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#映画にまつわる思い出

『タクシー・ドライバー』トラヴィスのこと

『タクシー・ドライバー』トラヴィスのこと

特別展中尊寺金色堂を見に行き、平和を願いながらも滅ぼされてしまった藤原氏一族の栄華とその末路、そして900年後の展示の意味について、もやもや考えてた。

そしたらなんの連想か『タクシードライバー』を思い出したので書き留めておこう。

学生時代に『ミッドナイトエクスプレス』『レイジング・ブル』などと一緒にオールナイトで見たのが初見。それから何度か見ている。ロバート・デ・ニーロを『ディア・ハンター』で

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『おみおくりの作法』                                    ジョン・メイの墓碑に贈る言葉

『おみおくりの作法』                                    ジョン・メイの墓碑に贈る言葉

『おみおくりの作法』 2013年公開

その頃、自分は二十代だった。縁あって水上勉さんの若狭一滴文庫で講話を聴いた。その時の言葉がずっと心に留まってる。

「真実の僧侶は市井にいる」

水上氏の『越前竹人形』には船頭の格好をした僧侶が現れる。

この映画の主人公ジョン・メイも、まさしく市井に生きる真実の僧侶。

孤独のうちに死んでいった一人ひとりに敬意を払い、諦めずに故人の物語を探し出して弔う。

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『長いお別れ』を見て思い出した友人の手紙

『長いお別れ』を見て思い出した友人の手紙

『長いお別れ』2019年公開 

認知症のことを「Long Goodbye(長いお別れ)」と表現するらしい。認知症になった人を取り巻く家族や友人の目線からの言葉だろう、と想像する。大切な人が徐々に失われていく気持ちを、後から回想してできた言葉なのだろうか。

認知症になった旦那様を看取った友人から手紙をいただいたことを思い出した。

毎日毎日、世界中で認知症になった方とその周辺の人たちには、喜怒哀

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『ベルリン天使の詩』から『ドライブ・マイ・カー』

『ベルリン天使の詩』から『ドライブ・マイ・カー』

note探ってたら『ドライブ・マイ・カー』の記事が…。ちょっと思い出した。

2年前の4月に転職して、毎朝Y駅の中央改札から雑踏を横切ってS線まで歩く毎日になった。その度に思い出すのが「ベルリン天使の詩」のダミエルの眼。堕天使の彼は人間社会に興味を惹かれ、この世界に降りてくる。この世界に降り立った瞬間、モノクロームの世界に色がつくのが味わい深い。

妄想に浸れば私の頭もモノクロームの世界とカラフル

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「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない」

「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない」

『フォレスト・ガンプ』1994年公開

「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみないと分からない」

ガンプの母が遺した金言。映画を見たそれぞれの観客に届く言葉だろうと思う。

純真なガンプに「僕はチョコレートを150万個だって食べられるよ」と当たり前のような顔で言われると、希望が世界中に広がっていく。信じることは可能性を無限に広げる。

映画の中で繰り返し見せられるのは、
「誠実さ」「素直

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