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海外・英語好きなあなたが日本を知るためにおススメの1冊ー渡辺京二さんを偲んで

これを書いていたクリスマスの25日、
この本の著者、渡辺京二さんの
訃報が飛び込んできました…

「逝きし世の面影」を私たちに
遺して下さったことを改めて
感謝し、ご冥福をお祈りします。

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海外や英語に縁のある方が
日本を知りたいと思ったら、
ぜひこの本をお読みください。

その本は…
「逝きし世の面影」
渡辺京二著 
平凡社ライブラリー
1900円税別
https://amzn.asia/d/4au7NEP

文庫なのに
600ページ、厚さ2センチを超える
ボリュームのこの本には

幕末から明治初期に来日した
外国人の目に映った
日本の風景、人々の暮らしが
ギュッとつまっています。


それは、海外生活に憧れたり
英語を話せることを夢見たり
していると、

なかなか知る機会のない
かつての日本の姿です。

それを知らないと、
「伝統もどき」を
「伝統」と
思い込んでしまいます。


たとえば、
「日本の父親の子育て参加は
最近のことで、
北欧のほうがすすんでいる」
というイメージがありますが…


「逝きし世の面影」390ページでは
イザベラ・バードが
びっくりしています。


明治11年の栃木、
日光でのひとこまです。

「私はこれほど自分の子どもに
喜びをおぼえる人々を見たことがない。
(中略)
他人の子どもにもそれなりの
愛情と注意を注ぐ。

毎朝6時ごろ、12人か14人の男たちが
低い塀に腰を下ろして、それぞれ自分の腕に
2歳にもならぬ子どもを抱いて、
かわいがったり、一緒に遊んだり
自分の子どもの体格と知恵を見せびらかして
いるのを見ていると大変面白い。」


ふんどし一丁の若いお父さんが
子どもを片腕にかかえながら
仕事をこなす姿も
あちこちに出てきます。


もう少し大きくなると
子ども同士で道路で
キャアキャア羽根つき。


これが馬をひく別当には
迷惑だったようですが、


別当は子どもをひとりずつ
道端に連れて行ってから
馬を通したそうです…
ヤレヤレ…



こんな風景に目を細めていた
ノンジャパの皆さん、
ちょっとドキッとすることを
予言しています。


「我々が来てしまったので
20年でこの文化は
姿を消すだろう。」



ええええー。


「この文化」が逝ったずっと後、
日本の戦後はアメリカの体制下で
マイナスからのやり直し。


私たちが生まれたのは
そのさらにずっと後でしょう?


幕末、明治のはじめまで
何百年も続いてきた
日本のくらしは
みなさんの暮らしの中に
どのくらい残っていますか?



たしかに、海外に学ぶことも
たくさんあります。



でも、なんとなく、この30年
元気のない日本だけを見て
「海外はすすんでいる」
「先行する欧米に倣おう」
とアセっているとしたら、


ちょっと立ち止まってみても
いいのでは?


まずは「逝きし世の面影」を
読んで下さい。



この本をまとめたのは
渡辺京二さんです。


渡辺さんは
水俣病のルポ「苦海浄土」で知られる
石牟礼道子さんの編集を
長く担当された方です。



表面的には
うまくいっているように見えるけれど
とてもいびつな日本の近代化に
問いを立て続ける人です。



日本の英語教育も
この「いびつな近代化」を
助長しないよう
願うばかりです。



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1月21日土曜14時より
通訳者にも英語学習者にも大切な
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育て方セミナーを開きます。

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クリスマスおめでとうございます。
Happy Christmas!

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