$文明の衝突 単行本サミュエル・ハンチントン (著), 鈴木 主税 (翻訳)
$文明の衝突
単行本
サミュエル・ハンチントン (著), 鈴木 主税 (翻訳)
$解説
西欧への挑戦を続ける「儒教―イスラム・コネクション」は核拡散の深刻な危機を招くのか?
どちら側にも入れない日本は…。世界的な国際政治・戦略学者の著者が21世紀の国際情勢を鋭く予見!
第一部 さまざまな文明からなる世界
第一章 世界政治の新時代
第二章 歴史上の文明と今日の文明
第三章 普遍的な文明? 近代化と西欧化
第二部 文明間のバランスのシフト
第四章 西欧の落日:力、文化、地域主義
第五章 経済、人口動態、そして挑戦する文明圏
第三部 文明の秩序の出現
第六章 文化による世界政治の構造変化
第七章 中核国家と同心円と文明の秩序
第四部 文明の衝突
第八章 西欧とその他の国々:異文化間の問題点
第九章 諸文明のグローバル・ポリティックス
第十章 転機となる戦争から断層線(フォルト・ライン)の戦争まで
第十一章 フォルト・ライン戦争の原動力
第五部 文明の未来
第十二章 西欧とさまざまな文明と単数形の文明
$読者レビューより引用・編集
本書は、世界の主要な文明を8つ程度に分類。そして、冷戦の終結により、資本主義 対 共産主義という「イデオロギー」を軸とした世界構造は終わり、次に登場するのは「文明」を軸とした構造であると予言している。それが、本書の大意。
本書が出版された1990年代から現在(2017年)までの世界を見る限り、本書の予言は見事に的中していると言える。今後数十年間は的中し続けると思われる。著者自身は、本書において、文明を軸とした構造は21世紀半ばまでであり、それ以降については不明であって、この構造が数百年というスパンで継続するとまでは述べていない。
本書出版後における過去20年間ついて、私がざっと思い出す限りにおいて「的中」したと言える事象を列挙すると、以下のとおり。
・米国を含む西欧キリスト教文明とイスラム文明の衝突
イラク、アフガン、シリア、リビアなどにおける紛争。欧州で多発するテロと移民問題。
・西欧キリスト教文明とロシアを中心とした東方正教会文明の衝突
東欧諸国のNATOへの加入。ウクライナ危機とロシアのクリミア半島への侵攻。プーチンロシアを敵視する欧米のマスコミ。
・中華文明と西欧キリスト教文明の対立
航行の自由作戦。韓国の中国への傾斜と反米意識の高まり。韓国の北朝鮮への接近。
・中華文明と日本文明との対立
日中・日韓間における歴史問題。尖閣・竹島の領土問題。日韓間における価値観の不共有の顕在化。
本書が述べる「文明」と軸とした構造は現在の世界を認識するうえで有用であるが、「文明」のほかに、ここ数年「グローバリズム 対 ナショナリズム」の構造が顕在化し、世界を認識するうえで重要性を増大。「グローバリズム 対 ナショナリズム」の構造は、大雑把に換言すると、「国際金融資本及びその同調者 対 庶民」、すなわち、「エリート 対 庶民」と言える。本書では、「英語を話せるエリート 対 庶民」という構図については、ある程度詳しく触れているが、「グローバリズム 対 ナショナリズム」という表現では触れていない。その点において、現在の世界を認識するうえで若干片手落ち感も覚える。
本書は、500頁強の大部であり、かつ、かなり読み難い。読み難いのは、訳のせいなのか、原典自体が読み難いからなのか不明であるが、いずれにせよ読み難い。本書の大意は、本レビューの冒頭に述べた通りであり、500頁強の大部分はその根拠を示すことに費やされている。本書を手に取る各人の置かれた状況によると思うが、専門家ではない一般人においては、一般論的には、本書の結論的大意さえ知っておけば十分であり、時間をかけて本書全体を通読するまでの価値があるか、若干、疑問が残る。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
これは、孤立する日本の未来を予測する衝撃の書なのか。21世紀の国際情勢を大胆に予測する衝撃の書。世界的な国際政治学者、戦略家S・ハンチントン教授が発表した挑戦的ベストセラー、待望の刊行。
内容(「MARC」データベースより)
冷戦後の新たな国際紛争は「文明による衝突」だ。21世紀の国際情勢を大胆に予測。アメリカ文明と中国文明の対立の中で、孤立する日本の未来を考える刺激的な書。
登録情報
出版社 : 集英社 (1998/6/26)
発売日 : 1998/6/26
言語 : 日本語
単行本 : 560ページ
ISBN-10 : 4087732924
ISBN-13 : 978-4087732924
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サミュエル・P.ハンチントン
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