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自分も1番!


いつものごとく図書館を徘徊していると出会った。

『いらねえけどありがとう』でお馴染みの村井理子さんによる『はやく1人になりたい!』という一冊だ。

まさに昨日は夫と夫婦喧嘩して、独身時代を恋しく思っていた頃である。ベストタイミングでこの本を見つけることができたと思う。


はやく1人になりたい!と心から叫びをあげたくなる日々を過ごす私に、子どもも大事やけどあんたのことも1番大事やねんでと、強く何度も伝えてくれた。


育児中において自分を大切にすることが何よりも必要なことだとは知っていたけど、それをちゃんと他者から力強く念を押して言われる経験って、私はあまりなかったかもしれない。



私はどれだけ時間や余裕があって、周囲のサポートがあっても子どもを誰かに預けて自由にすることがいまだに後ろめたい。


特に化粧をする時間は後ろめたさがピークだ。


昔の映画やドラマで『子供を大事にしない悪い母親』の象徴シーンといえば、子どもそっちのけで鏡に向かって母親が化粧や装飾品をつけて着飾るシーンではなかっただろうか。

着飾った母親は子どもを置いてどこかに行ってしまう。行く先は子ども達が知りもしないところで、子ども達にも言えない場所だったりする。
なんだったら帰ってこなかったりもする。

 

何度も何度も刷り込みのように見たこのシーンが影響しているのか、私は子どもの前で化粧をしたり、大好きなピアスや指輪をする姿をなんとなく見てほしくない。
できるだけ視界に入らないようにやっている。

化粧中に子どもが寄ってくれば、あえていつもより明るく優しく振る舞う。


義母や義父と会うとき、保育士さんに会うとき、私はできるだけ飾らず、地味な母親でいようと無意識にメイクは薄くし、ピアスや指輪も付けない。


たまにオシャレをして外出して帰宅すると、急いで母親に戻らねばと思う。
すぐに身につけた物を次から次へと外し、いつものどうでもいい姿になったあと、遊んだ分を代償するように家事をいつもより多くやる。
夫と子どもにもご機嫌な様子を見せるのを忘れない。
『どう?気分転換できた?楽しかった?』と聞く夫に、素直に『うん!楽しかった!ありがとう!』と言えない自分がいる。


いつから私の自由や楽しみは何かの罪のようになってしまったのだろう。
なぜ自ら償ってしまうのだろう。
なぜ私の自由な時間は、誰かに与えられるようなもので、感謝まで必要とされるのか。

誰もそんなこと求めてないと言われればそれで終わりだけれど、本当だろうか??

自分でさえ、自分の母親がおしゃれして外出するようなことがあったときに、大袈裟にせず、それを当たり前のような顔で見れただろうか。


そんなことをぐるぐると考え、とりあえず今は子どとが最優先だと思い込むようにし、怒りに昇華していいのかもわからない思いを飲み込んでいた。


でもいいのだ。
誰に何を言われようと、あなたと同じくらい自分のことも大事だと平然と言う母親がいたっていいだろう。

少なくともそれを許してくれる人がいる。
そうしなさいと言ってくれる人がいる。
それだけで胸がすいた。よく眠れる。

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