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スタートアップを成長させるエコシステム②VCについて - 補足版 -

皆さんこんにちわ、TechWasabiです。前回はVCについて書きました。
前回はつらつらと「VCとは」的なこと書きました。
https://note.com/techwasabi/n/n0744fdaced5b

今回は補足版として、オープンイノベーションに積極的に取り組んでいる企業が、スタートアップの投資家であるVCを見て、協業検討対象スタートアップを大企業側はどう評価するのか、について書きます。

あくまで、大手企業の元BDとして、一つの指標になれば、という観点で書いています。なので、決して単純に良い悪いを書きたくて書いていないということはご理解下さい。

協業検討時になぜVCを見るのか

スタートアップとの協業に成功している大企業は、スタートアップのソリューションだけにフォーカスしているのでしょうか。
もちろん、自社との相性や、やりたいことを実現するために必要な能力・技術を評価することは必須です。ではそれだけ見ていればうまくいくかというと、そう簡単ではないと思います。
前回書いたように、スタートアップにはVCと呼ばれる投資家がついています。VCは100倍リターンが狙えるようなスタートアップに投資をします。
では、100倍リターンを狙うVCは、ただ単にアイディアが優れているようなスタートアップに投資するかというとそうではありません。多くの場合、投資するスタートアップに対して、

・どんな課題や問題を解決しているのか
・解決することは社会的、ビジネス的にどの程度インパクトがあるのか
・ファウンダーのバックグラウンド
・スタートアップが提供するサービスの対象は幅広いか


などを評価しています。上記したことは一部ですが、少なくともビジネス面では上記のようなことを評価します。優れたVCは上記の評価を正確に行える確率が高いです。
この評価は、「自社との協業相手としても成り立つか?」という疑問を元に、相手に投げる質問と同じ質問になりそうじゃありませんか?
だから、年間何百何千のスタートアップに会っている、その中で成功率が高い投資家が評価しているスタートアップを協業相手の候補とするのって理に叶っていると思っています。

投資を受けられないスタートアップには、スタートアップとしての課題があるかも

シリコンバレーでは日々積極的にスタートアップに投資が行われています。
ではどういうところに投資が集まるのか。投資家が大きくリターンを見込めるところです。大きくリターンを見込めるスタートアップとは大きな課題を解決して大きな価値を提供するところです。
逆にいうと投資を集められていないスタートアップは、投資家がなんらかの理由で投資を実行していないということになります。「ビジネスは成り立つが大きくスケールはしなさそう」、「スタートアップとしてまだ課題がある」、「本当に実現できるのか?」など理由は様々です。
スタートアップなので課題は当然あります。ただ、課題がありすぎるスタートアップとの協業をしたいのでしょうか。
・投資家から評価されている=成功する可能性が高い=リスクが低い
協業検討の際、こんな風にスタートアップを評価することはできるのではないかと思います。

私自身も大手企業で、シリコンバレーやグローバルのスタートアップとの協業検討時、何社もリストアップし自社との協業に最適な会社を見極めてきました。どのスタートアップ企業も優秀なところばかりでしたし、面白いと思えるところばかりでした。ただ、複数の実証実験をして、ローンチするためのシステム開発や人材配置をするとなれば、それは立派なビジネス投資です。投資であれば成功の可能性が高くリターンを最大限に広げたいと考えています。
それはVC投資と重なりますし、VC投資と重なるなら、成功率の高いVCがお金を入れているスタートアップは協業相手としても可能性の高い相手になるのではないか、という考え方です。

まとめ

スタートアップはまだ将来性は不透明です。そこに積極的に投資をして大きなリターンを得ているのがVCです。当然、途中で残念な結果になってしまうスタートアップもいます。でも、投資もビジネス開発も成功率は高めたいですよね。そんなVCがすでに評価をしているスタートアップとの協業検討をするのは、シンプルに理にかなっているのでないでしょうか。

もちろん投資が集まっていないスタートアップが駄目とか、そんなこと言うつもりありません。僕も元々スタートアップ出身ですし、今もスタートアップ企業の役に立ちたくて、現在のような仕事をしています。
以前のスタートアップは残念な結果になってしまった経験もありますが、ユーザーはかなりの数ついていました。
それに、苦しんでいたスタートアップも、突然世の中の流れが変わって伸びたというケースもたくさん見ています。
そして、以前勤務していた会社では、投資家がついていないスタートアップとの協業で上手くいったケースもありますし、協業がきっかけで、そのスタートアップ投資が上手くいっていました。決して、資金集めに苦しんでいるスタートアップ自体の良い悪いとかって勝手なことを書くつもりではなく、あくまで、大手企業がスタートアップ企業とタッグを組む時は、どんな評価の仕方をしているか、という一例です。
それに必ずしも全員がこのような基準で考えているわけでもないです。
あくまで今後大手とのコラボレーションを考えているスタートアップやその逆の目安として、参考になれば幸いです。

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