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Vol.110 万年筆で、文字のゆらぎを楽しむ【手紙の助け舟】

みなさま、こんにちは。
喫茶手紙寺分室の西川侑希です。
蒸し暑い日が続きますね。疲れがたまらないよう体を大切にしてくださいね。

味わい深い手書き文字

みなさまはご自身の字が好きですか?
私は正直に言うとあまり好きではありません。特に昔は大嫌いでした。
当たり前ですが学生時代は文字を書く機会が多く、ずっとコンプレックスでした。パソコンがようやく普及しはじめたころに中学生時代で、学校での配布物やテストにワープロ(パソコン)と手書きを印刷したものが3:7くらいのタイミングでした。友人とのやりとりもLINEではなく手書きのメモを授業中にまわしたり、人の文字に触れる機会が今よりも多かったことも要因かもしれません。
コンプレックスを感じる一方、様々な人の手書き文字を見るというのは大変勉強になり、必要な経験だったと意味を感じています。
やはり手書きの文字は個性が出ますし、不思議なもので同じ「あ」の文字でも全く同じ「あ」はありません。心境や状況がうかがい知れるのも、手書き文字の面白いところですね。
タイピング文字が日常になることで手書き文字の良さを再認識しています。

楽しい万年筆ライフ

そんな文字に強い引け目を感じていた私も、社会人になり、手紙を書く機会を多く持ったことで幾分かマシになりました。
万年筆を使うようになったことがきっかけで、自分の文字を「認める」ことができるようになりました。
人にはそれぞれ文字を書く時のクセがありますよね。万年筆やガラスペンなどのインクが直液式の筆記具は、書くと、筆圧・紙のにじみなどによって文字にインクの濃淡が表れます。その濃淡がゆらぎとなりクセを個性にしてくれるのです。
キャンドルの灯りのゆらぎを心地よく感じるように、文字にもゆらぎがあることで心地よさを感じるのかもしれません。
万年筆で書くことで文字が上手になったように見えます。実際、筆圧や紙とペンの滑り具合で文字も変わっているように感じます。
文字に自信がない方、筆圧が強い・弱いなど、書くことに心配事がある方は万年筆を試してみるのをおすすめします。
インクや紙など新しい世界が広がるかもしれませんよ。

おすすめの万年筆と紙の組み合わせなど教えてくださいね。
それではまた、お会いしましょう。

▼300円代から購入でき、カラーが豊富な プラチナ万年筆社のプレピー

▼1,000円代のカクノから高級な蒔絵の万年筆まで パイロット社

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西川 侑希(にしかわ・ゆき)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
愛知県名古屋市生れの名古屋市育ち。広告代理店で営業職として勤務したのち、メーカーで商品企画と広報を担当。「文具店が開ける」と言われるほどの文具マニア。
1年間で手紙を書く枚数は500通以上。最近は読書と釣りが趣味。
Instagram  https://www.instagram.com/yuki__nishikawa/

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