パーキンソン病の脳の中では何が起きているか?
パーキンソン病患者の頭の中では何が起きているのだろうか?
順調に回復してきた患者さんが、今日は来るとき足の運びが上手くいかなかったと言いました。
本日から根本原因を治療しようと予定していましたが、その前に各ツボの状態を精査することにいたしました。
1 3回目の治療まで
前回までの治療は順調に出来ていて、術後の動きは良くなっていました。
今日は足にすくみが出たり震えが出たりしていたようです。
診断するツボは6か所、それぞれフェーズⅠ~Ⅲまであるので、合計18か所左右の手のひら36か所になります。
A) 調べるのはツボが補であるのか寫であるのかです
B)鍼の本数は何本にするのか
です。
前回まではすべて2本づつ鍼を打ち、すべて瀉だったので同じ方向に刺せば済みました。
2 4回目の治療後はドーパミンが最初の倍に
今回は視床のツボ 中脳と黒質のツボ 膵臓のツボ が補になり、それ以外のツボは全部瀉になりました。
これは脳神経の命令が電気の流れと見立てれば、あるところだけが渦を巻いているようになっているのです。
歩けと命令してもその命令が、途中で途絶えたりしているからです。
こう考えると震えが起きたり、足がすくんでしまったりするのも理解できます。
ただ神経伝達物質ドーパミンを増やしても、効果が出なくなるのはこのようなことが脳内で起きているからです。
鍼の本数はすべて前回と変わらず2本でした。
と言うことは治療の強度は変わらずに、状態が何らかの原因で変わってしまったという事です。
術後にオーリングテスト試料のドーパミンを使い、治療効果を測定しました。
第2回目は治療前が400ナノグラムで、治療後は705ナノグラムと増えました。
今回の4回目は835ナノグラムでした。
ドーパミンはマイクログラム試料があるので、そこまでは治療を続けなければなりませんが、順調に回復軌道にはあると思えます。
3 中脳黒質と視床はほかの脳神経のツボの刺激(補 瀉)とは正反対になっている
なぜ今回視床と中脳のツボがそのほかのツボの状態と異なっていたのでしょうか。
考えられることは視床と中脳が近くにあること。どちらも運動命令に関係すること。
そして根拠は示せませんが、推測するとストレスに敏感な扁桃体(核)に近いので、その影響を受けやすいのではないかという事です。
4 鍼の強度は2本と変わらず
補の鍼瀉の鍼を行いツボの状態を正常にする刺激度は、前回以前と変わりませんでした。
身体が変わってきていない治療効果が出ていないという事であるのでしょうが、ドーパミン分泌量が増えていることを見ればそうではないようです。
一過性の状態にあるのでしょうか?
鍼を抜いた後治療室内を歩いていただき、来る時と歩行がスムーズに行えるか、違和感が起きるかを検証してもらいました。
歩行は外から見てもスムーズです。
にっこり微笑んで「歩行はスムーズです」と答えたので、これは改善されたようです。
来るときは多少の震えもあり違和感がありましたが、それが無くなったという事です。
今回から中脳黒質が修復される可能性があるらしい、膵臓のツボ3か所の刺激も行っています。
さらに今回から中脳黒質のツボに、毎日温灸をしてもらうようにしました。
5 根本治療も加える
内臓疾患は原因があります。
症状を消すだけでは根本の治療ではありません。
再発を起こさせないためにも、最先端の研究成果を取り入れて再発予防も行うべきであると考えています。
そのため内臓疾患の治療には獲得免疫度を上げるように、すべての患者さんの治療に取り入れています。
パーキンソン病は脳神経の脱落ないし損傷という事です。
最先端の研究では神経再生の可能性があるらしいので、今回の治療に取り入れてみました。
まとめ
パーキンソン病の治療は複雑で、一筋縄では解決できない病気のようである。
しかし今回の場合のようにきめ細かくツボを治療することで、動きを改善することが出来るようになります。
病気全体を一つに見なして治療する現在の薬では、効果が出ないのは当然のことと考えるのです。
サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。