東京

「東京の街に出てきました 相変わらず訳の分からないことを言ってます」
2022年3月末日、新卒で僕は上京した。この腐った街、人と人が擦れ合ってる街はどこまで足を運んでも汚染された空気で肺がいっぱいになる。みんな過去に人との関わり合いで傷ついた人ばかりなのだろう。気持ちが分かる。彼氏がいるのに酒に酔って、駅のホームで死んでるお姉さん。家のないホームレス。その隣で腹筋を始めて笑う、しょうもない若者たち。全部わかるし、どいつも好き。でも、きっとそれは誰かを不幸にする。辛いから消えてくれ。
「君が素敵だったこと 忘れしまったこと」
別に俺は忘れたようで、忘れてない。こんな腐った街にいても、会社で限界を迎えても、別に俺は忘れてない。今まで色々、その時々で大事に想う人がいて、時々で想われることがなくなって、そんな愛おしい茶番を繰り返して、ボロ雑巾になりながら俺は今日にたどり着いた。
「いつの間にか随分遠くまで来てしまったな」
本当に時が経っても、あの時の二人は消えやしないだろうか。小さな灯火にいつも祈りをくべる。忘れませんように、次は誰かを傷つけずに、そして自分も傷つきませんように、と。
いつも僕たちは大なり小なり、人なり物なり、恋に落ちる。でも、その分傷つく。この全て、僕の身に起きするべて、皆の身に起きる全て、一体なんなんだろうか。
駅では肩をぶつけ合って、睨み合って、そんな奴が明日には知り合いで、俺の恋敵だったりもする。人生とは一体なんなんだろう。

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