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棋譜添削⑦(腰掛銀穴熊対三間飛車穴熊)

 棋譜添削の第七弾です。  対局者はsasorii君とChouwa君で、今までと同じ。  ですが、先手のsasorii君が趣向を凝らした序盤にしたため、後手のChouwa君が穴熊にし、それを見てsasorii君も穴熊を目指した将棋となっています。  ですので、今回は穴熊の考え方を中心に添削します。  尚、動画を観てから棋譜添削を見て頂くことをおススメしておきます。 3手目78金まで図  この78金は、昭和の時代には損とされていた手です。 「まだ相手が振り飛車にする

    • 棋譜添削⑥(三間飛車対右四間飛車)

       棋譜添削の第六弾です。  対局者はChouwa君とsasorii君で、今までと同じ。  戦型もお馴染みとなった、Chouwa君の三間飛車にsasorii君の右四間飛車です。  今回は、中盤の考え方を中心に棋譜添削したいと思います。  特に、局面の主張について解説していきます。  尚、動画を観てから棋譜添削を見て頂くことをおススメしておきます。 26手目54銀まで図  54銀は、63から54に銀を上がったのですが、疑問手です。  理由は、銀が54に来ても65歩からの

      • 観る将歴30年のつぶやき「サッカーW杯を観る将的に考察する」

         いよいよ今晩サッカーW杯決勝が行われる。  普段は将棋ファンの人でも、開催期間中は夜中に起きて観戦していた人も多いのではないだろうか?  かく言う私もその口で、日本代表の試合はもとより、他国の好カードなんかも結構観ていた。  正直、私は将棋の観戦歴よりサッカーの観戦歴の方が長い(キャプテン翼世代なので、同級生にはサッカーのクラブチームに入っていた人も多かったため)。  とは言っても、サッカーは完全に観る専門なので、技術的な部分がどうとかってことを将棋以上に説明できる訳で

        • 観る将歴30年のつぶやき「リアルでの不正の無い対局を考察する」

          早稲田大学将棋部 @wasedashogi · 22時間 部員のソフト指しに関するご質問がありましたので、経緯と早稲田大学将棋部としての方針を簡単に説明いたします。 早稲田大学将棋部 @wasedashogi (1) 昨年行われた部員同士のオンラインでの部内非公式戦対局に関して、ソフト指し疑惑が指摘されたため事情を確認したところ、当人はこれを認めております。一方で、対外的な公式戦においてそのような行為をしていないことについても確認済です。 早稲田大学将棋部 @wased

        棋譜添削⑦(腰掛銀穴熊対三間飛車穴熊)

        • 棋譜添削⑥(三間飛車対右四間飛車)

        • 観る将歴30年のつぶやき「サッカーW杯を観る将的に考察する」

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          観る将30年のつぶやき「マスク不着用で反則負け?」

           ご存知の通り、10月28日に行われたA級順位戦、永瀬王座ー佐藤天彦九段戦で、反則負けの裁定があった。  裁定理由は、マスクの不着用……。  臨時規定で、対局時のマスク着用が義務化されており、その規定によって、連盟会長佐藤康光九段と常務理事鈴木大介八段が協議した結果、反則負けが宣せられた。  と、まあ、事実関係はもう報道されつくされているので、これ以上の説明は省く。  マスク不着用の事実を佐藤天彦九段も認めているし、事実関係は間違いないので、この件はマスク着用の是非が問

          観る将30年のつぶやき「マスク不着用で反則負け?」

          観る将歴30年のつぶやき「勝負飯」

           最近では、棋士の公式戦が中継されることも多くなったので、棋士が指した棋譜だけでなく棋士の人格や行動にスポットがあたることも多くなった。  その最たるものが、 「勝負飯」 と呼ばれる、対局中の棋士の食事であろう。  知っている人も多いと思うが、引退した元A級棋士の橋本氏が、ここのところその勝負飯を批判して話題になっている。  話題……、と書いたが、まあ、ほぼ炎上していると言って差し支えが無いほど、批判が多い。  橋本氏の主張は、概ねこんな感じだ。 「棋士が食べている

          観る将歴30年のつぶやき「勝負飯」

          ちょっと変わった筋違い角対策

          「筋違い角が苦手……」 という人は、かなりの高段者にもいるようです。  私はそんなに苦手ではないですが、やはり相手がスペシャリストっぽいと、ちょっと警戒したくなります。  とは言っても、筋違い角への対応は、あまり種類が多いわけではないです。  それに、一つの対応を覚えておけば必勝……、ってほど、ことは簡単ではなかったりしますし……。  筋違い角への対応で一番多いのは、56銀と腰掛銀にして、6筋か4筋の位を取る構想です(A図)。 A図  筋違い角から振り飛車にした場合

          ちょっと変わった筋違い角対策

          角交換四間飛車対策

           先日、 「角交換四間飛車に対する指し方が分からない」 と、相談を受けましたので、駒組に重点をおいて書いてみることにします。  昨今の角交換四間飛車対策で流行っているのは、地下鉄飛車(A図)でしょうか。 A図  A図の29飛が狙いの構想で、ここから居飛車は86銀~95歩と端棒銀を狙うか、66銀~77桂として、8筋の歩を伸ばして8筋に飛車を転換することになります。  ただ……。  この地下鉄飛車は非常に玉が薄いので、少々形勢が良くても逆転負けを食らいやすかったりするので

