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「ほうとう」と「おっきりこみ」の違いとは?

結論

  • ほうとうはカボチャ入で味噌ベース、おっきりこみは地域によって呼び名が変わり、味も醤油ベースか味噌ベースで変わる。

  • ほうとうの方が、麺の水分量は多い。ほうとうの方が、麺の水分量は多い。

ほうとう

 山梨県のローカルフード。
 平打ち麺を具材とともに味噌ベースのスープで煮込んだ料理。
 麺は小麦粉で練った平打ち麺。打ったあと、打ち粉をつけたまますぐ煮込みます。そうすることによって、トロミがついて麺とスープがよく絡みます。
 主な具材は、かぼちゃ、季節の野菜(ニンジン大根など)、キノコ、鶏肉または豚肉。
煮込んだ麺がスープと絡まってモチモチ!
 お店では、一つずつ鉄鍋で提供されることが多いです。
 家庭では大鍋で煮込んで取り分けて食べることが多いです。

 当時、山梨県の山間部は稲作が難しいため、生計を立てるため、養蚕が盛んでした。蚕のえさとなる桑の栽培が盛んで、桑の収穫を終えると小麦の栽培も行われていました。いわゆる二毛作です。二毛作とは、同じ畑で一年に2回違う作物を作ることです。
 収穫した小麦を麺にして、野菜とともに味噌味のスープで煮込んだのが、ほうとうの始まりです。
 名前の由来は、戦国時代の武将、武田信玄が自分の刀で食材を切って作っていたことから、「宝刀」と名付けられた説があります。

歩成本店

 山梨市駅北口から徒歩3分。観光案内所である街の駅山梨市の左側にある建物が本店。
昼から空いている居酒屋ですが、ほうとうも食べられます。
歩成のほうとうは、主に2種類。
カセットコンロ一台ずつ提供され、煮込んで、できたてが食べられます。

黄金ほうとう(鶏肉or豚肉) 1200円
かぼちゃペーストを加えた秘伝の黄金味噌+アワビの肝ペースト+京都の究極出汁を合わせたスープにカボチャ、野菜、豚肉の具材+幅広の麺
カボチャの甘みや深い味わい、麺によく絡みます。見た目もカボチャの黄色い味噌が映えます。

黄金ほうとう豚肉入


プレミアム黄金ほうとう(鶏肉or豚肉) 1800円
黄金ほうとうに山梨の名産、アワビの煮貝を加えたほうとう。煮貝が柔らかく、ほうとうとの相性もよいです。

他にも、歩成飯、餃子、串焼きもオススメ!
串焼きは、つくね、カシラなど定番からコアカン、白モツなど珍しい部位も食べられます。

コアカン


歩成飯

河口湖、山梨市駅からフルーツ公園方面へ坂を登る手前にもお店があります。

完熟屋


塩山駅南口から徒歩10分。
古民家を改装したお店。
メインはほうとう。
農家から直接仕入れているため、特に野菜が美味しいです。

完熟屋のほうとうは、野菜、鶏、豚の3種類。
ボリューミーな見た目、野菜メイン、手作り味噌の濃い色と深い味、大きなカボチャが特徴。


鶏ほうとう


1月訪問時は焼芋ジェラート(紅はるか)



他にも、甲斐サーモンなど、山梨県の食材を使ったメニューも豊富です。

アイスも季節によってバリエーションが変わるのでオススメです。

河口湖にも支店があります。

ほうとうメニュー(本店)
野菜ほうとう 1280円
鶏肉ほうとう 1380円
豚肉ほうとう 1480円
+季節の野菜天ぷらセット +300円

おっきりこみ

 群馬県全域、埼玉県北部、西部で食べられているローカルフード。
 手打ちの太麺を季節の野菜(サトイモ、大根など)、キノコ入りのスープを煮込んだ料理。
 小麦粉を少なめの水で練って薄く伸ばした生地を綿棒で巻いたまま、包丁で切る幅広い麺。薄いため、スープを吸いやすく、火の通りもよくする効果があります。
打ち粉のついたまま、生地を切ってすぐスープで煮込むため、とろみが付きます。残りを翌朝に食べることを「たてっかえし」と呼びますが、そうすることによって麺がさらに柔らかくなってトロトロに。ご飯にかけて食べる方法もあります。

地域によってスープのベースが変わります。また、名称も群馬県内でも変わります。
多数派は全体的に醤油ベースです。
北毛、西毛(沼田、高崎中心)では味噌ベース、南毛、中毛では醤油ベースが多数派です。
名称も県内によって異なります。
おっきりこみ→群馬県全域
煮ぼうとう→東毛(館林市、桐生市周辺)
ほうとう→北毛(沼田、水上周辺)
ひもかわ→

 江戸時代末期から、開国によって輸出用の生糸の需要が増しました。そのため、群馬県は富岡製糸場など、製糸業が盛んでした。その影響で養蚕業も盛んで、蚕のえさとなる桑と小麦の二毛作が行われます。
 小麦の栽培が盛んなのは、長い日照時間、乾燥した風、水はけの良い土壌という最適の気候だから。冬は「からっ風」という北西からの乾燥した季節風がふきます。これは、日本海からやってくる湿った風が新潟県と群馬県の県境にそびえ越後山脈でぶつかり、水蒸気が雪となって降って、山脈を越えると乾燥した風が関東平野へふきます。さらに、日照時間が長いため、二毛作による小麦の栽培が行われるようになりました。
 養蚕農家として仕事を終えた女性に、夕方まで働いて家に帰ってからご飯をつくるのは、栄養バランスの優れた手早く大量に作れる料理として誕生しました。家にある野菜を適当に煮て、塩を入れずに下茹でも不要で薄く伸ばした麺。制約がなく手早く作れるのが支持された理由でもあります。
麺を切っては入れ、切っては入れている様子から、おっきりこみと呼ばれてます。

小澤屋

世界遺産、富岡製糸場から50mと近い老舗。
おっきりこみ 880円
煮干しが効いた味噌ベースのスープで煮込まれる麺。
サトイモ、大根、キノコなど具材豊富で、あっさりした味わい。

小澤屋の元祖おっきりこみ

「ほうとう」と「おっきりこみ」の違いとは?

麺に加える水の量がおっきりこみの1.5倍。
麺はほうとうの方が厚い。
ほうとうは味噌ベースが多数派に対して、おっきりこみは醤油ベースが多数派。
ほうとうは、カボチャの甘みが目立ちます。

まとめ

共通点


養蚕業が盛んで小麦と桑の二毛作が背景。
太麺を打って粉付きですぐ鍋に入れること。
麺を野菜、肉など具沢山のスープで煮込むこと。

違い

 麺の水分量、厚さが違う。
ほうとうは味噌ベース、おっきりこみは醤油ベースが多数派。
ほうとうはカボチャが必須。おっきりこみは地域によってイモ類が入ることもある。

参考文献
農林水産省ホームページ
山梨県観光協会ホームページ
ぐるなび


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