プラトニックを殺す_vol1
【序章】
殴り書きの文字で埋まった原稿用紙が書斎に散らばり、その一枚をぐしゃっと握りつぶす一人の少女。
セーラー服のリボンをほどきながらする舌打ちは、苛立ちを隠せないことを主張していた。
蔵森沙也加は、小説家だ。しかも誰もが一度は耳にしたことのある「瀧見エマ」という有名作家。
新作書籍を出す度ランキング一位をかっさらい、ドラマ化・映画化など幅広く活躍する瀧見エマの正体が現役女子高生などと、誰が想像するだろうか。
「月ィ!奈波呼んできて!」
そしてこの少女がとんでもなく破天