型破りなボーカルグループ Labelle

2021年12月3日 07:40

癖くせのある強力なPatti LaBelleと勝るとも劣おとらない力強い声の Nona Hendryx と Sarah Dash。3人が繰くり出す、なだれ落ちる分厚ぶあつい滝のようなコーラスと喧嘩けんかのような掛け合いは強烈です。それでいてアンサンブルe n s e m b l eとしてちゃんと成り立っています。なんともいい。

The Who の "Won't Get Fooled Again" をカバーし、Funky な仕上がりの「Moon Shadow」(1972年)、有名な "Lady Marmalade" が入った、仕掛しかけ人 Allen Toussaint プロデュースの「Nightbirds」(1974年)、解散前の集大成ともいえる「Chameleon」(1976年)と、どのアルバムもそれぞれにいい。ですが LaBelle の歌の醍醐味だいごみが一番出ているスタジオ・アルバムは、なんといっても「Phoenix」(1975年)だと思います。

有名な "Lady Marmalade" は派手に見えるけれど、抑おさえるところはぐっと抑え、ポップに仕上がっています。さすがはAllenアラン Toussaintトゥーサンのプロデュースです。

Lady Marmalade

「Phoenixフェニックス」も Allenアラン Toussaintトゥーサンのプロデュースですが、「Nightbirds」で、自分たちの歌をよりポップな音の中で表現する経験を得て表現の幅を増した(それでいて強烈さも増した) 3人の歌声に、より焦点しょうてんが当たっているように思います。実にすごいアンサンブルです。その中から伸び上がる Pattiパティ LaBelleラベルの歌も冴さえています。全体を支える演奏の腕前も見事です。 Nonaノナ Hendryxヘンドリックスの書く曲もいい。本当に素晴らしい。

(2019年8月にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直ししたものです。)

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