[短編小説] 藤倉教授
「言葉の応用」初回の授業、藤倉教授が講義室に入ってくる。中肉中背、眼鏡をかけていて髪は短い。大半の人がそうであるように、彼がいるだけで場が華やかになる、ということはなく、学生たちは談笑を続けていた。チャイムがなり、藤倉教授が教壇に立って口を開く。
「君たちは学生である前に大人です。大人とは自分自身で責任を負う人たち、彼らのことを指します。あなたたちに少年法は適用されないし、契約も保護者の同意なくすることができます。あなたちの行動、人生の責任は自分たちで持つことが要求されるので