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プロダクトマネジメントの 5 段階モデル - 各段階の手法とプロダクトマネージャーの役割

プロダクトマネジメントってどうすれば良いの…
PdM って何をやればいいの…
やり方がわからないよ…

最近、プロダクトマネジメントに関する記事や本が増えてきたように思います。そのおかげで、プロダクトマネージャーの役割や仕事については、かなりイメージできるようになりました。

でも、

プロダクトマネジメントって、具体的に何をどう考えればいいのか、ってことは、ぼんやりとしたまま。

プロダクトマネジメントへの理解度をあげるため、「プロダクトマネジメントの 5 段階モデル」という形式で整理してみました。

ちなみに、 5 段階モデルは、ぼく個人の解釈。意見やコメントがある方がいたら、気軽にフィードバックしてほしいです。

はじめに

▼ これは何か
プロダクトマネジメントを 5 段階に整理すると考えやすいよ、ってことが書かれた記事。

前編として以下の記事を書いてます。ざっと読んでもらうと、より理解しやすいかも。

▼ 誰のために書かれているか
・良いプロダクトを作りたい人
・若手〜中堅のプロダクトマネージャー
・プロダクトマネージャーになりたい人
・プロダクトマネージャーと働いてる人

▼ どう役に立つか
・プロダクトマネジメントの要点がわかり、スキルアップに繋がる
・いま、自分に出来てる / 出来てないことが明確になり、振り返りに役立つ
・プロダクトマネジメントで作るべき、成果物を把握できる

プロダクトマネジメントの 5 段階モデル とは?

プロダクトマネジメントのフレームワーク
プロダクトマネジメントは抽象度が高いので、何を考えればいいのか、わからなくなることが多々ある。思考整理のため、プロダクトマネジメント5 つの段階に分け、それぞれ考える。

  1. Product Vision - プロダクトの価値を表すビジョン

  2. Product Structure - ベースとなる体験構造

  3. Product Strategy - ビジョンを実現する戦略

  4. Project Concept - 戦略を実現するロードマップ、施策

  5. Feature - 成果物としての機能や特徴

理想 - プロダクトビジョン

プロダクトを通して実現したい未来はどんなものか。
ユーザーへ提供する独自の価値を示す。

具体的に何をやるか

表現する手法はたくさんある。以下を試したが、個人的には 2 ぐらいの粒度がやりやすかった。

  1. コンセプト:例. スターバックス「第三の場所」

  2. Vision Statement:例. Microsft surface 、クックパッドの価値検証シート

  3. 物語:例. Soup Stock Tokyo のストーリー風企画書

参考
Product Vision の FAQ

どう役に立つか

  • 関係者全員で同じ目的を共有することで、意思決定のブレが少なくなる

  • 魅力的なビジョンがあることでチームのモチベーションがあがる

▼ プロダクトマネージャーの役割
・ビジョンが曖昧ならば、プロダクトオーナー等と話し合い、明確にする
・チームや関係者へ布教する(共感してもらう)

構造 - プロダクトストラクチャー

ユーザー体験やビジネスモデルの構造。
ここで整理した構造を前提として、戦略や戦術を設計する。

具体的に何をやるか

1.UX 構造を把握する

  • ユーザー:どんな人が使うのか

    • 例. 直接的 / 間接的なユーザー、ユーザーの特性など

  • タスク:目的達成まで、どんな工程があるのか

    • 例. 料理:レシピ検索〜買い出し〜料理…など)

  • 環境:どんな環境でやるのか

    • 例. 場所は?時間帯は?など

  • 設備:いまは何を利用しているか

    • 例. 競合や代替手段など

2.ビジネス構造を把握する

  • ビジネスモデル

  • KPI ツリー

3.歴史を把握する

対象とする市場は、歴史的にどのような流れで体験 / ビジネス構造を変化させてきたか。

参考
新規事業ってあるけど、みんなにおすすめ

どう役に立つか

  • ユーザー / 課題 / ニーズが明確になり、体験設計の解像度があがる

  • 競合と自社プロダクトの違いが明確になり、戦略設計の解像度があがる

  • 歴史的な流れを把握でき、次のトレンドを予想しやすくなる

▼ プロダクトマネージャーの役割
・ユーザーリサーチ等の情報収集
・関係者の理解度UP および 議論の参考資料として上記をまとめる

UX デザイナーやデータ分析ができる人がいれば、一緒に進めるとスムーズ

戦略 - プロダクト戦略

ビジョンを実現するための戦略。
競争優位(サービス独自の強み)を強化し、長期的に利益を生み出す仕組みを考える。

具体的に何をやるか

様々な表現方法がある。自分の場合は以下を作ることが多い。

  • UX 戦略:顧客ニーズを満たし、競争優位を生むにはどんな体験が必要か

  • グロースサイクル:プロダクトはどのような相互関係で成長するのか

参考その 1
UX 戦略 + グロース戦略 の思考トレーニング

参考その 2
グロースモデルについて書かれた記事

参考その 3
課題から考えるの大事

どう役に立つか

  • プロダクトの価値 / 課題が明確になり、優先度の判断がスムーズになる

  • ビジョンに繋がらない戦略がわかり、不要な機能開発が減る

  • 開発すべき機能の背景や意図が伝わり、関係者の納得感があがる

▼ プロダクトマネージャーの役割
・ビジョンや構造をもとに、課題を特定し、戦略を設計する
・戦略に関して、関係者と認識をあわせる
・メンバーへ戦略を説明し、共感や納得を生む

