新人マーケター必見!ものしり博士が詳しく教えてくれる、WHYを中心に据えたマーケティングのススメ。「共感は大事なのじゃ」
まえがき
ひとです。
前回までの物語で、PRやブランディングなどについて掘り下げていきましたが、そもそも商品のコンセプトというか、メッセージというか、本質というか、そういうのって大事だよね、ということを伝えたくて物語を作成しました。(毎回ChatGPT先生に筆をふるってもらっています。)
例えば、ロボット掃除機を商品紹介する場合、単に「吸引力がすごい!静か!ゴミセンサーすごい!」だとか「今ならタイムセール!お買い得!」みたいなことを訴求するのではなく、「掃除の自動化→ゆとりのある時間の増加→家族のたのしい時間」という見せ方をする、という例です。私たちが欲しいのは掃除機ではなく、家族との自由で楽しい時間なのです。
似たような例で言うと、「ドリルではなく穴が欲しい」みたいなやつです。
「いやいや、そういう綺麗事じゃなくてさ、安くてそこそこのやつで全然いいじゃん!」みたいなのも分かりますし、中華メーカーのそういう商品が実際に出回っていますが、長期的に成功し、新たな市場や文化を創り上げることに成功しているメーカーは、きちんとブランディングやコンセプト設計がしっかりしていると思います。
ブランドは信頼を獲得し、PRとは関係性を築くためのアクションです。その点からも、WHYは重要ですね。「安ければ売れる」というのは、信頼や関係性とは別に「安いから買っている」だけで、その後も選び続けてくれるわけではありません。逆に、きちんと信頼と関係性があれば、高くても選んでもらえるのです。
では、今回もけんたと博士に色々と案内してもらいましょう。
プロローグ
ある日、健康ドリンクメーカー「ヘルシーワンダー」の新入社員であるけんたは、新商品の開発チームに抜擢されました。その新商品は、エネルギー溢れる毎日を支えるエナジードリンク「エナジーブラスト」。けんたはマーケティング戦略を任され、大きな期待と重圧を感じていました。
けんたは、商品の特長について深く考え、それをどうアピールするかを考えました。「エナジーブラスト」は、ビタミンB群やカフェイン、アミノ酸などを豊富に含み、体に必要な栄養を瞬時に補給することができます。そして、独自の製法で、他のエナジードリンクにはないスムーズな飲みやすさを実現していました。
けんたは、その特長をどう広めるかに頭を悩ませました。そこで思いついたのは、インフルエンサーコラボ。彼は、スポーツやゲーム、ファッションなど、さまざまなジャンルのインフルエンサーに声をかけ、商品の良さをSNSで発信してもらうことにしました。
しかし、その結果は思わしくありませんでした。インフルエンサーが商品を紹介してくれるものの、その投稿は他の多くの広告と混ざってしまい、目立つことはありませんでした。また、一部のファンからは、「ただの広告」、「本当に良い商品なのか?」といった疑念の声も上がり始めました。
けんたは困り果てていました。商品の特長はしっかりと伝えているつもりなのに、なぜ商品が売れないのか。そして、なぜ消費者から疑念の声が上がるのか。その答えを見つけるために、彼は一人、深く考えることにしました。しかし、答えは見つからず、彼はますます混乱してしまいました。
そんなある日、ヘルシーワンダーのマーケティング執行役員である「ものしり博士」が、けんたのところにやって来ました。ものしり博士は、けんたの戦略について何か言いたげな表情を浮かべていました。そして、彼は口を開き「けんた、君のやっているマーケティング、何か大事なことを忘れていないか?」と言いました。
けんたは驚き、戸惑いました。「でも博士、僕はエナジーブラストの特長をしっかりと伝えています。ビタミンB群やカフェイン、アミノ酸などの栄養素が豊富で、しかも飲みやすいんです。それをインフルエンサーたちに伝えて、SNSで広めてもらっているんです。これ以上何をすればいいんですか?」
ものしり博士は微笑みながら答えました。「それが君の間違いなんだ。商品の特長、つまり“WHAT”と“HOW”にばかり目を向けてしまっている。でも、消費者が一番知りたいのは、なぜその商品を選ぶべきなのか、その商品が彼らの生活にどのように影響を与えるのか、つまり“WHY”なんだよ。」
けんたは混乱しました。「でも博士、僕たちはエナジーブラストがどれほど優れた商品かを伝えなければいけないんじゃないんですか?」
ものしり博士の導き
