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【140字小説】深海リビング

取り込んだ洗濯物を山積みにすると、息子が寄ってきて音もなく畳み始める。

私は何故だか海底の鯨の死骸に集まるグソクムシを思い浮かべる。

その一瞬、我が家の狭いリビングは確かに深海なのだ。

暗くて寒くて静かで暗い…………


「終わったぁ!」
元気な声で我に返る。

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