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車のトラブルが多い人生を送ってきました-車屋失格-㉓

会社での上司の状況を見てから

何か見えない不安に押し潰されないように
仕事を続けていた。

「いらっしゃいませ!」
「この車のオススメポイントは!」とお客さんの前では
元気よく笑顔で話をしていた。

だが、その笑顔の裏には自分の思いや
不安な点を伝えられず作り笑顔で毎日の仕事を行なっていた。
その影響かは分からないが実績も伸びず
業務のプレッシャーも抱えていた。

ある日の夕方チャラ男の先輩が自分の横に来て
「白田今日飲み行くぞ!」と断ることも許されない
言い方で誘われる。

「了解っす!!」と空返事で返す。
今行っても楽しめるのか?そんな事が頭を過ぎったが
気分転換になると思い仕事をサクッと終わらせて
居酒屋に向かう。

お店は店舗から車で15分ほど
福岡の南に位置する大橋駅から徒歩10分ぐらいにあるお店だ。
見た目はオシャレな雰囲気があり
料理も少し小洒落た感じでお店でもよく利用していた。

個室もあるのだが平日でもお客さんが
多いこともあり普通の席に用意されていた。

当日の呼びかけだったので集まったメンバーは6人
しかも、まだ業務が終わってない人がいたので
約束していた時間に集まったのは4人だった。

「先に始めてよかろ」
「白田注文しようぜー」と待つそぶりはなく
人数分のビールを注文して
「乾杯ー」と周りに負けない声で声を出す!

仕事の終わりのビールほど最高の物はない。
キンキンに冷えたビールをジョッキで一気に飲むと
その日の疲れが吹き飛ぶほど最高の気持ちになる!
だが、モヤモヤしている自分にとってのこの日のビールは
何ともいえない喉越しをしていた。

やがて、今日呼んだメンバーも集まり
再度乾杯をして会社での愚痴や最近のことを
みんながワイワイと話をしている。

その輪には何故か入れず目の前にある料理を
ひたすら食べていた。
そんな自分を見てか
「どうしたー白田、元気ないやんか?」と心配して
チャラ男の先輩が声をかけてくれる。

「いやいや、何もないですよ・・・!」と
自分が返すが間髪入れず
「お前は基本空気読まずわーわー言いよるやん」
と少し人を馬鹿にされた言い方をされる。

その瞬間自分が我慢してきたことがプツンと切れた気がした。
「いいですね先輩は悩み事もなさそうで・・・」普段とは違う
あからさまに怒りが混じった言葉を放つ。

「何やその言い方・・・こっちは心配して聞いてるんやぞ」
その言葉を言い放った瞬間周りの人たちも
状況を察しお酒をテーブルの上に置き自分の方を見る。

「どうした白田?」「落ち着けよ!」と諭してくるが
それが逆効果になり自分の内に秘めていた
将来に対する不安が怒りと合わさって自分の言葉が出ていく。

楽しいはずの飲み会が自分の発言により一瞬で
最悪の状況に変わってしまった。



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