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人の思いを知って

子は宝だ。財産だ。
世の中でよく聞く言葉。

皆の考える子どもは、何歳までだろう?
大学生の私は、この枠にまだ入っているのだろうか?

大学生は、社会人になるまでの猶予期間。学業に勤しむ人もいれば、趣味やバイトに明け暮れる日々を送る人もいる。
特別はまっている趣味もなければ、理性を失うほど好きになる人もいない私は、この4年間何をして過ごそうか。
・・・・
「私、こども好きだなあ」
「ボランティアって、楽しいのかなあ」

塾講師は大学入学からすると決めていたので、どうにか面接を突破して、アルバイトとしての地位にありつけましたが、それだけでは物足りないとどこかで思っていたのでしょう。

「学習支援のボランティア、応募しよう!」
ふわっと、心の中でそう決まりました。


ボランティアは、週に一回、公民館のようなところで行われ、15人程度の生徒が毎度訪れます。その生徒というのは、障害を持っていたり、経済的な理由から学習が困難であったりする子が大半でした。

ある子は、父子家庭で育つ中学生。母親は、数年前から行方不明でした。
勉強を教える中で、よくお父さんの話題になりました。

「勉強して、テストで良い点とったら、お父さんの負担が減るでしょ」

なんて子だと思いました。大人びているという言葉では表しきれない、優しさに満ちた人です。
母親の存在は子にとって大きいのは確かで、その子はその分、悲しい思いをしているはず。にもかかわらず、父親の忙しさ、大変さを全部知って、理解しているかのようです。その思いを勉強で返そうと、わからない問題を進んで質問してくれました。

ボランティアに参加して、私の心は豊かになりました。
確実にそこで出会ったこどもたちのおかげです。

世の中には、いろんな人がいます。それぞれがつらい思いを経験し、一生懸命生きています。
ですが、それを表に出して「こんなつらい思いをした」と吐露する人は少ない。虚栄心を張って、多少ストレスをためながら生きています。

そういった自分のつらさに悩んで、
閉鎖的になりがちですが、
一歩踏み出して、心の扉を開けると、
他人のつらさを知り、「自分だけじゃないんだ」って思える。

その思いに共感して、その人のために何かをしたいと思えたとき、人は生き生きとしています。

私は、こどもが大好きです。なぜなら、不純になりがちな私に、澄み渡った笑顔をくれるから。
これから先、大人になったときに、
「子どもは宝だ」っていうだけではなく、
何かを還元できる存在になりたい。


#子どもに教えられたこと

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