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台風19号【栃木】警戒区域に避難所 土砂流入し再避難 10月21日 Nスタ


栃木県鹿沼市では土砂災害の特別警戒区域内に避難所が設けられていたことが分かりました。この避難所では実際に土砂崩れが起き住民は別の避難所への移動を余儀なくされました。

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建物に入りこんだ木や土砂。台風19号が迫っていた10月12日午後10時40分ごろ栃木県鹿沼市の避難所で撮影されたものです。

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城島未来 記者:
「 こちらの避難所には当時40人ほどの人が避難していましたが、夜中、突然土砂が窓を突き破って流れ込んできました」

避難していた住民は・・・

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実はこの場所・・・

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土砂災害のおそれがある「特別警戒区域」に入っていながら、避難所に指定されていたのです。

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職員があらかじめ山側から離れるよう誘導していたため避難していたおよそ40人は無事でしたが、敷地内にあったガスボンベが倒れ、ガス漏れが発生しました。


加藤コミュニティセンター 鈴木智久所長:
「早い方だと、11時すぎくらいには避難を始めましたね」

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直線で300メートルほど離れた小学校に再避難。

しかし・・・

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その小学校に向かうには増水しつつあった川にかかる橋を渡らないといけません。

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2015年9月の「関東・東北豪雨」で一部損傷したことのある橋を渡らなければならなくなったのです。

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消防が橋の安全を確認し、住民を誘導。

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なんとか無事に避難することができました。

鹿沼市内では今回の台風で特別警戒区域内に設けられた避難所がこの場所を含め7カ所あったということです。

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市は「警戒区域内に避難所があることは認識していたが集落自体が山を削って作られている」と、地形的な問題を挙げ、抜本的な改革が必要だとしています。

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取材後記
TBS社会部 城島未来 記者

鹿沼市は、西部を中心に山に囲まれた地形で、山の斜面を切り崩したところにコミュニティが形成されています。必然的にその場所にできた学校などの公共施設が地域の避難所として利用されますが、その一部が「土砂災害特別警戒区域」に指定されていた、というのが今回の問題です。
山間部に住む人々が土砂災害や浸水、洪水などあらゆる面で安全性が確保された避難所へ行くためには、発災直後や避難の初期段階で10キロも離れた街の中へ移動しなくてはいけないケースもあり、お年寄りや障害者など災害弱者にとって果たしてそれが最適なのか、鹿沼市長も会見で述べたように、非常に「頭の痛い問題」だと感じました。
しかし、今回被災した加蘇コミュニティセンターも「4年前の関東・東北豪雨でも土砂に見舞われなかった」と言うように、予測できないこれからの災害に対する備えが必要です。
「災害警戒区域」の危険性を住民に周知徹底することに加えて、避難所の危険性を少しでも除去するようなインフラの整備や、避難所の再設定など、自治体が中心となって、命を守るための仕組み作りをしていかなくてはならないと思います。


【放送されたVTRはこちら】