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人生はカレーである③

「人生はカレーである」第三弾です。
今回は、外食編です。
お店の名前を出すか出すまいと迷いました。
有料で出そうかな、とも。
でも、妙に生々しくなってしまったのでやめときます。

小学生、カツカレーの味を知る

子供の頃、めったに外食しなかった。
家族で行けるような店は少なかった。
その数少ない店の1つがカツの専門店だ。
トンカツ、とりカツ、エビフライ。どれも美味しい。
各テーブルに置かれている特製ソースも他では味わえない良いお味だ。
この店でカツカレーを食べた。すんばらしい。
以来、カツカレーといえば、この店のカツカレーだと思う。

高校生、大辛カレーパンに泣く

当時、世間は激辛ブームであった。そのブームに便乗して「大辛カレーパン」を売っている店があった。
映画を見に行く時、映画のお供としてこのカレーパンを買った。
今のようにポップコーンやジュースを買うという時代ではなく、持ち込みOKだった。
見たのは「トップガン」「プリティ・イン・ピンク」の二本立て。

いやーーーーー辛い! 「トップガン」を見ながら、これは大変だ!と思った。辛すぎる! 外にも出られないし! もうジュース飲んじゃったし!

トム・クルーズはかっこよかった。「プリティ・イン・ピンク」はひたすら可愛かった。でも私の目の涙はカレーパンのために流れていた。

大学生、インドカレーを発見する

高校時代からの仲良しがいた(過去形で書くのがつらい)。
彼女は大学時代からインドにはまった。一緒に高級インドカレーレストランに行こうと誘われた。行く行く!
彼女のリサーチ(雑誌だと思う)を頼りに、東京の某街をさまよったが、目当ての店は見つからなかった。グーグル検索なんてなかったからね。
その日は結局、吉野家の牛丼を食べた。
牛丼も美味しいけどさ、これじゃなかったはずなのに。

再度挑戦! (リベンジという言葉は当時なかった。)
やっと見つけたインドカレーレストランは、高級感にあふれていた。
バターの風味のきいたチキンカレーも、香ばしいナンも初めての味だった。
白い制服を着たインド人のスタッフの皆さんも洗練されていた。

これを機に、ナンを出すお店を探すようになった。

新社会人、ドライカレーに癒やされる

就職して数ヶ月、先輩から「ドライカレーのおいしい喫茶店があるんだけど、行く?」と誘われた。
一緒に行くと、ナスの入ったひき肉がご飯の上に敷き詰められていた。
スパイシーだけど、ほっとする味だった。

就職したものの、言葉遣いも化粧も服装も朝のいろいろも、あんまりうまくいってなかった。つまり仕事内容の前段階でつまずいていた。
飲み会も嫌いではなかったけど、セクハラがあるのには驚いた。
おじさんたちってこんなことをするのか、社会人って大変だなあ。
そんな時、先輩に誘ってもらって食べたドライカレーは美味しかった。

先輩はその後も美味しいお店に連れて行ってくださったが、その年のうちに退職なさった。体調を崩したということもあるが、ストレスもあったのかなと思う。

アラサー、欧風カレーで女子会する

そんな新社会人の嵐を通り抜け、転勤もあり、同僚と女子会をすることも増えた。
そんな時によく行ったのが、欧風カレーのレストランである。
欧風カレーだけど、それなりにというか、意外にというか、けっこう辛い。
じっくり煮込んだ感じのカレーが美味しい。サラダも白飯も美味しい。
レトロでおしゃれな店の雰囲気も好きだった。

結婚前、互いの好きなカレー屋を紹介する

結婚前、今の夫と一緒に東京観光に出かけた。
カレーが好きだというのは聞いていたので、私のとっておきのカレー屋さんを紹介した。

薬膳カレーの店である。見た目も味も個性的で、食べると体がちょっと温まる。きっと喜んでもらえると思っていた。

なわけないじゃん! デートで薬膳カレーの店なんてどうかしてるよ、と今の私は思う。夫が「余計なものが入らない定番のカレー」が大好きだということを知っている今はなおさらそう思う。

夫はうまいと言った。面白いお店だねと言った。ホンネはちょっと違ったらしい。でもその日はそんなことは口に出さなかった。

後に、夫も私をとっておきのカレー屋さんに連れて行ってくれた。若い頃、よく通ったという庶民的なお店だ。定番のカレーの店だった。美味しかった。
「この人ね、僕の奥さんになる人なんだよ」と店の人に私を紹介してくれた。
書いていて恥ずかしくなってきたので、これでおしまい。

子どもと一緒に入れる店を探す

子どもを授かった。
家族で外食をしたいと思ったがうまくいかず、憂鬱だった。

世のお父さん、お母さんは、ファミレスでこんな経験はしないだろうか。
①ファミレスの雰囲気に影響されて、子どもが騒ぐ。
②子どもが◯◯バーに興奮して、頻繁に席を立つ。
③お子様ランチがイマイチで、子どもが大人メニューを食べたがる。
 そのために親は子どもの食べ残しを食べることになる。

我が家はこんな状態で、ファミレスに行っても楽しくなかった。
だけど、外食したーいと思って見つけたのがネパールカレーの店である。

こちらのお店はこじんまりしていて落ち着いている。子どもは騒ぎ出さない。もちろん◯◯バーはない。出てきたサラダとジュースで満足している。
子ども用メニューも、辛さと量を調節してあるだけで、十分美味しい。
ネパール出身の店主が、地元野菜を使って作るカレーは、スパイシーだけど気楽に食べられる味だ。石窯で焼いたナンは大きく、カリッとしている。
夫はライスを注文し、マイルドなチキンカレーを食べる。私は少しスパイシーに。

今は子どもたちも成長して、どこの店でも外食できるようになったけれど、
今でも時々出かける。大きくなったねえと店主はニコニコする。
ネパールカレーだけど、地域に根付いた味だ。

カレーは人生だねえ

他のメニューでも「◯◯は人生である」が成立するか考えてみたけれど、ちょっと違うような気がする。お味噌汁についてなら書けるけれど、レストランの味にはならない。
カレーってすごいねえ。
「人生はカレーである」三部作?を読んでいただき、ありがとうございました。

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たか
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