戦術 - プロジェクト

プロダクト戦略をどう実現するか。
いつまでに何を実現するか / 何を作ればプロジェクトは完了となるのか、を設計する。

具体的に何をやるか

  • ロードマップ

  • PRD

  • プロダクトバックログ

参考
ロードマップや PRD の作り方など

どう役に立つか

  • ユーザー / ビジネスの要求を具体的に記載し、UI デザイン / 実装に着手できるようになる

  • いつまでに何を作るのか、スケジュールが決まる

▼ プロダクトマネージャーの役割
・ロードマップ / PRD をみんなへ共有し、認識をあわせる
・プロダクトバックログを管理し、施策をスムーズに進める
・プロジェクトマネージャーがいない場合、施策の進行管理を行う

機能 - プロダクトの特徴

プロダクトの機能や特徴など

具体的に何をやるか

  • UI デザイン、実装

  • QA、チームレビュー

  • リリース

  • 検証、などなど

▼ プロダクトマネージャーの役割
・実装前に機能が目的からズレていないかレビュー
・リリース前に機能の品質をレビュー
・リリース後にデータに基づく効果検証

5 段階モデルにおける 7 つの鉄則

1. プロダクトに一貫性を与える

ビジョンを軸に戦略等を設計し、「何を作るか」を決める。その際、本当に必要なもの以外は、大胆に切り捨てていく。ビジョンに関連しない機能はプロダクトの競争優位に繋がらず複雑さリソースの無駄遣いに終わる可能性が高い。

また、戦略等を決めた後も、各階層を行き来しつつ、モデル全体で一貫性を保てているか、を定期的に振り返ることが重要。

2. 戦略の順序にこだわる

一貫性と同じくらい重要な要素として「どこからやるか」がある。
たとえば、

  • リソース不足により、実行できる戦略数が限定される

  • にわとり / たまご問題

など、戦略の優先度を判断しなければいけない状況は多々ある。戦略の相互関係を見える化しておくと、優先度を判断しやすくなる。

3. 事実をもとに考える

プロダクトマネジメントは基本的に「仮説」をもとに設計される。そのため、すべての意思決定に完璧な根拠があるわけではない。しかし、意思決定の多くが、プロダクトマネージャーの「個人的意見」のみを根拠にしている場合、不確実性は跳ね上がり、成果に繋がりづらい

  • 判断の前にデータを収集し、意思決定の精度をあげる

  • 仮説はクイックにリリースし、素早く検証する

など、事実をもとに判断していく工夫が重要。

4. みんなと認識を揃える

どれだけ綿密に 5 段階モデルを設計しても、現場で利用されなければ意味がない。チームはもちろん、他チームのメンバーも含め、共感してもらうことが大事。全員が同じビジョン・戦略を意識すれば、アウトプットの質もあがる。そのためにも、5 段階モデルは、誰でも理解できるよう、なるべくシンプルに、魅力的に書く。そして、くり返し伝える。

5. 臨機応変に行動する

5 段階モデルを設計したからといって、必ず成功するわけではない。大抵は失敗する。重要なのは、「失敗の原因」を考え、次に活かすこと。ビジョン / 構造 / 戦略 / 戦術 / 機能 の 5 段階のうち、どこから修正すべきか、を考える。一度決めた戦略であっても間違っていたら変更する。関係者には臨機応変に仮説を変える可能性があることを事前に伝えておくとスムーズ。

6. 完璧を目指さない

5 段階モデルは役に立つが、それ自体を目的にしてはいけない。目的は魅力的なプロダクトを作ること。5 段階モデルを作ることに時間をかけすぎて、プロダクト開発が疎かにならないように。たとえ、曖昧な設計であっても、走りながら作っていく。細かくリリース → 検証を繰り返したほうが不確実性も減る。

7. 自意識は捨てる

プロダクトマネジメントは仮説検証のくり返し。失敗を恐れたり、避けようとすると、むしろ上手くいかない。また、新しいアイデアにこだわって、誰も必要としないプロダクトへ進むことがある。上手くやりたい、イノベーションを作りたいって自意識は捨てる。ユーザーにとって価値があることは何か、ビジネスとして安定させるには、どうすれば実現できるか、を地道に考えることが大事。

おわりに

まとめるとこんな感じ

プロダクトマネジメントの 5 段階モデル

  1. Product Vision:プロダクトの価値を表すビジョン

  2. Product Structure:ベースとなる体験構造

  3. Product Strategy:ビジョンを実現する戦略

  4. Project Concept:戦略を実現する施策やロードマップ

  5. Feature:成果物としての機能やサービス

5 段階モデルにおける 7 つの鉄則

  1. プロダクトに一貫性を与える

  2. 戦略の順序にこだわる

  3. 事実をもとに考える

  4. みんなと認識を揃える

  5. 臨機応変に行動する

  6. 完璧を目指さない

  7. 自意識は捨てる

おわりのおわりに

今回の記事では、「プロダクトマネジメントの 5 段階モデル」の概要をまとめてみました。次は、実践編として、それぞれの階層を具体的にどう設計していくか、をまとめてみたいと思います。
(結構時間かかりそうだけど…)

今後もコツコツ、知見をまとめていこうと思います。よろしくです。

それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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参考

プロダクトマネジメントの 5 段階を作る上で影響を受けた記事。UI デザイナー時代に読んで、すごく参考になった。UX デザインを整理したい人におすすめです。


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