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じぶんはたらき方講座2020「じぶん事業、はぐくみ講座」第3回 参加レポート

「じぶん事業、はぐくみ講座」は、長野県佐久市ワークテラス佐久が主催する、「2020年度 佐久市 ママ&プレママのためのじぶんはたらき方講座 」のうち、今取り組んでいる事業を一歩先に進めるためのスキルや知恵を磨くプログラム。佐久市は、育児中の女性がいきいきと働くことができる地域を目指している。

2020年11月20日(木)「じぶん事業、はぐくみ講座」第3回を開催した。
完全オンラインのこの講座。前回から講座後もzoomをつなぎ、ランチを食べながらおしゃべりできる「もぐもぐ相談会」を取り入れた。実際に集まってはいないものの、それぞれの人柄も見えて、距離が縮まった感じがある。

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じぶん事業とはなんだろう?

ここに集まっている人の多くは、さまざまな経緯を経て、たまたま今、佐久という地域に暮らしている女性たち。この地域で、自分は何ができるか。それぞれが、じぶん事としての課題を解決するために、営利非営利問わず、小さくても、なにか創業、起業を行おうとしている。

なにをしたい?なぜそれをしたい?どうすればいい?これでいいの?

その疑問ひとつひとつを、ビジネスモデルキャンバスを通して自分と向き合い、仲間へのアウトプットとフィードバックを行うことで、腑に落としていく。そんな学びの場だ。

佐久市と女性のエンパワーメント

まち全体で様々な働き方を応援している佐久市。
ワークテラス佐久は、首都圏とのつながりやテレワークを通して、新たな働き方の創出を目指している。そんな先進的な場が拠点となっている本講座。

仕事ありきで働く人を探すのではなく、まず人があり、本人が取り組みたいことを明らかにした上で、仕事を創ったり見つけたりしていくというモデルが確立されれば、女性のキャリア課題を解消するひとつの道が開かれる。

3か年で計画されている「じぶんはたらき方講座」自体が、佐久市にとっての挑戦だ。「はじめてのテレワーク講座」を通して、雇用創出の場としてワークテラス佐久を機能させること。「じぶん事業、はぐくみ講座」で培った女性のエンパワーメント*の仕組みを、この地域でさらに発展させること。今後、講座の受講者が手を挙げ、「じぶんはたらき方講座」を引っ張っていく、なんてこともあるかもしれない。

*エンパワーメントとは
人間としての存在を確立し、持てる力を発揮できるように、社会や環境を変えていくという考え方。「何かを行うことができるようにする力」を「自ら引き出」していく。
参考:http://ejiten.javea.or.jp/contentae49.html

完璧じゃなくても、話してみる

さて、今回のテーマは「仲間づくり」。事業を行う上で大切な仲間とはなんだろう。まずはチェックイン。宿題となっていたビジネスモデルキャンバスに取り組んでみた感想をシェア。

「ペルソナを考えてみた」「一番したいことが分かった」「他との違いを考えてみた」「お客さんと長く付き合えることを考えた」「社会的意義を考えた」など。

全員の発表が終わったところで、講師の馬締さんが「この人の話をもっと聞きたい、自分がなにか力になれるかも、力になってほしい、という人はいましたか?」と質問。

たくさんのひとが手を挙げた。

たった1,2分話しただけで、たとえキャンパスが完成していなくても、人に伝わり、興味を持ってくれる可能性がある。不完全でも発信してみるって、こんなに大切なんだ。

価値と顧客はじぶんにしか決められない

パーソナルキャンバスの項目は9つあるが、「顧客セグメント」「与える価値」の2つは本人にしか決められない。本人が決めなければいけない。誰に、どんな価値を。これを深めていく。この軸が固まるほど、他の要素は考えやすくなるし、周りもサポートしやすくなる。

顧客セグメントを考える上でのヒントが「ペルソナを考える」。
ターゲットよりもっと細かく、顧客となる人の属性を深めていく。

ペルソナ

参考 https://lipple.co.jp/persona/

また「サービスについての宣言文」では、与える価値と顧客をちりばめて文章をつくり、サービスの輪郭をくっきりさせていく。

搾取

相手もよろこび、自分もうれしい関係性

これから事業を始める、というフェーズで発生する悩みの一つが「お金も人脈もないからなにもできない」。そんなときは、ボランティアでも手伝ってくれる仲間をさがしてみるという考えかた。

今まで自分がボランティアとして関わったこと、協力したのはどんなときだろう。どんな時、ひとは仲間になりたがるか。というところから、仲間づくりを考えていく。
ここで「やりがいの搾取」という言葉がでてきた。

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左は、お互いの友好関係があり、やりたいこと、できることを納得の上で手伝っていいるが、右は友好関係がなく、やりたくないこと、できないことを依頼しているため、不満を残す。
なにか作業を頼みたいときは、自分の事業ビジョンを公表し、共感してくれたひとに手伝ってもらう、また、相手が得意なことをお願いする、というのも大切だ。

得ているのはお金だけ?

事業の立ち上げ期において、商品の対価としていただいているのは、実はお金だけではない。まだまだ実績がない自分に託してくれたことは、信頼やスキル、経験値になる。このお金以外の価値はとても大切で、信頼がたまると紹介や口コミが増える。そして、入ってくるお金が増えるとサービスもよくなる。「信頼をためる」という考え方を学んだ。

この後、グループのシェアで出てきた質問は「いつ立ち上げ期ではなくなるのか?」。
答えのひとつとして「私のこの商品には価値がある、と言い切れる自信を持てたとき。一通りの予約や受付、お金の受け渡しという運営面と、商品(サービス)の提供まで、全体のイメージが整うようになったとき」と言われ、なるほど、と思った。

共通言語としてのビジネスモデルキャンバス

この講座を受講したわたしたちは、ビジネスモデルキャンバスに取り組んだという共通体験自体に意義がある。
頭の中にキャンバスの考え方がインプットされたことで、会話の中からも、相手の抱える悩みや迷いがどの項目のものなのか、ということが想像できる。すると、手も差し伸べやすくなる。講座を通して共通言語を手に入れたことは大きい。

次回はついに最終回の成果報告会。自分の大切にしている価値観をふまえて、それぞれの次の一歩を発表する。

ライター:team OHAYASHI 細川敦子

今回のグラフィックレコーディングもあわせてご覧ください!

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▼今年度のじぶんはたらき方講座のレポートはこちら



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