はじめての1人呑み
私はあまりお酒を呑みません。
飲み会に呼ばれた場合は、嬉々として呑みますが、自宅に酒の類は一切置かないタイプです。酒を摂取しないと寝られない両親とは雲泥の差です。
とはいえ、私もそれなりの大人になりました。
まだ、コロナウィルスが猛威を振るう前の2020年1月末に広島旅行に行った際、初めて1人呑みを経験したので、そのときの思い出を書こうと思います。
ちなみにスタエフでも配信しているので、是非聴いてください。
広島といえば、私のイメージではお好み焼きと牡蠣です。
昼に原爆ドームや石碑を見て思うことがあったので、夜に酒を呑みながらお好み焼きをつつき、物思いに耽ろうと考えていました。
「お好み焼きみっちゃん 八丁堀店」に行きました。
飲み会に行くと、皆に流され初手にビールを頼んでしまう私ですが、今日は1人です。生まれて初めて自分の意志で一杯目のお酒を選ぶことにしました。
すると、何やら面白そうなお酒があります。
『サリトス』
ドイツビールをテキーラで割ったのか、テキーラをドイツビールで割ったのか定かではありませんが、抜群にうまかったです。
ほのかにライムの風味もしました。
食べ物はお好み焼き(特性スペシャル)、牡蠣焼き、牛タン焼き、牛すじ煮込み、とん平焼きを頼みました。この濃いメンツたちとサリトスが半端じゃないほどマッチします。
夢中に食べながらも、昼に見た石碑や原爆ドームのことが思い出されます。
第二次世界大戦は学生時代に習ったので、「知って」はいましたが、「理解」は出来ていなかったのかもしれません。実際に被害にあった土地に訪れるまで、被害者の人数や遺族の方がどんな思いだったのか、など気にしたことがなかったためです。夢想に耽る中で、「平和とは何か」「暴力とは何か」「幸せとは何か」とひたすらに考えさせられました。
かつて、中学時代の社会の先生がこんなことを言っていました。
「人間に感情がある限り、戦争はなくならない。」
確かに、感情があるから争いが生まれるのかもしれません。ただ、感情があるからこそ、いざというときにブレーキを踏めるんじゃないのかなとも思っています。
そんなことを考えながら撮った写真を見返してみると、原爆ドームの前で撮った一枚が見つかりました。
カップルが等間隔で座るのは、京都の鴨川が有名ですが、広島でも見ることができました。
いつもだったら、リア充を揶揄する気持ちが湧き上がりますが、この日は不思議と清々しい気持ちでした。悲惨な出来事について原爆ドームを通して考えさせられましたが、その対岸のカップルたちを見て、未来への希望も少し湧いてきました。
こんなことを考えている間に、サリトスは5杯目です。
ベロベロになってしまい、料理も酒も何一つ写真におさめていませんでした。お会計のときに「牡蠣は美味しかったですか?」と聞かれ、「抜群にうまかったです!」と言おうと思いましたが、ろれつが回らず、我ながら何を言っているのか分かりませんでした。
17時から呑みはじめて、まだ18時過ぎです。
予定では2−3軒ハシゴするつもりでしたが、財布も腹も全く余裕がありませんでした。
「1人呑みもペース配分が大切」
そんな当たり前の気づきを得て、千鳥足でホテルまで帰りました。
その日は、とてもぐっすり眠れました。
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