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花王バスマジックリンのグリーンハーブが好きすぎる

私の特性で、これぞ牡牛座、ド牡牛座と誇れることは、やはり「感覚の牡牛座」と呼ばれる部分だと思う。特に嗅覚。

そんな私が近頃ハマっている、たまらん匂いがある。花王の泡立ちスプレータイプのお風呂の洗剤。バスマジックリンのグリーンハーブである。

お風呂の洗剤を選ぶときは、いつも色で選んでいる。湯に浸かってフーっとリラックスしたとき、視界に入るものは好きな色がいい。バスマジックリン・グリーンハーブを買ったのも、店の棚に並んだ商品の中で一番好きな色がそれだったから。

使い始めてしばらくは、匂いに対してさほど何か思うことはなかったが、ある日を境にそれは一変する。

脱衣所に入った瞬間――
これは! 私の超絶大好きな匂いじゃないか! あああ、最高だあ!
もうメロメロでスーハースーハー呼吸した。

脱衣所やお風呂場にそこはかとなく漂っていたバスマジックリン・グリーンハーブの匂いに、一体何が起こったのか。

あれは多分春頃だったと思うが、室温や湿度、ボイラーをどのくらいの時間使ったかなどの、条件がそろったのだと思う。

  *

私は元々、我が家のお風呂場および脱衣所の匂いが好きで好きでしょうがなかった。ただし冬だけ。なんでだろうと考えたところ、どうやら私は、ボイラーを焚いたときの匂いが好きらしい。ちなみに点火したてのストーブの匂いも好き。キュンとなる。

冬以外にもボイラーを使うが、いまいち好きな匂いに達しない。キンキンに冷えた環境でのフル稼働がいいのかもしれない。湿度も好きな状態に近づく。

そして今までは、父が一番風呂を浴びていた。その直後が私。そうすると室温と湿度が最高に好きな状態に達する。脱衣所に入った途端、そこに満ちている湯気とボイラーの混じった匂いが私の本能に染みて、スーハースーハーしてしまう。

だけどもう父はいない。私が一番風呂担当になってしまった。母を一番風呂担当にしようと試みたこともあるが――
「お母さん、先入りなよ。茶碗、私が洗うからさ」
「いいの! 湯船の中で足のマッサージとか体操してるから、最後にゆっくり入りたいの!」
断られてしまった。

それから夏はソーラーでお湯がまかなえるから、ボイラーはあまり使わない。灯油代は浮くが、お風呂場の匂いが寂しくなる。

  *

そんな寂しい夏のお風呂場の救世主が、バスマジックリンのグリーンハーブである。シュッと吹きかければ、いつでも匂いが再現可能だ。おかげでこの夏は自分でもどうかしてると思うほど、シュッシュシュッシュとスプレーしまくって匂いを堪能する日々を送っていた。

ところがだ。バスマジックリン・グリーンハーブが好きすぎる私の研究によると、どうやら匂いに波がある。多分、鮮度の問題だと思われる。

一番香りが強いのは、スプレー容器に入った新品開けたて。シュッシュしまくるからと、大容量の詰め替え用を買ったときは、たっぷり使えて初めは浮かれていたが、最終的に、香りが弱いと感じた。大容量でしかも詰め替えとなると空気に触れることが多いから、鮮度が落ちて、香りも飛んでしまうのかもしれない。

大容量タイプを2回買って試したが、やはり2回とも私の嗅覚は寂しい思いをした。いや、もしかしたら香りとしてはじゅうぶん足りているのかもしれない。だけど前に最高に条件のそろった環境でバスマジックリン・グリーンハーブの匂いに満たされてしまったから、あれを再現できないと満たされない体になってしまったのかもしれない。なんてことだ。

それからもお店ではついつい大容量タイプに手が伸びそうになるが、ぐっと堪えて、詰め替え用は1回分のものにしている。

そして時々は、環境とおサイフにやさしくないと思いつつ、本体ごと買い替える。おかげでその日のお風呂掃除と入浴時の匂いは最高である。あとこれに冬のボイラーが加われば言うことなしだ。

  *

先日の夜、我が家でちょっとした騒動が起きた。天井裏にハクビシンか何かが入り込んだのである。その足音が、というか重みが、やたら人間ぽく聞こえて、私も母も鳥肌立つくらいびっくりした。

以前から天井にいくつもシミができていること(多分オシッコ)、天井から聞こえた足音に爪が当たるような音も聞こえたこと、天井裏のその部分にはまともな入口がないことなどなどから、ハクビシンだろうと結論づけたのだが――まあその日は私の心臓がいつまでたってもトカトカバクバクでハカハカなのである(方言)。

「感覚の牡牛座」がストレスを解消するには、やはり感覚を良質なもので満たしてあげるといいらしい。この日私は、お風呂に入りながら壁にバスマジックリン・グリーンハーブをスプレーしまくった。

大好きな匂いに満たされ、ようやく私のトカトカが治まる。花王さん、ありがとう。

こんなにバスマジックリン・グリーンハーブが好きすぎる私には、心配なことが2つある。

1つは、入浴時も壁にシュッとやって匂いを堪能していること。塩素系じゃないから平気だろと思ってのことだが、容器の裏面を見たら、喚起を促す文言が書いてあった。……でもまあ、頭痛や吐き気もないし、それより幸福度の方が大きいから、いいとしよう(自己責任)。

もう1つの心配事は、海外ドラマの『クリミナルマインド』で、「犯人が薬物乱用者だと、よく押し入った先で一発キメたくなって、家庭用洗剤のにおいを嗅ぐんだ」というセリフがあったこと。

それって本当なのだろうか。私のこの異常なまでのバスマジックリン・グリーンハーブの匂いへの執着は、もしかして薬物依存に繋がるのだろうか、と思うと大変不安になる。

でも私は、他の洗剤の香りにはまったく興味がないわけで。メロメロスーハーしちゃうのはバスマジックリン・グリーンハーブだけなのだから、――うん、大丈夫だろう。

今まではメロメロスーハーな匂いと出会えても、それを手に入れることはできなかった。人の匂いだったり、なんだかわからないけど不意に好きな匂いが漂ってきたということばかりだったから。

だけど今は、初めて容易に入手でき、再現することができるメロメロスーハーな匂いと出会えたわけで、心から歓喜している。

どうか末永く取り扱いが続きますように。



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