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フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る

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フィンランドの在宅介護での在職中に250世帯の世帯を訪問。フィンランド人、フィンランドの高齢者介護、社会保障についてを聖書を通してみてみます。1998年よりフィンランド在住。
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2021年3月の記事一覧

ミンナの場合 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 7

ミンナの場合 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 7

「ミンナ」のストーリーをご覧になるにはこちらから。

https://note.com/teeri/n/n77279d49f98f 

 壮年のミンナは結婚生活の破綻、それに伴う鬱。新しい命の誕生、親の介護というフィンランドでは『渋滞期間』と言われる、仕事、孫、老親と仕事だけに集中するだけではなく、他に助けの必要な家族が出て来た期間を過ごしている。自分の人生、仕事の他に他の世代をアシストする必要が

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社会保障の現実イロナの場合 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 6

社会保障の現実イロナの場合 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 6

イロナの場合

モノローグで登場したイロナの人生を例にあげて、フィンランドの社会保障の内訳を説明していこう。

イロナの物語はここから https://note.com/teeri/n/n909a325d9606

文中に出てくる金額はことわりがなければ2021年の数値です。

出産から幼児期・出産通常分娩の場合費用は2000ユーロ(2019)。そのあとの家族部屋で過ごす時間、その間の食費は有料。

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社会保障の歴史と国民識別番号 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 5

「あなたの手に善を行う力があるとき、求めるものに、それを拒むな。」
聖書 箴言3章27節

フィンランドにちょっと長期住む事になった人は必ず国民識別番号が与えられ社会保険省、略してKelaと何らかのやりとりをする事になる。

人間の生き方とスタイルはその時代により変わってくる。そしてそれは常に一定のスタイルを保っている訳ではない。その時代に沿った問題や必要が出てくるのだ。
第二次世界大戦後のフィン

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人生曲線 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 4

人生曲線 フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 4

『天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。』
聖書 伝道者の書3章1節

人生曲線先に3人のフィンランド人の女性の生き方を例に挙げてみた。今回は「人生曲線」について書くので、この3人の人生についての解説はまた次回にいたします。

フィンランドの社会福祉の観点から人の人生を誕生から死まで、虹のような形の曲線で表現している。誕生から幼児期、学童~青年期、成人、高齢期そして死と

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シルッカのモノローグ フィンランドの人・社会福祉・介護 聖書を基として見る 3

モノローグの最後は高齢女性のお話です。
ストーリーはフィクションであり実在の人物・団体などとは一切関係ありません。

シルッカ 90歳『年老いた時も、私を見放さないでください。私の力の衰え果てたとき、私を見捨てないでください。』 聖書 詩篇71章9節

 今日も訪問介護が来て、薬の処置をして帰って行った。訪問介護が通うようになってもう3年になる。訪問介護が始まった当初、私はアルツハイマー病だと診断

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