イスラム教の論理

イスラム教の論理

書名:イスラム教の論理
著者:飯山 陽
出版社:新潮社
発行日:2018年2月15日
読了日:2020年1月11日
ページ数:240ページ
1月 :8冊目
年累計:8冊目

こちらは”飯山陽”さんの著書。
私はTwitterもフォローしていますが
イスラム思想研究者の方でプロフェッショナルです。

本書だけを読むとかなりインパクトある内容です。
そういう事もあり、松山さんの著書も読みました。

こちらの本は

「現代のイスラム教徒にとって世界がどう見えているか?」

そういった視点で書かれています。

そして

コーランを一字一句、きちっと論理的に解釈すると
イスラム教徒にとっての”正しい行い”は何なのか?
それがわかります。

”神の啓示の言葉を集めたコーランによれば
異教徒は抹殺すべき対象である。
彼らを奴隷化することも間違っていない。”

イスラム教を理解していくと
イスラム国のあらゆる所業は「正しい」となる。

そういうことなのか…。

ちょっと驚きでした。

私が思ったのは、イスラム国の行為を
正当化しているわけではないという事。
イスラム教の教えに反しているか?となると
それはコーランの解釈次第となる。

ってことかな。

IS国はイスラム教徒ではない
という論調を各所で見かけますが
イスラム法、コーランに則ると
そうではないのかもしれない。
(私はその道のプロではないので断言はできない)

私たちが生きている世界の民主主義とかは
全く通用しない事もわかりました。

そして、イスラム国はカリフ制の再興宣言を行った。
イスラム教の論理に従えば、カリフがいないのは
ありえない。カリフ制の必要性はイスラム国の
イデオロギーになっている。

ニュースとかで聞いていると
欧州の若者もイスラム国に賛同して
テロ行為に加担しているのが不思議でなりませんでした。

「イスラム国」という過激派組織の人気が高いのではなく
カリフ制、イスラム法による統治といった
「イスラム国」の掲げるイデオロギーに賛同する人が
世界にはかなりいるという事。

全く知識がなかった私には
イスラム教、IS国への見方が変わりました。

もちろん見方が変わったと言っても
当然イスレム教に改宗するわけでもないし
IS国が行う非道な行為には全く賛同はできません。

しかし、そうした思想に同調する人がいるのも事実で
その背景がわかっただけ、すごく良かったです。

世界には18億人のイスラム教徒がいます。
そして他の宗教や価値観の人を加えると
全世界には77億人の人がいる。

色々な考え方の人がいる事を
忘れてはならない。

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