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「従業員エンゲージメント」のサイクルを回そう

ここ数年、組織づくりにおいて「従業員エンゲージメント」という考え方が拡がってきています。

うちの会社でも、2年前から全社員にアンケートを取り、課ごとに「エンゲージメントスコア」が見える化されるようになりました。他の課の数字までは分かりませんが、自分の課のスコアが半年ごとに示されます。

課長としては、やはり無視できない数字ですし、チームづくりの参考にもなります。とは言え、結果を見る時は正直ちょっとドキドキものです。

そして先日、今年のエンゲージメントスコアが出てきました。残念ながら…、昨年よりもダウン!

さて、どうやってエンゲージメントを上げていけば良いでしょうか?


従業員エンゲージメントとは

自分なりのざっくりな理解ですが、「従業員エンゲージメント」とは、会社に対する「愛着」や「思い入れ」を指標としています。

会社に対する「貢献意欲」を引き出すことが目的であり、従業員と会社の双方が貢献意欲を持つことで、業績向上に影響を与えます。

従来、「従業員満足度」という指標もありました。こちらは労働環境・待遇・福利厚生などを指標とします。「働きやすさ」「居心地のよさ」に影響しますが、業績には直結しません。

従業員エンゲージメントのアンケートには、次のような質問があります。

・あなたの会社を家族や友人に勧めたいですか
・自分の仕事に価値や誇りを見出していますか
・職場で意思や意見が尊重されていると感じますか
・自分が何を期待されているのかを知っていますか
・仕事を通して成長できますか
                       など

50問ほどあり、項目ごとの平均値がエンゲージメントスコアとして提示されます。


エンゲージメントスコアから見えてきたこと

私の課でスコアが低かったのは、主に次の内容でした。

① 会社の理念や方針に対する認識が低い
② 組織間の連携に対する満足度が低い
③ 自分の仕事に貢献度を感じられない

平たく言うとこんな感じでしょうか。

「会社の理念・方針とか興味ないし、
 他の人や他の部門のこともあまり分からない。
 自分の仕事がどういう貢献があるのか見えないなぁ」

ダメですね…。

一方で、貢献意欲は決して低くないことも分かりました。

ただ、貢献意欲は高いけど、なかなか自分の意見が通らなかったり、自分の業務が他人の意思に影響されたり、貢献した結果が見えにくいことに不満を感じているようです。


従業員側から見たエンゲージメント

先程の結果を従業員側から見ると、エンゲージメントが高い組織はこんな感じでしょうか。

① 会社に愛着が持てる
② 業績に貢献しようという意欲が湧く
③ 貢献に対するフィードバックを感じる

まずは、会社もしくは自分の仕事に愛着を持てないと始まりません。

愛着というと少し大層かも知れませんが、家族や友人に話したくなる仕事をしたいというのは、誰しもが望む姿だと思います。

そして、業績に貢献意欲が湧き、その貢献度を感じることができる。これは、自分自身があまり意識できていなかった点でした。

エンゲージメントを上げるには、これらサイクルを回す必要がありそうです。

【サイクル①】会社に愛着が持てる

会社への愛着不足の要因となっている「会社の理念や方針に対する認識不足」は、20代,30代の若手を中心に低い点数でした。

確かに、日々の仕事が分業化される中で、会社全体の状況や方針などを意識する機会は少ないのかも知れません。

また、私自身も担当する事業・商品の方針や業績の話はしますが、会社全体のことに触れる機会はあまり持てていませんでした。

しかし、「じゃあ、明日から会社の理念や方針の話をしよう!」というのが正解かと言うと、そうではない気がします。

理念や方針の理解ももちろん重要ですが、それだけでは会社に愛着は生まれないと思います。やはり、担当する仕事や商品・事業への愛着が一番ではないでしょうか。これらの集合体が会社への愛着になると考えます。

このスタンスは変えずに、担当商品の会社への貢献度や社内での位置づけを今まで以上に伝えていこうと思います。

【サイクル②】業績への貢献意欲が湧く

これは先程も書きましたが、貢献意欲は思った以上に高いスコアでした。

ただ、自分の課を中心としたチームづくりをしてきた影響なのか、設計部門、物流部門、経理部門など関連する部門への貢献や協力体制がとりやすい環境では無いという評価でした。

特に若手のメンバーは、仕事が自分の守備範囲に留まったり、他部門へ遠慮してしまったり、その先で起こっている結果が見えづいなど、改善ポイントがありそうです。

課長やリーダークラスだけでなく、若手のメンバーも遠慮することなく他部門に協力をお願いできる環境づくり。そして、その先の部門で起こっていることの見える化を進めていきます。

【サイクル③】貢献に対するフィードバック

これが一番大事なポイントですね。

自分ではやってきたつもりでしたが、アンケート結果を見る限り不足していました。

特に年齢層で見ると、30代,40代の中堅からリーダークラスの層で、自分の貢献度が感じられないという結果でした。

確かに、若手には目配せしたり個別にフィードバックする機会がありますが、中堅クラスには、ある種「やって当然」「貢献して当然」的な接し方をしていたのかも知れません。

また、課全体やチームの結果に対するフィードバックのみで、個人ごとに仕事に対する評価感謝を伝えられていなかった点も反省点です。

加えてこの年代のメンバーには、本人の本意ではない対応も時にはお願いしなくてはいけないことあります。そういうことを当たり前にしてはいけない、ということも分かりました。

貢献してくれることを当たり前と思わず、1人1人の成果や課題をもっと丁寧に評価し、感謝を伝えていきます。


今回の従業員エンゲージメントスコア、少々ショックな結果ではありましたが、自分のチームの作り方を見直す良い機会となりました。

半年後にエンゲージメントスコアが上がっていることを目指して、サイクルを回してみます。


ありがとうございました。

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