          角交換四間飛車対策

          観る将歴30年のつぶやき「法的措置?」

          上から目線での投稿、誹謗中傷を止めるよう、お願いしたところではございますが、ご理解頂けず大変残念です。これ以上継続されるのであれば、法的措置を含めて、検討せざるを得ませんので、しっかり反省し、自重なされるよう願います。  冒頭の一文は、81道場内の棋譜投稿ページのコメント欄に書かれたものだ。  書いたのはW氏という81道場で三段の方。  書かれたのは、私である。 >>  一手一手に妙に時間がかかるため、疑問に思いましたところ、動画配信中でした。 勝手に配信され、大変不愉

          観る将歴30年のつぶやき「法的措置?」

          観る将歴30年のつぶやき「ヒューリック杯棋聖戦における棋譜利用ガイドライン」

           棋譜利用のガイドラインが改訂になった。  今までは王座戦と王将戦のガイドラインのみが明記されていたが、今度は棋聖戦のガイドラインが新たに明記された。  棋聖戦のガイドラインはシンプルにして明快。  そして、ハッキリと棋譜の利用について定義してあり、その上、利用の制限についても明記してある。  では、どの辺りが王座戦や王将戦と違うのかを見ていこう。  棋譜の利用の定義で、特筆すべきなのは、 >>【よくある質問】 Q)ブログやSNSで指し手をつぶやく場合も「棋譜の利用」

          観る将歴30年のつぶやき「ヒューリック杯棋聖戦における棋譜利用ガイドライン」

          動画の〇〇を指してみた「ショーダンオリジナル」

          初手からの指し手 26歩 84歩 25歩 32金 78金 62銀(1図) 1図  相居飛車の後手番は、基本的に受け身の将棋になりやすいです。  やはり、一手の差が大きく、先に攻める展開にはなり辛いですから。  ですが、毎回、毎回受けに回ってると、精神的にしんどいこともあったりするので、後手番でも攻める展開が望める戦法を身に付けておくことも大事だったりします。  私は普段、初手26歩には34歩がメインで、25歩を決めてくる場合には角換わりから右玉、76歩なら44歩と突い

          動画の〇〇を指してみた「ショーダンオリジナル」

          観る将歴30年のつぶやき「ウクライナ侵攻に思うこと」

           以前も書いたが、私は将棋の対局サイトには、真夜中から早朝にしかインしない。  と、言うか、イン出来ない環境にある。  理由は、仕事と介護のためで、対局中に急遽落ちるのも対局相手に失礼だからだ。  なので、家人が寝静まっている時間帯にコッソリ将棋を楽しむことになる。  対局サイトと書いたが、主に入るのは81道場だ。  これにも理由があって、他の対局サイトではなく81道場が都合が良いのだ。  対局サイトには、大抵、インしている人の多い時間帯がある。  将棋ウォーズなら夜9

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          YouTubeチャンネル紹介 なべ将棋実況【雁木・相振り】

           将棋系のYouTube動画を多く観ているせいか、最近ではおススメに幾人もの将棋実況チャンネルが並ぶようになりました(笑)。  一口に将棋実況チャンネルと言っても多種多様でして、プロやアマ強豪が手掛けているガチ系のもあれば、級位者が初段以上の棋力を目指すものまであります。  私は、将棋実況チャンネルは、楽しければ何でもありだと思っているので、棋力にかかわらず面白そうな動画はとりあえずチェックしています。  ……で、最近、 「これは凄いなあ……」 と、感心したチャンネルが

          YouTubeチャンネル紹介 なべ将棋実況【雁木・相振り】

          石田流解体新書⑤「先手角交換石田流に対する諸事情」

           これまで四回に分けて、後手が角交換型石田流にする指し方への対応を解説してきました。  33桂型、33銀型~24歩、33銀型~44銀、31銀型~穴熊と、石田流側が色々と方針を変えても、先手が十分に指せることが分かったと思います。 「そうは言っても、もし、相手が先手の時に石田流にされたらどうしたら良いんだよ?」 「後手と先手では純粋に一手駒組みが違う。だったら、こっちが後手ならその分大変なんじゃないの?」 と、こんな疑問を持ちながら講座を見ていた方もおられるでしょう。  

          石田流解体新書⑤「先手角交換石田流に対する諸事情」

          石田流解体新書④「対後手角交換石田流31銀型~穴熊」

          1図  今回は、33銀とも33桂ともせず、後手が駒組みを進める指し方に対する対応を解説します。  1図の31銀がその第一歩となります。  尚、31銀で33銀~42銀と引けば本譜の順に戻りますが、先手も同じように指すので何の心配もいりません(笑)。 1図からの指し手 16歩(2図) 2図  先手は33銀型の時と同じように16歩と突きます。  この端歩は様子見の一手のようですが、かなり重要な意味がありますので、必ずここで突いた方が良いです。 2図からの指し手 42銀

          石田流解体新書④「対後手角交換石田流31銀型~穴熊」

          石田流解体新書③「対後手角交換石田流33銀型~44銀」

          1図  1図は33銀型に16歩としたところです。  前回はここから後手が24歩とする指し方への対応を解説しましたが、56角と15歩のコンビネーションが抜群で、先手が後手の飛車交換の筋を迎撃することに成功しました。  途中の58銀と自陣を引き締める手や86歩からの玉頭攻めは、参考になったと思います。 1図からの指し手 44銀(2図) 2図  今回は44銀と出る手を見ていきます。  現在のアマチュア棋界では、後手で角交換型の石田流を指される方の8割がたは、この44銀型

          石田流解体新書③「対後手角交換石田流33銀型~44銀」