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川上弘美の世界でデトックス

嫌なことを忘れたいときは
川上弘美の小説を読む

一杯のお酒をお供にして

今日は「猫を拾いに」
掌編集なのでいつでも止められる。


新年の客

小説の頭に昔住んだことのある千歳船橋が出てきたので妙に懐かしい。森繁通りにあった四畳半の下宿。初めて作った味噌汁にナスを入れたら妙に紫色になって心配したことを思い出した。つまらぬことを覚えてるもんだ。

リアルな地名が出てくるのに、不思議な話。川上文体に酔い、異世界に連れて行かれる。擬音がいいね、ガガガ。日常から離れるには、もってこいだ。ニセ家族が宇宙人に遭う。ハハ。


トンボ玉

レナ姉、犬、涼音、自分探しの旅、トンボ玉なんでもないキーワードで心を摑まれる。凄いね。

どうしても欲しいものは、いつだって、僕の手に入らない。
レナ姉なのか、涼音なのか
自分なのか、トンボ玉なのか

とはいえ、真剣味が薄い。
その熱量のぼやっと感が好き。

トンボ玉は長野の博覧会で友だちと体験会で作った。いつの間にか、なくなってたな。


ひでちゃんの話

電車に乗ると気になる風景は誰にでもある。向田邦子は、アパートにライオンがいるのを見つけ、役所広司はダンス教室の灯りにときめいた。そして、ひでちゃんは包丁研ぎの看板に導かれて弟子入りした。

自分から遠い世界にいるひでちゃんの世界には入れそうで入れないので、時々電話をしたり、手紙を書いたり。距離感がいいね。

人生はいちどきり。自分の人生だけではもったいない。他人の人生に取り憑いてみれば生の彩りが増える。それは楽しい。

まずは、電車から気になる景色を探そ。

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