ものしり博士はけんたの問いに笑顔で応えました。「けんた、君の思っていること、すべて正しいんだ。でも、もう少し広い視野を持つことが大切だよ。商品の特長を伝えることも大切だけど、それ以上に重要なのは、その商品がなぜ存在し、それが消費者の生活にどう影響を与えるのか、つまり“WHY”なんだ。」
けんたは困惑した顔をした。「でも博士、それだけだと分かりにくいです。何か具体的な例はありますか?」
ものしり博士は微笑んで頷きました。「それなら、私たちの身近な例を出してみよう。みんながよく知っているブランド、例えばコカ・コーラ、Apple、PS5を例に取ってみよう。」
ものしり博士は再び深呼吸をし、一段と詳しく語り始めました。
博士はここで深呼吸をし、彼の話は一旦一区切りつきました。「そしてこれらのブランドが成功している理由は、それぞれの製品が持つWHY、つまりその存在理由や目指すビジョンが消費者に強く共感を呼んでいるからだ。それぞれの製品が提供する体験、それが人々の生活に与える影響、それが人々の感情にどのように響くのか、これらすべてが製品のWHYに繋がっている。そしてそのWHYが、商品の単なる機能やスペックを超えた価値を創り出し、結果としてブランドの成功に繋がっているのだ。」
博士は手を広げ、総括の言葉を述べました。「そして最も重要なことは、これらのブランドがそのWHYを伝えるためにどのようにコミュニケーションを取っているかだ。それぞれのブランドがその存在理由やビジョンを伝えるために使っているキャッチフレーズやCM、それらはすべてそのブランドのWHYを強調し、人々に共感を呼び起こすためのものだ。そのためには、単に製品の機能やスペックを伝えるだけではなく、その製品が提供する体験や感情、そしてそれが人々の生活にどのように影響を与えるのかを伝えることが重要なのだ。」
博士の話が終わると、彼は満足げな笑顔を浮かべました。「だから、製品のWHYを理解し、それを上手く伝えることがブランドの成功にとって非常に重要なのだ。それが、コカ・コーラも、Appleも、PS5も、成功を収めている秘訣なのだよ。」
けんたは納得の表情を見せましたが、まだ一つ疑問があるようでした。「でも博士、それならばなぜ、私たちはいつもWHATとHOWから始めるのですか?それが間違いなのであれば、すべての企業がWHYから始めるべきではないのですか?」
ものしり博士は深く頷きました。「それは良い質問だ。確かにWHYから始めることが理想的だとは言え、現実はそう簡単ではない。多くの企業がWHATとHOWから始めるのは、それが一番直感的で短期的な結果を生みやすいからだ。例えば、新商品を出したとき、その特徴やどのように使うのかを強調することで、すぐに消費者の関心を引くことができる。また、競争が激しい市場では、自社の商品が他社の商品と何が違うのかを明確にするために、WHATとHOWに焦点を当てることが多いんだ。」
けんたは理解したように頷きましたが、それでもまだ納得していないようでした。「でも博士、それならばそれでいいのではないですか?すぐに結果が出る方がいいと思います。」
ものしり博士は笑みを浮かべながら答えました。「それが問題なんだ。WHATとHOWだけに焦点を当てると、短期的には成功を収めるかもしれない。しかし、長期的に見ると、その商品がなぜ必要なのか、その商品が消費者の生活にどう影響を与えるのかという、本質的な価値を伝えることができなくなる。そして、競争が激しくなると、ただ特徴を一覧表示するだけでは、消費者に選ばれなくなるんだ。」
けんたはこれまで以上に深く考え込みました。「それならば、私たちもWHYから始めるべきなんですね。でも、それはとても難しそうです。」
ものしり博士はにっこりと微笑んで頷きました。「その通り。でも、それが本当のマーケティングだよ。」そして、けんたに向かって微笑みながら言いました。「けんた、君はまだ若い。この機会に学べば、これからのマーケティングの世界で成功を収めることができるだろう。そして、エナジーブラストの新たなコンセプトを考えるのは、君にとって最高の機会だと思うんだ。」
けんたはしばらく黙って考え込みました。そして、深く頷きました。「ありがとうございます、博士。私、やってみます。」
ものしり博士は満足そうに頷きました。「それが良い態度だ。けんた、君ならきっとできる。君が新たなエナジーブラストのWHYを見つけるまで、私は全力でサポートするよ。」
そうして、けんたの新たな挑戦が始まったのでした。WHYを見つけ、それを商品の中心に据え、マーケティング戦略を再構築する。それはけんたにとって初めての経験だったが、ものしり博士の言葉が彼の背中を押しました。
