佐藤達哉

♬ジャズテナーサックス奏者です。10代からジャズ喫茶に通いレコード鑑賞をしていました。…

佐藤達哉

♬ジャズテナーサックス奏者です。10代からジャズ喫茶に通いレコード鑑賞をしていました。今でも相変わらずジャズをこよなく愛しています。ここではジャズファンとプレーヤー両方の視点から作品について色々と感じた事、演奏者としての経験談も加えて書いて行きたいと思います。

マガジン

  • テナーサックス奏者佐藤達哉によるジャズアルバム・ブログ

    永年に渡り演奏し続けているジャズプレイヤー、アルバムをこよなく愛すリスナー、二つの視点のクロスアングルから様々な作品の内容を分析し論じたブログをまとめています。これまでに無い切り口の作品紹介にしたいと思っています。

最近の記事

アダムス・アップル/ウェイン・ショーター

 テナー奏者ウェイン・ショーター1966年録音リーダー作『アダムス・アップル』を取り上げましょう。  ウェイン・ショーター10作目のリーダー・アルバムに該当します。64年4作目『ナイト・ドリーマー』以降は彼の音楽性開花が顕著になったブルーノート・レーベルからのリリースになりますが、時期を同じくしてショーターはマイルス・デイヴィス・クインテットのメンバーになります。  モダンジャズを変革する数々の傑作をリリースしたこのクインテットはハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー

    • リトル・ジョニー・C/ジョニー・コールズ

      トランペッター、ジョニー・コールズの1963年録音リーダー作『リトル・ジョニー・C』を取り上げましょう  1960年代初頭のジャズ界に多くのニューカマーが現れました。トランペッターも例外ではく、素晴らしい才能を持ちシーンを活性化させるエネルギーを発する奏者の存在を、何人も確認する事が出来ます。  本稿の主人公ジョニー・コールズもその中の一人ですが、彼は強く自己主張を表出するタイプではなく、味わいや枯れたテイストを前面に出す演奏を信条とし、どちらかと言えばサイドマンで個性を

      • スタン・ゲッツ・アンド・ビル・エヴァンス

         スタン・ゲッツとビル・エヴァンスの共演を収めた1964年録音作品『スタン・ゲッツ・アンド・ビル・エヴァンス』を取り上げましょう。  スタン・ゲッツ、ビル・エヴァンス、白人ジャズプレーヤー両雄による共演作を多くのジャズファンが望んでいました。彼らの活躍ぶりと名演奏の多さ、何より音楽的テイストの合致度を誰もがストレートにイメージ出来、どれ程スリリングな演奏を展開してくれるのか、期待を抱かせます。  ところが意外な事にコ・リーダーとしてスタジオ・レコーディングされた作品は64年

        • キャノンボール・テイクス・チャージ/キャノンボール・アダレー

          1959年4, 5月録音アルトサックス奏者、キャノンボール・アダレーの『キャノンボール・テイクス・チャージ』を取り上げましょう。  キャノンボール・アダレー通算14枚目のリーダー作にして、初めてのワンホーン・カルテットによる作品です。 それまではトランペットや他の管楽器とのホーン・アンサンブル、またヴィブラフォン、ストリングスを迎えキャノンボールをバックアップすべくのサウンドを含めて演奏を聴かせましたが、本作でアルトサックス奏者としての全貌を明らかにします。  55年7月録

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        • テナーサックス奏者佐藤達哉によるジャズアルバム・ブログ
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        記事

          1958 マイルス/マイルス・デイヴィス

           マイルス・デイヴィス1958年の演奏を収録したアルバム『1958 マイルス』を取り上げましょう。 本作には55年録音のナンバーも1曲収録されていますが、タイトルのコンセプトを鑑みここではオミットし、ボーナス・トラックとして後年追加されたフラン・ダンスの別テイクを取り上げる事にしたいと思います。  マイルス・デイヴィス・クインテットにもう一人のホーン奏者であるアルトサックスのキャノンボール・アダレーが加わり、セクステットとなったのが58年3, 4月録音の名作『マイルストーン

