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OpenAI社によるセミナーを開催しました

こんにちは、トヨタコネクティッド AI統括部です。

4月15日に、OpenAI アジア初の拠点として、日本法人「OpenAI Japan」の設立会見が行われました。

会見では、東京進出を決めた理由に加え、「GPT-4」を日本語に最適化されたカスタムモデルの発表も行われました。
その中で、トヨタコネクティッドは、ChatGPT Enterpriseを導入している企業の利用者代表として、スピーチをさせていただきました。

そしてこの来日中の4月18日になんとOpenAI社をお招きして実務活用に特化したGPTsセミナーを当社の東京オフィスGLIPで開催しました。

私たちが5月から実施する生成AI全社研修に先駆けて特に学習意欲が高い方を公募し、40名以上の参加者が先行で受講できる特別な講義となりました。
それでは、セミナーの流れや内容について紹介いたします!


セミナーの流れ

OpenAI社によるセミナーは、リスキリングチームが進行を行い、以下の流れで進めていきました。

1 トヨタコネクティッドAI統括部部長 齋藤 将平挨拶

AI統括部部長の齋藤 将平からは、AIの可能性と自身のクラウド時代の経験を話していただきました。
齋藤は、今後AIがさらに盛り上がることを確信しており、より一層力を入れていく方針です。

2 OpenAI Japan社長 長崎 忠雄様挨拶

先日、OpenAI Japanの代表執行役員社長に就任された長崎 忠雄様からは、AIによって日本の産業構造や仕事のあり方を大きく変える可能性があること、日本をより強くする努力をしていく方針など力強いお言葉をいただきました。
また、今後、多くの人がAIを活用していくことで「誰も思いつかなかったアイディアが出てくる」というお話が印象的でした。

3 GPTsセミナー

OpenAIのEvan様によるGPTsセミナーでは、基本的な使い方や事例、高度なGPTs作成のテクニックを紹介していただきました。

4 質疑応答

質疑応答では、多くの質問が挙げられ、OpenAIのEvan様と長崎様に回答していただきました。


GPTsセミナーの内容

OpenAIのEvan様によるGPTsセミナーは「GPTsの紹介」、「事例共有」、「高度なGPTs作成テクニック」の3つのパートで行われました。


1 GPTsの紹介

ボストンコンサルティング事例を交えながらGPTを普段から業務で使用してる人と使用していない人での結果の違いに加え、GPTs作成で大切になる「指示」「ナレッジ」「アクション」の3つの概要を説明していただきました。


2 事例共有

「ホリデーエクストラズ」、「Zapier」、「Match Group」の3つの事例を紹介していただきました。

ホリデーエクストラズ

https://www.holidayextras.com/

トラベルサービスを提供するホリデーエクストラズは、従業員数百名にChatGPTを展開しました。

実際に毎週ChatGPTを使用する従業員は95%で、そのうち週2時間以上の生産性向上を実感している人は92%でした。

これにより1年で50万ドルものコスト削減が見込めるという結果が出ました。

Zapier

https://zapier.com/

Zapierは、様々なソフトウェアと統合できる便利なサービスですが、カスタマーサポートチームはありとあらゆる繋がっているソフトウェアに対してユーザーからの質問に回答しなくてはならないため、非常に難しい仕事です。

しかし、ChatGPT Enterpriseがあることで、社内のナレッジを自動的に活用することができます。

これにより、カスタマーサポートチームは、より良いサービスを顧客に提供することが可能になります。
また、新しいメンバーが来た際にもすぐに対応することができます。

Match Group

https://mtch.com/jp

マッチングサービスを提供するMatch Groupは、チーム同士で円滑に情報共有ができることを目的にカスタムGPTs作成にチャレンジしました。
安全性に関するポリシーを作成する部署が専用のGPTsを作ったところ、従業員が情報を探す時間を大幅に削減することができました。
また、チーム横断で同じナレッジを共有することで会社全体の生産性が向上しました。
このように3つの具体的な事例を紹介していただき、GPTsを効果的に使うことでどのようなメリットがあるのかを理解することができました。


