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なぜ鎌倉はアジサイが多いのか?

結論

鎌倉の地形が生育環境にぴったりなこと。
土砂崩れ対策として植えられた。
アジサイは管理が容易で挿し木すれば増やせること。
死者を手向ける花として活用されていた。

紫陽花

 6月、梅雨に入ると同時に開花するアジサイ。奈良時代には存在しており、梅雨の時期を彩る花。これを目当てに鎌倉に多くの観光客が集まります。この時期は混雑するため、車より公共交通機関を利用することをオススメします。
ちなみに、花言葉は「辛抱強い愛」「家族団らん」、「移り気」「冷淡」など。色によっても変わり、青は辛抱強い愛情、ピンクは元気な女性、白は寛容と言われています。


明月院

 あじさい寺としても有名。1159年、平治の乱で戦死した首藤俊通の供養のため、息子の經俊によって創建。鎌倉幕府5代目執権北条時頼の墓、鎌倉最大のやぐらと言われる明月院やぐらもあります。やぐらの中はシンプルで円状に切り取られた悟りの窓を通して見える枯山水庭園も見どころです。
 約3000株のあじさいが参道沿いに植えられており、6月になると参道沿いのアジサイが開花。そのうち、8割が青。これらのアジサイは明月院ブルーと呼ばれ、梅雨空の中、彩られています。

庭園

 花しょうぶ、紅葉の季節限定で、境内奥の庭園も公開。庭園は6月上旬までアジサイと花しょうぶのコラボが楽しめます。アジサイではなく花しょうぶの開花時期に合わせて庭園が公開されますので、両方の花を同時に見られるチャンスは貴重です。
 ちなみに、花しょうぶの花言葉は、うれしい知らせ、優しい、優雅。

明月院
開門時間 9:00~16:30 (6月は8:30~17:00)
拝観料       高校生以上 500円、小中学生 300円+庭園 500円
アクセス JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分

 長谷寺など他にもアジサイの見られる寺院が鎌倉には数多くあります。

なぜ、鎌倉はアジサイが多く植えられているのか?

1.自然要因 

 一つは、鎌倉の地形と災害が関係します。北、西、東は標高100mほどの山々があり、南のみ海が開けている地形。この地形により、侵攻されにくく天然の要害と呼ばれ、この地に日本初の幕府が誕生するきっかけにもなりました。一方、もろく崩れやすい土壌のため、土砂崩れが発生しやす場所でもあります。あじさいは、成長が早く、地中にしっかりと根を張るため、土砂崩れを防ぐ役割を果たしてます。そのため、アジサイが多く植えられています。

2.容易な生育管理

 また、アジサイは挿し木で増え、管理も簡単なことも鎌倉にアジサイが多い要因の一つとも言われています。アジサイは初心者でも栽培しやすいため人気です。また、アジサイは潮風にも強く、鎌倉は冬も氷点下まで冷えることがめったにないため、生育環境としては問題ありません。さらに、東西にそびえる山々、南に開けた海という地形がアジサイの生育に最適です。アジサイは日光を好み、適度に日にあたる環境も生育にぴったりな環境であると言えます。

3.歴史的背景

 また、古くからお寺が多く死者に手向けるための花として植えられたことも要因の一つとして挙げられます。特に流行病の発生のときに多く植えられました。さらに、戦後、愛好家などによって植えられ、観光資源としても注目されるようになりました。

 今ではSNS映えなど観光資源としても注目されるアジサイ。観光資源だけではなく供養という歴史的背景や土砂災害対策という自然要因もあるなど、探求の根を掘り下げると一つに繋がっていくことが分かりました。

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