「これからが本当のマーケティングだよ、けんた。君ならきっとできる。」
その言葉を胸に、けんたは新たな挑戦に向かって一歩を踏み出したのでした。
けんたのリベンジ
けんたはものしり博士の言葉を胸に、エナジーブラストのWHYを見つける決意をしました。そのために彼が思いついたのは、小学生時代からの親友で、常に新鮮なアイディアを持っていたタロウに相談することでした。タロウは今では成功した広告代理店を経営しており、けんたにとっては最良の相談相手でした。
「タロウ、エナジーブラストのWHYを一緒に考えてくれないか?」けんたは電話でタロウに頼んでみました。
「もちろんだよ、けんた。それなら楽しそうだし、何よりも君が頼んでくるなんて滅多にないことだからね!」タロウは満面の笑みで答えました。
その後、2人は何時間もプロントで話し合い、エナジーブラストのWHYについて議論しました。タロウはいくつかのアイディアを提案し、けんたもそれに対して自分の意見を述べました。
「エナジーブラストはただのエナジードリンクじゃないんだ。それ以上の何か、大きな目標があるはずだよ。」タロウは言いました。
「うーん、それは分かるけど…でも、具体的に何がその大きな目標なのか、それが分からないんだよね。」けんたは悩みました。
そして、タロウが一つのアイディアを提案しました。「どうだろう、エナジーブラストは"一日を元気に過ごす力を提供する"っていうのは?」
けんたは一瞬、黙って考えました。「それはいいけど、でも、もう少し…何かが足りない気がするんだ。」
その後も2人は話し合いを続けました。タロウが提案するアイディアに対して、けんたは自分の感じたことを正直に伝え、何が足りないのかを探し続けました。
そしてついに、エナジーブラストの真のWHYが見つかりました。それは"人々に活力と挑戦する勇気を与える"というものでした。エナジーブラストはただのエナジードリンクではなく、人々の生活に活力を与え、新たな挑戦をする勇気を与える存在だったのです。
けんたはそのWHYを基に、エナジーブラストのマーケティング戦略を考え直し始めました。WHYを中心に、HOWやWHATを考え、それらを一つにまとめることで、エナジーブラストの新たなマーケティング戦略が生まれました。それは単なる個別具体的な戦術ではなく、全体を視野に入れた戦略で、エナジーブラストが目指すべき道を示すものでした。
「よし、これならいける!」けんたは自信満々に宣言しました。
「それが君のWHYなら、それを基にマーケティング戦略を組み立てることが大切だよ。」タロウはにっこりと笑ってアドバイスしました。
けんたはその言葉を胸に、新たなマーケティング戦略を作り上げていきました。タロウの助けもあり、彼はエナジーブラストがどうやって人々に活力と挑戦する勇気を与えるのか(HOW)、そしてそれが具体的にどのような製品やサービスとして表現されるのか(WHAT)を考え、それらを一つの戦略としてまとめ上げました。
「ありがとう、タロウ。君のおかげでエナジーブラストの新たな戦略が完成したよ。」けんたは感謝の言葉を述べました。
「いやいや、君が自分で考え抜いた結果だよ。君の成長を見るのは本当にうれしいよ。」タロウは優しく答えました。
プレゼンテーション
新たな意気込みを胸に、けんたはステージに上がりました。彼の前には、会場全体が待機していました。深呼吸をして、けんたは話し始めました。
「皆さん、こんにちは。僕の名前はけんた。今日は、皆さんに私たちが開発したエナジードリンク、エナジーブラストについてお話します。」
彼の声は確かで、自信に満ちていました。これは初めてプレゼンテーションをしたときのけんたとは全く違う姿でした。
「エナジーブラストはただのエナジードリンクではありません。私たちの目指すのは、ただエネルギーを補給するだけのドリンクではなく、人々が自身の可能性を最大限に引き出せるようサポートする、それがエナジーブラストのWHY、存在理由です。」
この瞬間、会場の空気が変わりました。皆がけんたの話に耳を傾け、息を呑んでいました。
「では、私たちはどのようにしてこのWHYを実現するのでしょうか。それが私たちのHOW、やり方です。エナジーブラストには、自然由来の成分を厳選して配合しています。体に優しく、持続的なエネルギーを提供し、体調を最適に保つことで、人々が自分自身の可能性を引き出せるようサポートします。」
次に、けんたは具体的な商品の特徴、つまりWHATについて語りました。