3 高度なGPTs作成テクニック

「指示」、「ナレッジ」、「アクション」のより詳細な説明に加え、外部から情報を取得して回答を生成することができる「RAG」の仕組みについて解説していただきました。

その後は、Evan様がGPTs作成画面を投影し、ITに関する疑問を解消してくれるGPTsや人事システムとSharepointを連携して関連ドキュメントを検索するGPTsなど実際の制作工程を教えていただきました。

Evan様はGPTsを作る上で大切なことは「指示を明確にする」ことを繰り返し仰っており、参加者も一緒に手を動かしながら学ぶことができました!

以上の内容でセミナーが行われ、GPTsの知識がない方でもわかりやすい説明で、非常に濃密な内容でした!


質疑応答

質疑応答では、OpenAIのEvan様と長崎様に直接質問できる貴重な機会をいただきました。

多くの質問が挙げられましたが、特に印象的だった内容を3つ紹介します。

(OpenAI Evan様の回答)
AIに対しての考え方は様々です。
ここでは3つの考え方を紹介します。

1つ目は、AIは人間の知能を増強させてくれるという考え方です。
これによって、ルーティン作業はAIに任せて、クリエティブな作業を人間が行うことができます。

2つ目は、AIはただのツールという考え方もあります。
昔は、計算機がなく、時間をかけて手作業で計算を行っていましたが、今では複雑な計算もすぐにできるようになりました。このようにやり方は時代によってシフトして行くので、AIもその1つだと考えることもできます。

3つ目は、ChatGPTは部下という考え方です。
ChatGPTを部下という捉え方をすると、明確な指示が必要になり、よりAIを使いこなすことにつながります。

考え方は複数あり、AIの進化は早いですが、新しいユースケースにワクワクしていきましょう!


(OpenAI Evan様の回答)
営業ロープレを行ってくれるGPTsがおすすめです。

お客様にの状況に合わせたGPTsを作成することで、効果的な営業を行うことができ、ロープレの時間とコストカットを実現できます。


(OpenAI Japan社長 長崎様の回答)
現状、日本でもAIを使用している人は結構多いです。
ただ、より普及させるために、まずは、多くの人が素晴らしいAIツールを使うことが大切です。
AIのことを知っているだけでなく、実際に使っていかなければ身つかないため、会社やチーム内で教え合いながらレベルを高めてほしいです。

このように質疑応答では、興味深い回答ばかりで非常に濃密な時間となりました。


セミナーに参加した社員からの声

「このセミナーを通じて、業務にどのようにGPTsを活用できるか具体的なアイデアは浮かびましたか?」という質問に対して以下のように様々なアイデアが生まれました。

・市場調査の効率化
・過去3年分のお問い合わせ内容を学習させて回答を得る
・チームメンバーの内製工数分配
・アプリコードのレビュー
・検索アシスタント
・仕様書からユーザーマニュアル作成
・競合分析や顧客ニーズの調査
・新規事業に関わるスタッフの教育
・リスク分析と対策の提案
etc


まとめ

今回のOpenAI社によるGPTsセミナーは、AIに対して学習意欲の高いトヨタコネクティッド社員40名以上に参加していただきました。

意欲が高い方に参加していただいた目的は、「セミナーで学んだことをそれぞれの部署に持ち帰り、共有してほしい」ということです。

それぞれが学んだことをコミュニティ内で展開することで、そこから更に新たな使い方アイディアが生まれる可能性が高まります。

5月からわたしたちが実施する全社研修でも、受講者の多様な実務ベースのユースケースが閲覧できるライブラリや、継続的に伴走するコミュニティなど、生成AIの利活用を促進する環境を整えています。

今後もここ、noteでそのリアルな過程や、実際にChatGPT Enterpriseを使用した業務改善をおこなう中での成功事例つまずいたことまで発信していく予定です!

現場のリアルな業務効率化や改善に興味がある方、ChatGPT Teamプランの活用事例を知りたい方はぜひフォローやいいねよろしくお願いします!


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