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米国巨大リテール Walmartのイノベーション事例

Walmartは最近連続で新しいサービスを発表していますね。配送サービスと店内ピックアップについて、外部へのサービスを開始しています。
どちらも、もともとは自社の業務効率化やwalmartに来店した顧客への取り組みでした。
「やっぱりWalmartさすがだな」と思ったので、noteにします。まずは直近の発表である、新しいデリバリーサービスについて書きます。

Walmartのラストマイルサービス「Golocal」

Golocalは、先日Walmartが2021年末までに開始すると発表した、ホワイトラベルのローカルデリバリーサービス。Walmartがこれまで取り組んできた、ローカルデリバリーのサービスをリテーラーに対して提供するらしい。対象企業は、大手小売や中小企業などが対象。
"A社のサイトでオーダーが入る→A社はGolocalのドライバー(通称Sparkドライバー)に荷物を渡す→Golocalのドライバーが消費者宅まで配送する"
上記のような流れでwalmartが配送を担うことになります。

SparkドライバーはUberモデルのような、ギグワーカーを採用しています。これまでWalmartは、Sparkドライバーを活用し、オンラインで商品を購入した消費者の自宅まで、Sparkドライバーによるローカルデリバリーサービスを提供してきました。

デリバリーサービスプロバイダーとしてのWalmart

今後は、Walmartの競合にもなり得るその他のリテーラーが、Sparkドライバーに配送を依頼して、消費者宅までデリバリーできるようなサービスを提供することになります。つまり、これまではオンライン・オフライン共に売ることが仕事だったwalmartが、運ぶことまで手を広げることになります。
これだけだと、イノベーションというほどでもないかもしれません。ただ、今後はSparkドライバー活用だけではなく、walmartがこれまで実験してきた、ドローンや自動運転での配送手段もリテーラーが活用し、Golocalを通じて消費者に対して提供できるようになります。これまではAmazonやWalmart、UPSなど、大手が配送手段として実験していたことを、中小企業でも利用できることになります。
まだ実際の利用は開始されていないものの、このような取り組みは小売業者の域を超えて、デリバリーサービスプロバイダーの牙城を崩しに来ているのでかもしれません。

R&Dの成功事例として学べそう

その他にもWalmartがBOPIS (Buy Online, Pickup In Store )の仕組みを、Adobeと共同でSaaS化し、販売することも発表しています。
自社の業務効率化で開発したサービスを外部へ提供していく、まさにプラットフォーマーとしての取り組み、R&Dの成功事例だと感じます。WalmartはAmazonとは別の方法で、既存の物流企業の領域を取りに来ているようですね。
BOPISのSaaS化についても後日noteにしたいと思います。

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