「エナジーブラストには、ビタミンB群や天然のカフェイン、さらには抗酸化作用のあるスーパーフルーツが含まれています。これらの成分が、体にエネルギーを供給し、疲れを感じさせないように作用します。これこそが、私たちが提供する商品、エナジーブラストのWHATです。」
けんたの語るエナジーブラストのWHY、HOW、WHATは、会場の聴衆に深く響きました。そして、彼は自分の経験を語り始めました。
「しかし、私は最初、このビジョンを見つけるのに苦労しました。ただ商品の特徴や成分を述べるだけだったんです。でも、親友との討論を通じて、私たちは何をしたいのか、何が大切なのかを再認識しました。それは、人々に活力を与え、挑戦する勇気を与えることでした。それがエナジーブラストの本質的な価値、そのコンセプトだったのです。」
けんたの言葉は、彼が自分自身の失敗から学び、成長してきたことを示していました。彼の誠実さは、聴衆の心を動かしました。
そして、彼は最後にビジョンを語りました。「私たちはエナジーブラストで世界を変えたいと思っています。人々が挑戦する勇気を持てる社会、それが私たちの夢です。私たちはこのエナジードリンクで、その一歩を踏み出すことを助けたいと考えています。」
その言葉は、会場全体に響き渡りました。けんたのビジョンが具体的に描かれ、聴衆はその夢に共感しました。彼らは自分たちもその一部になりたいと思い、手に取るエナジーブラストに新たな価値を見出すことができました。
プレゼンテーションが終わり、会場からは大きな拍手が湧き上がりました。けんたは深く一礼をし、ステージを降りました。彼の心の中には、これからの挑戦への強い決意が湧き上がっていました。
それは、ただのエナジードリンクのプレゼンテーションではなく、一人の青年が夢を追い、成長し、自分の信念を共有するための物語でした。そして、その物語は、聴衆たちの心に深く刻まれ、彼らの行動を変える力を持っていました。それこそが、けんたが探し求めていたエナジーブラストの本質的な価値だったのです。
エピローグ
あたし、いつものようにネットを徘徊してた時のこと。ふと目に飛び込んできたのはYouTubeのライブ配信。出てたのは、けんたくんっていう男の子。ちょっと地味な感じだったけど、彼が語ってる内容がなんだかすごく魅力的でね。
彼が話してたのは、エナジードリンクのこと。でも、ただのエナジードリンクじゃなくて、それは何かを成し遂げるためのパワーをくれる、そんな魔法のような飲み物だって。いやー、それにはびっくりしたわ。エナジードリンクってただエネルギーをチャージするだけのものだと思ってたから。でも、それ以上に心に残ったのは、その商品が持つメッセージだったのよ。
「あなたの可能性を解き放つ」っていうメッセージ。なんて力強いの。それにすごく共感したのよね。まるで、新たな挑戦への後押しをくれるような感じがして。あたし、その瞬間から何かを始めたくなっちゃったの。
そしてね、そのメッセージに勇気づけられて、あたし、海外留学に申し込んじゃったの。すごく怖かったけど、でも心の中であのメッセージが響いていたから。留学の準備を始めると、自分がどれだけ勇気を必要としていたかを実感したわ。
そして、ついに留学の日が来て。飛行機から見下ろす異国の景色に、ドキドキしながらもワクワクした気持ちが広がったの。初めての土地、初めての生活、全てが新しくて不安だらけ。でも、あたしは前に進んでいくつもり。だって、あたしの心にはあのメッセージがあるから。エナブラ飲みながら、あたしは一人じゃないって感じがしたのよ。
そして、それはただあたしに限ったことではない。あたしの友達も、同じように新たな挑戦をしてるの。それぞれが自分の道を見つけ、自分自身を信じて進んでる。そんな風に、あのメッセージは私たち全員に勇気を与えてくれているの。
そして、これからもあたし達は新たな道を切り開いていく。それぞれが自分の可能性を信じて。だって、それがあのメッセージが教えてくれたことだから。
最後にひとつ、心から思うことがあるの。あたし、あの日YouTubeを見て、けんたくんのプレゼンを聞いて、あのメッセージに出会えて本当に良かったと思うの。それがあたしの人生を一変させてくれたから。
あたしの新しい物語は、これからも続いていく。だって、あたしは自分の可能性を信じて、前に進むつもりだから。それがあたしの新たな一歩。それが、あたしの始まりの物語なんだから。
参考
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