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【材料】『延喜式』研究に役立つサイト

 平安時代に編纂された法制書『延喜式』は、日本の古代を知る基本史料です。日本絵画の材料の歴史を紐解く上でも重要です。とくに天然染料を扱う染色の方は、巻14「縫殿寮」など参照されるのではないでしょうか。
 ざっと色材を検索しただけでも、紫草、紅花、朱沙、金青、緑青、烟子、紫土、青黛...…。改めて古代の色材の多様性に驚かされます。「両」という単位もこの当時から使われていたのですね。
 全50巻からなる大著で、その解読は容易ではありませんが、下記に研究に役立つサイトを2つご紹介します。国立歴史民俗博物館のデジタル延喜式と、宮内庁の書陵部所蔵資料目録・画像公開システムです。

1.デジタル延喜式

サイトの概要

 日本古代の法制書『延喜式』の画像・校訂本文・現代語訳・英訳を公開します。
  『延喜式』は 10 世紀に作られた官人の業務マニュアルであり、古代日本各地の特産物、全国の神社、朝廷で用いる物品の原材料、神様への捧げ物など、様々な情報が掲載されています。それらは古代日本・東アジアの環境、技術、生活、社会を読み解く手がかりとなります。しかし残念ながら現在伝わる写本には多くの写し間違いがあり、またその内容は難解です。
 この貴重な資料を多くの人たちに活用していただくために、国立歴史民俗博物館では全巻を有する善本として知られる館蔵土御門家旧蔵本『延喜式』のカラー精細画像を公開し、あわせて写本系統研究に基づく新しい校訂本文・現代語訳・英訳の作成を進めています。
 現段階では一部の公開にとどまっていますが、数年をかけて全文公開をめざしています。


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2.書陵部所蔵資料目録・画像公開システム

延喜式(50巻)
編著者:藤原忠平等 
刊写情報:版、明暦3年
家別:御所家本


カバー画像引用元:https://shoryobu.kunaicho.go.jp/Toshoryo/Viewer/1000317050013/de77905e89b646c8aef9526debc6c340?p=19


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