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岡本太郎 『自分の中に毒を持て』"芸術は爆発だ"

こんにちは、お久しぶりです♪
1ヶ月ぶりの投稿になりました。


今日は岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』という本について感じたことを書きます。


皆さんご存知の岡本太郎さん。
1972年の大阪万博で『太陽の塔』を造り、国民的存在となりました。


この本は、岡本太郎さんの伝記ではなく、
現代を生きる我々に『生きる』とは何なのかについて熱く語っている本です。


死に対面する以外の生はない


これは岡本太郎さんの言葉です。


世の中には安定して整備された社会システムが存在し、
その枠組みの中で生きていればそれなりに生きていけるし、起きる問題も少なくて済みます。


ですが、その代わりにこの社会システムで生きていけば空しさがついてきます。


世の中の多くの大人や若者は、現代にどこか空しさを感じているかもしれません。

この「空しさ」とは一体何でしょうか?
本当はこうしたいと思っているが、世間体や常識、家族、会社などを気にして思うことが出来ないことから生まれる空しさか。
あるいは、もっと「自分」を生きたいと考えているが、苦しい道を選択できない己の弱さに対してか。


私の肌感覚として、世の中の大人を見ていると本当にどうでも良いことばかりに気を取られ、頭がいっぱいいっぱいになっている人が多いなと思うんです。

例えば、ギャンブルやスポーツ(熱中すること)、セックス(特に男性。異性に対する飽くなき欲)、金、ゴルフ、麻雀、会社の利益、ブランド品、家族や政治家、会社に対する愚痴、不平不満などなど。


居酒屋やカフェ、電車などで大人たちが話しているのは、高確率で今挙げたうちのどれかです。
人生や生きることについて熱く議論している大人なんか見たことありません。


これらはつまり、自分が居る世界で感じる"空しさ"(虚しさ)を一時的に紛らわすため、あるいは味気ない人生に味をつけるためにやってるわけです。


自分自身に対してどこか誤魔化しながら生きてるんです。
何か1つでも、自分の軸や決意したことを生涯に渡って、何があっても貫き通すくらいの覚悟を持って生きている人って一体、どれくらい居るんでしょうか?



大人の社会は本音と建前が交錯し、複雑に絡み合っています。
自分の考えや意見を口にすることは難しく憚られ、大変苦しいです。
あらゆるところから妨害を受け、いつかその現実に絶望して本当の自分を抑圧します。


この時に、大きな2つの分かれ道が目の前に現れると思います。


そこで諦めて自分を投げ出したりせず、そこに対して挑み闘うか。
限定化した「小さな自分」として生きていくか。


岡本太郎さんは、思い切って発言して矛盾に恐れず立ち向かうことが大切だと述べています。
また、そこに対して挑み闘ったものしか分からない景色があると述べています。

彼は戦後、芸術家として日本で活動する時にアバンギャルド運動を行い、当時の芸術に対する価値観に対して挑み続けた人物です。


数々の名言を生み出しましたが、
世間の芸術に対する考え方や価値観とは相容れない部分が多く、反対にそれ以上の批判を受けてきたと語っていました。

『生きる』とは、
そのような大きな問題が起こらず、安定して生きていける世界に身を置き、何も深く考えず人生を惰性で生きることではないということ。
それは、本当に"生きてはいないんだ"と。


本当に自分の人生を生きていくということは、
「絶対に自分を誤魔化さず、自分の人生の手綱は自分でしっかりと握って誰にも渡さない」くらいの決意や覚悟を持ち、それに伴う批判・妨害にも屈しないことだと思います。

冒頭に書いた「死に対面する以外の生はない」とはまさしくこのことで、
本当に自分が背負った運命に全責任を持って全うし生きていくには、必ず、苦しいことが沢山待ち受けているはずなんです。


そのような苦しみを味わいながらも自分を投げ出さず、
自身の変化・成長を感じて生きていくのは、
本当に自分の人生を生きているということなんだと思いませんか。



道で仏に逢えば、仏を殺せ


これは有名な仏教の言葉ですね。


これまで学んできたことや積み重ねてきたことを全て手放した先に、未来の自分が居ると。

他人が創り上げたものを崇拝している限り、本当の自由はなく、
尊敬している人物でさえ、適切に距離を取れという意味の言葉。


太郎さんは、出逢うのは仏ではなく己自身だけだ、そして己を殺せ、と述べています。


常に対面するのは他人ではなく、自分自身だけだという意味ですね。


これは本当に難しいことです。
己自身を殺すことができるのは、大変な勇気がある場合だけですから。


本書の中で何度も表現を変えて、
自分の敵は自分自身だということを忘れるな
と述べています。


真に自分の内面と向き合うことがどれだけ大切か、彼は心得ていたのでしょう。




最近はこのような本質的な話をする人が本当に少ないですね。
小手先のハウツー本ばかりが書店には並び、ベストセラーとなる。

そのような書籍を見るたびに、正直、
「皆んなどうでもいい本ばかり読んでんだな」と、感じてしまいます。


昔は面白い話を話してくれる大人が沢山居たのかなぁなんて、少し羨ましい気持ちになりますが。笑



今の世の中、本当に混沌としていてお先真っ暗な状態に陥っている人は沢山居ると思います。


自分の軸を育てるということを怠ってきたからだと思うし、また、そのようなことを教えられる大人が減ったからだと感じています。


分かる人にだけ分かれば良いと思っているのですが、
人とは同じように過ごしていてはいけないのが、特にこれからの時代です。


同じように考え、行動し、時間を使い、
生きていけば本当に自分の人生を生きていくことなんか出来ません。


いつの間にか他人や世間と言ってることや考えることが同じになってないか、随時、自己確認も必要でしょう。



もし、今日ここに書いたことが少しでも多くの人に共感いただければ幸いです。


最後まで読んでいただきありがとうございました♪


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