白杉|現場に役立つ理論紹介

EduAca主宰✴️教育現場に役立つ心理学理論を紹介 ❇️大学院で教育心理学を学び、現場へ…

白杉|現場に役立つ理論紹介

EduAca主宰✴️教育現場に役立つ心理学理論を紹介 ❇️大学院で教育心理学を学び、現場へ。6年目で一旦退職→あえて臨時任用教員の道へ 目の前の子供達と関わりながら、論文書いたりしてます。 理論の図解は研修などにご活用ください※ただし「白杉@EduAca」とどこかに示してください

マガジン

  • ゼロからわかる自己調整学習シリーズ

    自己調整学習の理論を分かりやすく解説した記事をまとめています!

  • 子どもとシェアする学習科学

    学習科学の理論を子どもたちにもわかりやすく提示し、子どもたちの学習をより効果的にしていこうと意図して作成した教材をシェアします。

  • 自ら学ぶ「動機づけ」の真実

    「主体的な学び」に欠かせない「動機づけ(やる気・モチベーション)」の心理学についてご紹介します。とくに「内発的」vs「外発的」の二項対立ではなく、両社は1つながりであることを示した「自己決定理論」について解説します。

最近の記事

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【再販】研修でそのまま使えるスライド資料!「自己調整学習の理論と実践ヒント」

これまでインスタやnoteなどで自己調整学習理論を解説してきたわけですが… 「図解を校内研修で使いたいです!!!!」 というお声もチラホラいただいておりました。 たしかに理論的なことって現場で学ぶのはなかなか機会がありませんよね。 しかも校内研修で使えれば ❶校内研のテーマ設定の材料として活用できる (この部分、うちの学校は弱いから課題にしない?とか) ❷スキルアップ研修やOJT研修でも資料として活用できる (主体的に学ぶ態度の「自己調整」ってのはですね~とか) わけで

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    • 自己調整学習理論から逆算して分かった子どもに任せる授業の極意~「教師主導」から「学習者主導」へ移行するポイント

      はじめに~「任せる」「委ねる」とは言うけれど近ごろ、「子どもに任せる」「子どもに委ねる」という言葉をよく耳にします。 「主体的な学び」「個別最適な学び」のためには、教師が教え込む授業ではなく、子どもたちに学習活動を任せ、委ねることが重要だ、と。 しかし、実際にどう実践するかは、そう簡単ではありません。 先生方の中には以下のような疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 どのタイミングで、どれくらい、どのように任せていけばいいのか? 任せたら、何もしちゃい

      ¥2,500
      • 「学びをどこまで深められる?」ポスター:ブルーム・タキソノミーを教室に!

        学びはもっと深められることを伝えたい!「先生、それ知ってるよ~」 塾などですでに予習している子が授業中にこのような発言をすることはないでしょうか。 これ自体は問題ではありません。なにも知っていることを隠す必要もありません。 ただ問題なのは、「表面的に知っていること」=「学習」だと思っている状態です。 そうではなく、実際に確かめて実感として理解したり、いろいろな他の知識と結び付けたり、整理・分析したり、時には新たなアイデアを生み出したり…といった「深い学び」の楽しさこそ味わっ

        • 保護者会で話した「高学年の発達段階」

          4月の冒頭に保護者会がありました(「学級懇談会」と言う地域もあるそうですね)。 ところで年度最初の保護者会ではよく「○年生の発達段階について」といった説明をする場面がありませんか? あれってだいたい教員がどこかから拾ってきたテンプレートのような説明文だとか、その学校で代々同じ文面が使われてきたものだとか…で、内容が少し古かったり、「それって何か裏づけあるの?」と思っちゃうような説明があったりするなあ、と前々から思っておりました。 今回、私が教育心理学を学んでいたことから、学

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        【再販】研修でそのまま使えるスライド資料!「自己調整学習の理論と実践ヒント」

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        • ゼロからわかる自己調整学習シリーズ
          9本
        • 子どもとシェアする学習科学
          1本
        • 自ら学ぶ「動機づけ」の真実
          4本

