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40年ぶりに変わる!お札の裏の顔に携わった人にフォーカスした。

今回の主人公のエピソードをまとめてみた。

  • その方は、ダヴィンチと同じ使命をもっていた。

  • 大ヒット作品はヨーロッパにも影響を及ぼした。

  • 小布施は熱狂的なファンに誘われて訪れた。

富嶽三十六景神奈川沖浪裏

2024年7月3日に発行される新1000円札の表面に描かれている富士山の絵。新渡戸稲造時代の5000円札、野口英世時代の1000円札に描かれていた富士山の絵が40年ぶりにリニューアルされます。40年間、山梨県富士五湖の一つ、本栖湖から見える富士山がモデルでした。

富嶽三十六景神奈川沖浪裏は、目の前に現れる巨大な荒波、遠くに見える富士山が印象に残ります。日本のパスポートにも採用されています。ちなみに、千葉県木更津沖から見える富士山を描いたと言われており、神奈川県は東京湾を挟んだ対岸のことだと考えられています。

作者:葛飾北斎

江戸時代を代表する浮世絵クリエイターです。90年の人生の中で、93回の引っ越ししました。葛飾北斎の浮世絵は、オランダ経由でヨーロッパにも広まり、西洋芸術で大きな影響を与えました。特に、ゴッホ、モネなど印象派と呼ばれるジャンルを創った芸術家を魅了しました。

「目の前のモノをリアルに描くためには、どうすればいいか?」に人生を捧げていました。この使命は、時代を進めすぎてついてこれなかったレオナルド・ダ・ヴィンチと同じです。亡くなる3ヶ月前まで、現役バリバリの絵描きでした。風景が、人物画など幅広いジャンルを手掛けていました。

大ヒット作品


北斎漫画

漫画ではなく、絵描きを目指す方向けのテキストです。さまざまな表情、ポーズ、動植物、妖怪を幅広くカバーしています。この一冊があれば、とりあえず、基本的な絵を描くことができます。ポリシーは、「世の中のものは、〇と◇で描くことができる。」

富嶽三十六景

葛飾北斎が72歳のときに、誕生した作品です。東海地方、関東甲信地方を旅して観た富士山を46作品描いています。夕日に照らされた真っ赤な富士山、荒波と富士山など、旅先で出会った風景を描いています。世界にも渡った作品です。

小布施町と北斎

2023年夏、北斎展が開催されていた長野県立美術館

小布施町

長野県北部にある小布施町は葛飾北斎ゆかりの地です。亡くなるまでの7年間で4回訪れました。小布施に住む北斎の大ファン高井鴻山さんに誘われたことがきっかけで83歳のときに訪れました。当時の江戸は、天保の改革により、質素倹約の生活を求められており、自由に絵を描くことができませんでした。小布施に行けば、自由に絵が描けるだろうと思って、葛飾北斎は、小布施町を訪れることにしました。その後、7年間で4回訪れました。

岩松院本堂

室町時代に建立された曹洞宗の寺院です。周辺には、小布施町の市街地から北東方向にあります。日本海側で見られるように、トタン屋根のお寺です。

北斎が死の1、2年前に描いた天井図の「八方睨み鳳凰図」が170年前のままの姿で残っております。小布施町は、葛飾北斎が1年かけて描き上げました。目を中心に描かれているため、どの方向から観ても、目が合い、睨まれているように見えます。21畳分の広大な天井に描かれた色鮮やかな鳳凰が目を引きます。朱色、翠色、藍色など鮮やかな鳳凰は、今にも天井から出て飛び立ちそうなほどの迫力も感じました。

祭屋台

葛飾北斎が小布施町に遺した作品は、お寺の天井図だけではありません。祭屋台の天井絵も描いていました。170年間も、鮮やかな色彩が残ります。長野県立美術館で2023年夏に開催されていた北斎展で展示されていました。天井に描かれた波、鳳凰は圧巻です。


今回は、新1000円札を通じて葛飾北斎について話しました。葛飾北斎が富嶽三十六景を出版した10年後、もう一人の浮世絵クリエイターが、大ヒット作品を世に放ちます。その浮世絵クリエイターの話は、1週間後にします。

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