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【本】偶然はコントロールできないことを再認識させられる1冊ー『「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ』

第二次世界大戦(主に太平洋戦争)での日本軍の敗戦について、組織論的にまとめた名著である『失敗の本質』。

恥ずかしながら『失敗の本質』を知らなかったのですが、最近ほぼ日で野本郁次郎さんを知り、まず読みやすそうなものから手を出そうと『「超」入門 失敗の本質』を読みました。

戦略とは何か

当時の日本軍の失敗を、組織論に落とし込んで分析し、同じ失敗を繰り返さないようにまとめているわけですが、
本著の中で何回も繰り返し出てくるキーワードが以下の2つ。

戦略とは「目標達成につながる勝利」を選ぶこと
戦略とは「追いかける指標」のこと

さらに、「経験則による成功法則」は「目標達成につながらない勝利」を生み出すということです。

「目標達成につながる勝利」と「追いかける指標」

つまり、日本軍は「追いかける指標」を見誤り、「目標達成につながらない勝利」を重ねたことで迷走したということ。
そして、日本の組織は太平洋戦争での敗戦や迷走といった「失敗」を、現代でも活かせていないと指摘されています。

なんとも手厳しい指摘が多いですが、読んでいると「こりゃいかんな」と思うことばかりです。

経験則による成功ではイノベーションは生まれない

特に、経験則や体験的学習で得られた成功では成功要因を抽出できない、という内容は「たしかに、たしかに」と思わされます。

例えばある事について、会社や学校で先輩に聞いた時に「やっているうちに分かるようになるよ」とか「いろいろ経験して自分のやり方を見つければいいからさ」なんて言われたことは、どんな人もあるかと思います。

この先輩の意見をよくよく考えてみると「何もアドバイスしてないじゃん!」とハッとさせられます。
『「超」入門 失敗の本質 』を読むまでは、「そりゃ経験しないと分からないこともあるよな」とか「そのうち出来るようになるか」とか思っていましたが、それじゃアカンのです。

何を経験するかはみんなバラバラなので、その時上手くいったことを繰り返したって、次に成功するかは誰も分かりません。

そうではなく、成功した(or失敗した)ことから、「なぜそうなったのか」といった要因や理由を特定することが大事だということ。

さらに言うと、既存の戦略を破壊することで生み出されるものがイノベーションなので、既存の戦略にしがみついたり、過去の成功に味をしめて同じことを繰り返しているようでは、イノベーションは生まれずゆっくり死んでいくのと同じ。

そんなことを思い知らされる内容でした。



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