        記事

          【再販】研修でそのまま使えるスライド資料!「内発的動機づけの理論と実践ヒント」

          研修資料シリーズ第2弾です!!今回は「内発的動機づけ」スライド資料の見本(イメージ) こんな感じで、スライド1枚1枚に情報をある程度コンパクトにまとめたつもりです。 台本は以下のようなイメージで、 スライド1枚に対してセリフが書かれています。 この通りに読むのもよし、実態に応じて変更するのもありです! 内容としては、以下の通りです。 内発的動機づけと外発的動機づけ 「自己決定理論」 自律的動機づけとは? 内発的に近づける3つのポイント 【参考】領域別動機づ

          ¥1,000

          【再販】研修でそのまま使えるスライド資料!「内発的動機づけの理論と実践ヒント」

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          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論③教科・内容別の動機づけ

          これまで自己決定理論について扱ってきました。 外発的動機づけには「外的調整」「取り入れ的調整」「同一可的調整」「統合的調整」の4つがある。 統合的に近づけば近づくほど、だんだん自律性が高まってくる。 そしてその延長線上に内発的動機づけがあるのだ、ということでした。 この自己決定理論を用いて、様々な教科や内容の動機づけが研究されております。 例えば、体育での外的調整とは?同一化的調整とは?…のようにです。 これらの研究を知ることで、自分が関わっている内容の動機づけがより

          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論③教科・内容別の動機づけ

          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論②内発的に近づけるには?

          「動機づけ」連載の続きです。 前回、動機づけは「外発的」と「内発的」の二項対立ではなくて、グラデーションでつながっているんだという話や、 最初は外発的でもだんだん内発的になっていくこともあるんだという話をいたしました。 今回はその「だんだん内発的になっていく」ためにはどうすればよいのかという研究をご紹介します。 キーワードは「自律性支援」最初は外からの強制力でやっていたことについて、その必要性や価値に気づき、納得するようになって完全に自分のものになっていく。 その変化を

          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論②内発的に近づけるには?

          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論①内発的動機づけ最高ってホント?

          しばらく「自己調整学習」について解説をしてきました。 この「自己調整学習」には3つの要素がありまして、 「動機づけ(やる気)」「学習方略(学び方)」「メタ認知(客観視)」それぞれをフル稼働させて学習に向かうことこそ自己調整学習なのだという定義になっております。 そのうちの1つ「動機づけ」が極めて重要であることは言うまでもないと思いますが、 「動機づけ」と言えば「内発的動機づけ・外発的動機づけ」が特に有名なのではないでしょうか。 この「内発的動機づけ・外発的動機づけ」には結

          自ら学ぶ「動機づけ」の真実~自己決定理論①内発的動機づけ最高ってホント?

          ゼロからわかる自己調整学習⑥「自己調整のワザ」大全

          自己調整学習ができるようになるには、そのものずばり「自己調整のワザ」が必要になってきます。これを「自己調整学習方略」と言います。 ①自分の頭の中②行動③環境を調整するスキルとも言い換えられます。 今回はそんな自己調整学習方略についての解説です。 目標設定と計画目標設定と計画は、大きな目標を設定し、それを達成するための小さな目標と、具体的な学習の計画を立てることです。 これにより、学習者は目標に向かって一歩ずつ進む方向性を持つことができます。 目標が明確だからこそ、どんな勉強

          ゼロからわかる自己調整学習⑥「自己調整のワザ」大全

          ゼロからわかる自己調整学習⑤自己調整は"1人で"とは限らない!

          「自己調整学習」と聞くと、「自己学習」=「個別学習」という印象を受ける人も少なくないようです。 ですが、それは大きな間違い! 学習を自己調整するというのは、決して「1人で全部やる」というわけではないのです! 1 そもそも自己調整の力は他人をモデルにして身につく以前説明したように、自己調整ができるようになるまでには4ステップあり、前半2ステップは「社会的影響」、すなわちお手本を見てそれをマネしながら学習していくというものでした。 したがって、教師や友人と学習していく中で、自

          ゼロからわかる自己調整学習⑤自己調整は"1人で"とは限らない!

