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spin a yarn

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私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。 石川葉による小さなお話の連作。
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2018年4月の記事一覧

心に浮かべる

心に浮かべる

心に浮かべる。
今宵の三日月を浮かべる。
そそくさとそれは沈む。
残るのは星ばかり。
かしましくお喋りする星ばかり。

2018.4.20 tweet【spin a yarn】

雲を掴む

雲を掴む

雲の光る。
音のない時、体は少し浮いている。
シャボン玉にくるまれる。
とお、数える間に空が鳴れば、たちまち割れる。
鳴らなければ、しぼむように、やっぱり割れてしまう。
雲の光る。
いつかふわふわと浮かび上がり、雲を掴みたいと思うけれど。

2018.4.19 tweet【spin a yarn】

あらかじめ束ねられる

あらかじめ束ねられる

ほころぶ前に束ねられて
綺麗
誰の元へ届けられようとしている
満面の笑み
空と花と君と

2018.4.17 tweet【spin a yarn】

ロゼット

ロゼット

ロゼットを置き去りにして
空の光るものに届こうと首を伸ばす
いつか変容して
頭は吹き飛ばされて舞う
さあ、望み通り
やがて君も螺旋を描く

2018.4.16 tweet【spin a yarn】

光を置く

光を置く

光を置く。
春のはかないもの。
喜ぶ、あしもと。
星の瞬きほどの。

2018.4.4 tweet【spin a yarn】