見出し画像

日本語は難しい?使い方間違っていませんか?Vol.14「琴線に触れる(きんせんにふれる)」

「『琴線に触れる』とは,本来『感動や共鳴を与 えること』という意味です。」

「平成 19 年度の『国語に関する世論調査』で その意味を聞いたところ,『怒りを買ってしまうこと』と回答した人の割合に大 きな差はありませんでした。」琴線に触れるの「琴線」は琴の糸のことで、比喩的に人の心の奥底に秘められている感情をあらわします。

心の奥にある、何かに感動・共鳴しやすい感情を琴の糸にたとえて表現しています。 このような由来から、美しいものや良いものに感銘を受けるポジティブな感情をあらわしております。

本来の意味に反して、「怒りを買ってしまうこと」と捉える人の割合が増えているようです。

「逆鱗に触れる(げきりんにふれる)」という言葉と言い回しが似ていることで、意味が混同してしまうのかもしれませんね。

ただし「琴線に触れる」は、あくまでも良い感銘を受けるというニュアンスです。語源は、中国故事にあると言われています。

周の時代に、琴の名手である伯牙(はくが)が親友の鐘子期(しょうしき)
に琴を奏でた際、琴の音色を聞くだけで鐘子期が伯牙の心情を理解し、感銘を受けたことが由来なのだそう。

ここから、胸の奥に秘められた感情が動き、共鳴する様子を「琴線に触れる」と表すようになったのですね。

【使い方例文】
1:「初めて彼の歌を聴いたが、何か琴線に触れるものがあった」
2:「心の琴線に触れるようなストーリーだった」
3:「恩師の言葉が、私の琴線に触れて涙がとまらなかった」
4:「大自然の中で見た景色が、琴線に触れた」

【言い換え&類語表現】
1:感銘を受ける  2:心を奪われる  3:胸を打つ  4:感無量
心が動く瞬間というのは皆同じではなく、人によって異なります。

もしかすると、経験を重ねていくほど心が躍ったり感動することは少なくなっていくかもしれません。

大切なのは、自分にとって心が動いた体験を忘れないこと。それを趣味にして続けていくのも良いですし、味わった感動や楽しみはできるだけ感じ続けられるようにしたいです。

正直な話「琴線=逆鱗」と思っていましたので怒りを買う意味で捉えていました。

滅多に使うことはありませんが、身近な言葉であることは事実です。

感覚で覚えるのではなく、ルーツから学ぶ姿勢が大事、ことばは道具です、上手く使いこなせれば凄く便利なツールですから・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?