          ゼロからわかる自己調整学習④自己調整に不可欠な3つの要素とは!?

          自己調整学習理論の続き、第4弾です。 そもそも自己調整学習には定義がありまして、 「学習者が、動機づけ、学習方略(行動)、メタ認知において、積極的に学習過程に関与する学習」(Zimmerman, 1989) というものになっております。 が、分かるような、分からないような、、、 というわけで、 自己調整学習には3つの要素がある! ① 動機づけ(やる気) ② 学習方略(学び方) ③ メタ認知(客観視) この3つをフル稼働して学習に向かうのが自己調整学習! と理解してみるのは

          ゼロからわかる自己調整学習④自己調整に不可欠な3つの要素とは!?

          ゼロからわかる自己調整学習③自己調整できるまでのステップ

          自己調整学習に関する連載の続きです。 今回は「自己調整できるようになるためにはどんなステップを踏んでいくの?」という疑問にお答えいたします。 そもそも、はじめから自己調整できる子どもなんてめったにいないですよね。大人ですら難しいわけですから。 はじめからできるなら教師はいらないわけで、やはり最初は他者からの影響が大きいと言われています。 今回は「自己調整発達の4段階」について解説していきます。 ①観察レベル 見てやり方を学ぶ学習方法のお手本を見て、試しにやってみる段階です

          ゼロからわかる自己調整学習③自己調整できるまでのステップ

          理論を学び実践に生かす教員コミュニティを立ち上げました

          この度、理論を学び実践に生かす、先生たちの学習会を新たに立ち上げることにしました。 EduAca(エデュアカ)といいます。 立ち上げるにあたり、どれだけ現場の先生方にニーズがあるのか、といったご指摘もありましたが、理論的なことを学びたいと思っている先生は、私の周りには結構いらっしゃる印象です。 その多くは、 ・ある程度実践を積み重ねてきたが、どれもバラバラなのできちんと自分の実践を整理して考えたい ・「自己調整学習」「動機づけ」「メタ認知」みたいなキーワードを聞くことが

          理論を学び実践に生かす教員コミュニティを立ち上げました

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(3)省察段階編

          「自己調整できる子、できない子のちがい」シリーズのラストです。 最後は、学習を終えて振り返る段階(自己省察段階)のちがいです。 ①自己評価がちがう(自己評価)スポーツの練習や試合の後に記録や課題をノートに書いて振り返るといったことをやったことがある人もいるでしょう。 自己調整学習のできる子は、学習後に「今日の勉強でどのくらい内容を理解できたか」「集中が途切れることなく続いたか」といった自分の学習過程を点数化したりレベル分けしたり、言語化したりして評価します。 単純な結果やう

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(3)省察段階編

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(2)遂行段階編

          「自己調整学習ができる子とできない子のちがい」第2弾です。 今回は、実際に学習を進めている最中の段階(遂行段階)のちがいです。 これは結構、分かりやすいかもしれません。 あの「テスト前になぜか部屋の掃除をしてしまう」現象もこの中に入っています笑 ①集中度がちがう(集中)集中度の違い、というのはイメージしやすいと思います。 学習に集中することは、自己調整学習でかなり重要になります。 自己調整学習ができる子どもは、設定した目標や計画に沿って学習を進めます。 そして学習を進めな

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(2)遂行段階編

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(1)予見段階編

          自己調整学習シリーズの第2弾です。 前回、自ら学ぶ子は、 ①学習前:見通しをもつ段階(予見段階) ②学習中:実行する段階(遂行段階) ③学習後:ふりかえる段階(自己省察段階) この3つのサイクルをぐるぐる回せる子だということをお話ししました。 このサイクルを回すことこそが、「学習を自己調整する」、つまり「自己調整学習を行っている」ことになります。 でも、そんな簡単にできるようにはなりませんよね。 そもそも、自己調整学習ができる子・できない子にはどんな違いがあるのでしょう

          ゼロからわかる自己調整学習②自己調整できる子、できない子(1)予見段階編