文章を数多く書けば上手くなる。 そう信じて、ひたすら文章を書き続ける人が多いのではないでしょうか。 しか

          練習は嘘つかないって言うものの…。

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼 ⑧厄年と厄祓い~】

           このブログでは、日本の儀式を見直し、少しでも後世に継承していきたいという想いで様々な行事や儀式をご紹介しています。前回は『十三参り』についての回でしたので、今回は『厄年と厄祓い』について書いてみようと思います。  前回のブログはこちら  日本には『厄年』という言葉があります。  これは、いわゆる「不運や大病などの厄(災い)を受けやすい年齢」のことであり、一生の内に何度か特定の年齢が定められています。男性と女性では年齢が異なっており次のようになっています  男性:25

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼 ⑧厄年と厄祓い~】

          語彙力と視写: 言葉の引き出しを増やす方法

          語彙力は表現力の基本です。適切な言葉を選ぶことで、より魅力的な文章を書くことができます。語彙力を高めることで、自分の意見や感情を正確に伝えることができます。 では、語彙力を向上させるためにはどのような方法があるでしょうか。 1.読書 多くのジャンルの本を読むことで、新しい言葉を学びましょう。小説、詩、エッセイ、専門書など、幅広いテキストを読むことが大切です。 2.単語帳の活用 単語帳やアプリを使って、新しい単語を定期的に学習しましょう。日常的に使える単語から専門的な用語

          語彙力と視写: 言葉の引き出しを増やす方法

          頭の中で「カクテル」を作る⁉

          カクテル(英: cocktail)とは、ベース(基酒)となる酒に、他の酒またはジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料のこと。混酒。ただし、アルコール分を含まないか、1%未満程度のノンアルコールカクテルもある。(Wikipediaより引用) カクテルは、基本的に「酒プラス何か」という組み合わせを指します。バーテンダーがシェイカーを振って…というイメージが強いですが、日本で最も飲まれているカクテルは「水割り」であるとも言えるくらい、実はカクテルは幅広いものです。 美味しいカク

          頭の中で「カクテル」を作る⁉

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼⑦十三参り~】

           このブログでは、日本の儀式を見直し、少しでも後世に継承していきたいという想いで様々な行事や儀式をご紹介しています。前回は『入学式』についての回でしたので、今回は『十三参り』について書いてみようと思います。  前回のブログはこちら  生まれてから一定の期間が経過したり、ある年齢に達したりすると誰もが等しく迎える儀式があります。 これまでご紹介してきたお宮参りやお食い初め、入学式などがそれにあたり、これらを「通過儀礼」といいます。  生まれて間もなくは、短い間にとてもたく

          【日本の冠婚葬祭~通過儀礼⑦十三参り~】

          書くことを習慣化するために必要なこと

          著名人の名言を読んで刺激を受けて、「よし! 自分も!と一念発起ながら、実際には「明日からやろう…」と、ズルズルと進まないという経験をされている方も多いのではないでしょうか。 「毎日やらなきゃ…とは思っているけど続かない」といった悩みをよく耳にします。日々の生活の中で「やるべきこと」を優先させていくと文章力を高めるための時間が取れないといったことが起こります。 例えば、文章力を高めるために本を多く読むと良いという意見を目にして読書をします。しかし、文章力を高めようとするのな

          書くことを習慣化するために必要なこと

          自由で寛容なはずなのに、息苦しい -石田光規『「人それぞれ」がさみしい』(ちくまプリマー新書、2022年)

           この連載では、ある添削士が新書の中高生向けレーベルから毎回1冊を取り上げ紹介します。中高生の読者に向けて書いていますが、知的好奇心の強い小学生、学び直したい大学生や大人の方々が読んでくださるのも大歓迎です。 * * *  塾講師として働いていると、生徒から色々なことを教わる。例えば、最近は小学生からランドセルの色のことを教わった。赤、黒、橙、ピンク、紫、水色、青、茶色…。令和の小学生は、性別にかかわらず、実に多様な色のランドセルを背負っているらしい。教室後方の棚は、さぞ

          自由で寛容なはずなのに、息苦しい -石田光規『「人それぞれ」がさみしい』(ちくまプリマー新書、2022年)

          文章も「味変」させると美味しくなる⁉

          「醤油ラーメンに酢をふたまわしかけて」 ある日、出前を頼もうとした時に上司からこのようなことを言われて思わず 「えっ???」 と思ったのですが、さすがに「それはヘンではないですか?」と聞き返す訳にもいかず、上司の言葉どおり電話で注文しました。そして、出前で届いたラーメンを美味しそうに食べる上司を見て不思議な気分になりました。 しかし、ある日その上司のことを思い出して自分でやってみると、確かに味変ができてあっさりとしたラーメンスープになっていて、意外な発見でした。 数

          文章も「味変」させると美味しくなる⁉

          読み手に伝わる文章をイメージするには?

          1998年に日本は初めてワールドカップに出場しました。そのフランスW杯で日本代表となった後、イタリアのセリエA・ペルージャに移籍し、日本人の海外移籍への門を開いた中田英寿氏の言葉です。 サッカーでは、パスを出すプレーヤーとパスを受けるプレーヤーのイメージが共有できた時に初めてパスが繋がり、観客を魅了するプレーになります。そこに辿り着くまでには自分のイメージとプレーが一致するまで何度も繰り返し練習し続けることが大事だと語っています。 文章を書く時にも同じことが言えます。

          読み手に伝わる文章をイメージするには?