【アーティゾン美術館】コレクション展が凄い通り越してやばい!
先日、20世紀を代表する彫刻家ブランクーシの展覧会(@京橋のアーティゾン美術館)に行ってきました。
ブランクーシ展の会場は6階。出口から退出すると下の階へ続くエスカレーターが現れます。5階と4階では石橋コレクション展を開催しているとのことで、美術館出口(3階)まで歩きながらお楽しみくださいといったところでしょうか。
ほほー、国立西洋美術館と似たスタイルですな。西洋美術館は企画展に入ると常設展も入場させてくれるので、モネの睡蓮眺めて帰るのがけっこう好き。アーティゾン美術館も似たような趣旨らしい。
ところで、石橋コレクションって何?
見りゃ分かるだろと入場し、度肝を抜かれました。
印象派以降の近代絵画の有名どころが列をなして襲いかかってきた!
(ほんとです)
教科書で見た絵がうようよ。西洋美術館の松方コレクションに匹敵する超絶クォリティ!
ブランクーシ展を見に来たはずが、もうひとつ重量級の展覧会を見る羽目に陥ったのでした。
展示風景、まずは彫刻コーナー
まずは彫刻が整然と並んだお部屋からスタート。
さっそくロダンの『考える人』のミニチュア版がいます。他にもアルベルト・ジャコメッティやエドガー・ドガの彫刻作品が並んでおり、既にレベルが高い。
どれも素晴らしい作品ばかりですが、個人的に目を引かれたのがこちら。
格好いい!
有翼人をイメージした抽象彫刻なのかな? 外殻部分が漠然と対称形をなしており、一対の翼を背負った人の姿が見えるようじゃありませんか。
個人的にしびれたのは内側部分。ワイヤをぴんと張って作った直線が組み合わさり、放物線を形成しているのが見えますでしょうか。
数学の教科書に載ってる微分のイメージですね! 飛翔は空気の力学に支配される世界。有翼人と数学の接点です。
作者はイギリス人彫刻家バーバラ・ヘップワースさん。この『翼のある人物』は代表作のひとつで、ロンドンのオックスフォード通りに5メートルくらいある巨大な屋外彫刻として飾られているのだとか。観に行きたいなぁ
こちらは日本人彫刻家 豊福知徳氏の作品。この方は本作にも見られる列柱状のくり抜きが特徴的な作家だったみたい。
正面に立つと、巨大な塔の内側から外の世界を眺めているような感覚に捉われる作品です。角度を変えて眺めても楽しいですよ。
近代西洋絵画
彫刻ルームの次は印象派の名画がずらり。
モネ、ルノワール、ピカソ、ルソー、シニャック、クレー…
いんほんと、よく集めましたね!? ブリヂストンすげぇ
もはや言葉は不要の名画群、写真で雰囲気をご堪能下さい。
サルタンバンクとは大道芸人のことで、ピカソ初期の傑作のひとつ。
まだキュビズムしてないピカソ。
最後の方には現代作品もありまして、バケツをぶちまけたような表現をエンジョイできます。子供の遊びの産物のようでいて、ずっと眺めていても飽きないのは、きっとこれが藝術だから…なのかな?
これ、凄く良かった!
ザオ・ウーキーさんというフランスに帰化した中国出身の画家の作品とのこと。タイトルはたぶん日付(1985年6月7日?)
もっとこの方の絵を見たいな…と思っていたら、↓のnoteによるとアーティゾン美術館が他にも収蔵しているそうです。そのうち大規模展覧会もあるかも。
今回の特集:清水多嘉示の絵画
5階から4階に降りると、次は日本の作家の展示室。
今回の特集展示は清水多嘉示。彫刻家としての方が有名な方ですが、パリで修行した画家としての側面に注目しています。
本人はマティスをライバル視し、セザンヌを愛好していたようですが、作品を見るとマティスをよく研究している感じがしますね。
彫刻でない絵の方は初めて知りましたが、素敵な油彩画ばかり。一見の価値大いにアリです。
セザンヌをたいへん尊敬していたという清水。生前にもセザンヌと並べて展示される機会を得て大喜びだったとか。並べると不思議な調和をみせる二枚です。
近代日本洋画の世界
上階のヨーロッパ絵画コーナーも充実していましたが、日本作家コレクションも素晴らしい!
やはり教科書に載ってるような有名作品が目白押しです。
牛島氏は昭和期に活躍した画家だそう。ほんわりした画風に思わず見入ってしまいました。調べてみると、他の作品もパステルカラーの淡い彩色が独特で良い感じです。まとめて作品を見てみたい作家が増えました。
おまけ:吹き抜けの彫刻たち
展示会場から出た吹き抜け部分にも飾られている作品があります。通り道でないので気付かない人も多いと思いますが、せっかくなので見て行ってね!
まとめ
アーティゾン美術館を訪れたら企画展だけじゃ勿体ない!
超絶クオリティのコレクション展とハシゴするつもりで行くべし、と肝に銘じたいと思います。