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映画「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」に導かれた出逢いと恋と運命と。

この映画は、私の生涯の3本の指に入る恋愛映画だ。

映画「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」に導かれた出逢いと恋と運命と。

この映画は、私の生涯の3本の指に入る恋愛映画。

そして、リチャード・リンクレイターはロマンティックコメディを紡ぐ天才だと思う。

また、この作品のイーサン・ホークこそ、私の中のイーサン像だ。それは今でも変わらない。

この作品のジュリー・デルピーもまた、私のフランス女性像の代表となった。フォトジェニックでありつつ、色気とコケティッシュさが合わさった彼女の表情には目が奪われる瞬間がいくつもある。ソルボンヌ大学で文学を専攻する才女のパリジェンヌという役柄もいかにもでぴったり。

彼女が扮するセリーヌは祖母の見舞いの帰り、ブダペストからパリに向かう列車の中で、アメリカ人の新聞記者と出会う。

そう、彼がイーサン・ホーク扮するジェシー。2人は近くのドイツ人夫婦の喧嘩に逃れて列車のレストランで向かうが、その時に共犯感覚は始まっている。

話し始めると止まらない。自分のこと、仕事のこと、家族のこと、幼き日々の思い出、、彼女が降りるウィーンの駅についても2人の会話が終わらない。

男女が恋に落ちる前。

そこには必ず、出逢いがある。

その出逢いに奇跡や運命を感じるかどうか、そんな奇跡を信じてもいいのではないか、と思える素敵な映画だ。

SNS時代にこうした出逢いの純度が失われている今だからこそ、この映画の出逢いのモーメントはよりビビッドに伝わってくる。

出逢ってまもなくわかるのは、相性がいいのか、気が合うのか、だ。

もちろん全然気が合わないけど、後々あってくるとか、体の相性は、、とかそういったことは置いておいて 笑 

出逢いの30分位で気が合うか合わないかどちらに転ぶか、内心では気づいていることが多いような気がする。

それを踏み越えて付き合って、何度目かに向かった初ディズニーランドのデートで待ち時間にまったく話がもたず、相性の無さに気づいてしまうカップルが後を絶たない 笑 

ディズニー待ち時間の悲劇である。

相性第一に考えるより、外見第一に考えてしまいがちな恋愛初期において、この当たり前の相性って奴は実は見落としがちな点。

つまり、気の合わないイケメン(美女)と恋愛してもつまらないということ。

性格がきつ過ぎる美女と付き合う気苦労ったら(回想)まあ、Instagramで自慢できる喜びはあるかもしれない 笑

そこでジェシーとセリーヌの場合、話は弾む弾む。

別れたくない、もっと話していたい、、

2人の心がそう思えばどうするか。

ジェシーが「明日の朝まで14時間一緒に街を歩かないか」と言うと、セリーヌは返事するより早く荷物を持って一緒に列車を降りる。

これが直感の分岐点。

初夏のウィーンも美しい。

緑と日差しが溢れ、その初めての街を会ったばかりの2人が歩く。

石畳の道に教会や美術館に寺院、観覧車、、街並みの景色が昼から夕方、夜へと移りゆく美しさ。

そしてカフェで語り、占い師に声を掛けられ、セリーヌ(デルピー)に「あなたは心の冒険家」とつぶやく。

会話はどこまでも続く。

終わったばかりの互いの辛い恋や何気ないことまで、そして、14時間の終わりが近づいて、、

「最高の夜、大切な夜のために」と乾杯。

もうその後のことは蛇足だろう。

エンディングの夜明けまでの一連のシークエンスは非の打ち所がない。

ずっと話してる2人に凄い台詞がある。

「10年か20年後、結婚して情熱を失った時、きっとこの日のことを思い出し、何も失っていない自分を発見するだろうね」

その後の続編「ビフォア・サンセット」(9年後)と「ビフォア・ミッドナイト」(18年後)もう予見してたのか、、深い。

私は大学4年の時、ある女性との初デートの前日、家でこの映画を観ていた。

好きな映画だったし、こんな意気投合してデートが進んだら素敵だなと思って 笑 

初デートの日、会話は止まらなかった。

朝までお互いのことを語り続けて、そして付き合うことになった。

5年後に結婚して

今年、結婚20周年になった。

全てはこの映画から始まった。

映画は人生を変える。

本当にそう思う。


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