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$情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 (文春文庫) 文庫 –堀 栄三 (著)

$堀栄三
正確な情報の収集とその分析という過程を軽視する大本営にあって、情報分析によって米軍の侵攻パターンを的確に予測したため、「マッカーサー参謀」とあだ名された。戦中の山下奉文陸軍大将、そして戦後海外の戦史研究家にもその能力を高く評価されている。
参議院議員国土交通大臣(2011年4月 - 2012年6月)の前田武志は堀の甥である。


$解説
情報を扱う全ての人へ。先人の貴重な教訓に溢れた名著。
「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」
―太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥"を剔抉する。
戦史ファン、歴史ファンはもちろん、現代のビジネスパーソンに最適。
「企業の方々が読まれる場合には、戦略は企業の経営方針、戦術つは職場や営業の活動、戦場は市場(マーケット)、戦場の考察は市場調査(マーケティング・リサーチ)とでも置き換えて読んでくだされば幸甚である」(まえがき)

$読者レビューより引用・編集
著者の堀栄三氏(1913-1995)

ウィキペディアより引用

は、1942年に陸大を終了し、その後情報担当の参謀として活躍する。この本は子孫に「真実」を残すために記載されたノートを元に構成されたようだ。著者は「私」を使わず、「堀」を使って内容の客観性を意図している。
著者は終戦直後に「悲劇の山下兵団」を著し、山下奉文大将を悼んでいる。著者が山下将軍の人格を尊敬し、同時に、フィリピンの現地統率者であった山下将軍に、情報を軽視した無謀なレイテ戦を押し付けた大本営作戦部の誤謬を明らかにするためもあった。
堀参謀の情報分析は詳細を極め、その上にプロの直感を重ね、結果的に的確な予測を進言した。これは台湾沖航空戦での海軍の過大戦果の評価の誤りを指摘することに始まり、その誤りの上に作成された上記 レイテ作戦が多大の将兵を死に追いやったことに対する痛烈な批判であった。
このフィリピンを巡る米軍との攻防戦で、日本兵477,000人の屍を築いた。レイテ戦敗北後、大本営の軛から解放された山下将軍は米からの攻撃の盲点であるルソン島の「山」を利用して、米軍数個師団をそこに釘付けにした。
その分が、沖縄攻撃に加われず、米軍の戦力を減少させた。中川州男(くにお)司令官のベリリュウー島での戦いのように、我が方の弱点と敵の特徴、特にその弱点を知れば、自ずから有効な対策が取れる。それを、大本営作戦部はしなかった。
物量的に圧倒する米軍に敗れただけではなく、日本軍自体にも大きな問題があった。それを戦後、戦争を仕掛けた側の米軍はいみじくも明確に指摘している。それは、国力判断の誤り、制空権の喪失、組織の不統一、作戦第一/情報軽視、精神主義の誇張(p328)である。
弱小国が生き残るには「兎の耳」(情報)が重要であり、的確な情報に基づいた冷静な判断が必須であることを強調する。現在でも、平和の享受だけでなく、企業、社会、教育など多方面の日常のためにも、「情報」の重要性を、歴史で学べる一冊と思う。

$商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」―太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を剔抉する。

$マッカーサー参謀と言われた日本人は誰ですか?

「マッカーサー参謀」の異名

続く堀栄三は、英米を担当した〈情報参謀〉で、対米戦マニュアル『敵軍戦法早わかり』等を纏めるなど分析力に長け、米軍の上陸地点や時期を何度も言い当て〈マッカーサー参謀〉とも称された。

名越二荒之助によれば、パラオ共和国が誕生した時、同島出身の人らによってペリリュー島における日本軍の勇戦を讃える「ペ島の桜を讃える歌」(作詞:同島出身のジョージ・シゲオとオキヤマ・トヨミ 作曲:同島小学校副校長ウィンティ)がつくられ、今に歌い継がれている。




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