【ひざの治療をする治療家、セラピスト必見!】膝の病態鑑別で大切な3つのこと
こんにちは。元原誠吾です。
セラピスト診断学研究所の運営をしたり、
オンラインフィットネスサービス、ウチトレの開発をしたりしております。
今日の記事は、「膝の病態鑑別で大切な3つのこと」というテーマで投稿させていただきます。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
本日のテーマ、「膝の病態鑑別で大切なこと」についてわかりやすく、3つのポイントでお伝えします。
①エピソードが9割
②関節の内なのか外なのか
③何をすると痛むのか
①エピソードが9割
患者さんが「膝を痛めたエピソード」、ここが最も大切だと思っています。
例えば、
「1か月前から、歩いているとだんだんと痛くなってきた」や
「スポーツをしていて、相手選手と接触した時にひねってしまった」
など、その痛みが発現した時の状況というのが、膝の病態鑑別を行う上で最も大切だと考えています。
触診したり、理学所見、スペシャルテストを行うなどももちろん重要なプロセスではありますが、
『いつ』
『どこで』
『何をしていて』
をベースにしたエピソード、ここでおおよそ9割以上の鑑別の検討がついていないと後でとっちらかってしまいます。
患者さんの膝の病態の判断に困っていらっしゃる方は、
「まずはその方がどのようにして膝を痛めたか」
そこに一生懸命耳を傾けてみてください。
②関節の内なのか外なのか
最初のエピソードをしっかり聞いたあと、考えるべきはこれじゃないかと想っています。
痛みの原因が、ひざ関節の『内にあるのか外にあるのか』ということを白黒させておくと、より病態鑑別の精度が上がります。
例えば、病院でお医者さんから、
「変形性関節症ですよ」と言われたケースでも、実際に患者さんの膝を見てみると膝の関節内に水腫はないし、関節周囲には著名な圧痛が見られず、
結論、縫工筋の下を通っている伏在神経に痛みの原因があった。
又は鵞足が痛みの原因になったということが往々にしてあります。
お医者さんは、保険請求の関係上、撮影したレントゲンに対し何かしらの病名をつけないとお金にならないので、
膝のレントゲンを見て少しでも変形があれば、「変形性ひざ関節症」と病名をつけます。
これは医療保険請求の構造上の問題で、誰か特定の人のせいではないんですが。
ただ実際に、年齢とともに膝の変形というのは、ほとんどの場合起こってきます。そりゃ60年も70年も体重を支えていれば、変形もします。
その年をとった膝をレントゲンで見たときに、どうしても『変形』のせいにしがちです。
このように、膝の鑑別診断を行うにあたって
「痛みの原因が関節の中なのか外なのか」をはっきりさせておくということは大切なポイントです。
③何をすると痛むのか
これは先ほどの①、②番があった上で、どのようなことをすると痛いのか?
ということは必ず聞いておいた方が良いです。
例えば、内側半月板の損傷を疑う症例にて、
「日常生活にはほとんど支障はありませんが、あぐらや正座など深く膝を曲げた時のみ痛みが走る」
といった症例の場合、半月板の真ん中あたりの問題でなく、膝の裏側寄りの半月板の後節から後角寄りにトラブルがあるのではないか、と疑うことができます。
また併せて、深くまで曲げきるときに、内側内側板が干渉されないために
半膜様筋の牽引も重要な役割を果たしておりますが、その機能が十分に働いてないことも考えられます。
このような場合は、半膜様筋に筋出力を上げるためのアプローチをするなど手数が増えますので、
「半月板損傷でないか」と疑った症例でも、どの部分が傷んでいるのか?というところを判断するためには、
どういった動作をすると痛むのか?ということは重要な判断材料になると思っています。
お分かりいただけましたでしょうか
本日のテーマ、「膝の病態鑑別で大切なこと」について まとめてみました。
セラピスト診断学研究所では、治療家やセラピストに役立つ診断学のコラムを読めたり、判断に困っている症例について相談し、ディスカッションしたりしながら、メンバー全員でレベルアップのために日夜研究をしております。
ご興味のある方は、一度YouTubeの動画をご覧になってからご参加ください。それでは、今日も張り切っていきましょう。
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治療家、セラピストが目の前におられる患者様の症状・病態を的確に判断し、最適な選択肢を提案できるように、個々にレベルアップを図るための任意団体です。
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