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そうめんは四次元殺法の使い手だ。

どんな料理にも柔軟に対応する万能型の食材は意外と多い。
例えば、ゴマやネギなど煮ても焼いても臨機応変に味を合わせてくる。

食欲がない時やセミが休むことなく鳴き続ける暑苦しい夏に食べたくなる「そうめん」も例外ではない。

箸で掴もうとすると千切れるくらい細い麺をしていて、色白で上品さを兼ね備えている。

汁に浸かることで、より白さが際立ち、涼しさを感じさせてくれる夏の定番食品だろう。
日本人ならばなくてはならない万能型の食材。

とはいえ、飽きられやすい欠点がある。
のど越しが柔らかく、あまり噛まずにスイスイ食べられるけど、夏の食卓に登場し過ぎて飽きられやすい。

それに、爽やかな白色という見た目と、サッパリした味付けから質素なイメージを持たれがち。

暑くて食欲のない日にはもってこいだけど、しっかり食べたい時には物足りない。

細くてスルスル喉を通り越すから、麺の命でもあるコシや弾力が味わえないからだ。
また、煮込み過ぎればクタクタになって豪快にすすることはできないくらい柔い。

そうなると、そうめんは主役にはなれないけど、居ないと困る名脇役のような立ち位置だな。

他の麺類と比べると明らかに差が開いている。
「ラーメン・うどん・そば」などは、それぞれがメインを張った店がある一方、そうめんをメインにした店は、あまり見かけない。

あったとしてもサイドメニュー的な役割に甘んじている。
それでいいのか「そうめん」よ!

今こそ、万能な食材だということを思い出させるべきだ。
お前のポテンシャルは高いぞ。

事実、調理方法は幅広いではないか。
煮るなり焼くなり好きにできるし、他の食材とも相性がいい。

メインを張れる料理だってあるぞ。
例えば、そうめんチャンプルーとか。
他の麺類でもマネはできるかもしれない。

しかし、「うどんチャンプルー」や「ラーメンチャンプルー」などとは聞いたことがない。
やはり、そうめんの繊細な細麵で他の食材を引き立てる存在感だからこそ成立する料理なのだろう。

その気になれば、いつだってメインを狙える実力があることを忘れないで欲しい。


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