          1958 マイルス/マイルス・デイヴィス

          サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム/マイルス・デイヴィス

          マイルス・デイヴィス1961年録音作品『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』を取り上げましょう。  ジャズ界に於ける名盤、傑作、問題作を数多く発表したマイルス・デイヴィスです。彼の諸作中特に演奏クオリティとリラクゼーションのバランスが取れたアルバムが本作『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』、様々な要素が重なった事で作品が誕生しました。  55年から活動開始したマイルス・デイヴィス・クインテット、ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィ

          サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム/マイルス・デイヴィス

          キャッティン・ウイズ・コルトレーン・アンド・クイニシェット/ジョン・コルトレーン、ポール・クイニシェット

          ジョン・コルトレーン、ポール・クイニシェット二人のテナーサックス奏者をフィーチャーした1957年作品『キャッティン・ウイズ・コルトレーン・アンド・クイニシェット』を取り上げましょう。  ジャズ鑑賞の醍醐味の一つに、同一楽器によるバトル演奏があります。 特にテナーサックス奏者同士、丁々発止とやり合うスリリングな展開はジャズファンには堪らない表現手段です。  バトルにはおよそ3種類のタイプが存在するように思います。 まずバトルの真骨頂と言えますが互いに闘志を燃やし、刺激し合いな

          キャッティン・ウイズ・コルトレーン・アンド・クイニシェット/ジョン・コルトレーン、ポール・クイニシェット

          メイティング・コール/タッド・ダメロン

          ピアニスト、作曲家タッド・ダメロンの1956年録音リーダー作『メイティング・コール』を取り上げましょう。  モダンジャズ華やかなりし1950年代バップ〜ハードバップ期、多くの個性的なピアニストが現れシーンを賑やかにしました。彼らの中には作曲の才を持つ者が多く、佳曲を切望するジャズファン、ミュージシャン、時代から求められたゆえにその才能を遺憾無く発揮出来ました。  主だったところではバド・パウエル、セロニアス・モンク、ホレス・シルヴァー、マル・ウォルドロン、そして本稿の主人公

          メイティング・コール/タッド・ダメロン

          ヴォヤージ/チック・コリア

          チック・コリアとフルート奏者スティーヴ・クジャラの1984年録音デュエット作品『ヴォヤージ』を取り上げましょう。  数多くのデュエット作品を発表しているチック・コリアです。相方にはヴィブラフォンやピアノなどのコード楽器奏者を中心に迎えていますが、スティーヴ・クジャラは例外的なフルート奏者、コリアと遜色なくカンヴァセーションを行える高度な音楽性、超絶テクニックとタイム感、明確な自己のスタイルを持ち、メロディアスなプレイの他、パーカッション奏者の如き効果音を巧みに繰り出すことで

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          ホワット・イット・イズ/デイヴィッド・リーブマン

          1979年録音デイヴィッド・リーブマンのリーダー作『ホワット・イット・イズ』を取り上げましょう。  まさに80年代に差し掛からんとする79年12月、ニューヨーク・マンハッタン、サウンド・アイデア・スタジオにジャズ、フュージョン・シーンを代表するミュージシャンが結集しました。デイヴィッド・リーブマンの日本企画アルバム『ホワット・イット・イズ』レコーディングのために。  プロデューサーにはヴィブラフォン奏者のマイク・マイニエリを迎え、ギター、ジョン・スコフィールド、キーボード、

          ホワット・イット・イズ/デイヴィッド・リーブマン

          ジャック・ディジョネット/スペシャル・エディション

          ジャック・ディジョネット1980年発表のリーダー作『スペシャル・エディション』(特別版)を取り上げましょう。  様々な編成、コンセプトでリーダー作をリリースし続けるジャック・ディジョネット、いずれの作品でも異なったなメンバーで様々な内容を聴かせるのは彼の音楽性の幅が広く柔軟なゆえ、溢れんばかりに豊かなサウンドが彼の頭の中で鳴っているのでしょう。  1968年12月録音初リーダー作『ザ・ディジョネット・コンプレックス』を皮切りにサックスカルテット、トリオ、デュオと比較的少人数

          ジャック・ディジョネット/スペシャル・エディション

          イリアーヌ・イリアス/シングス・ジョビン

           ピアニスト、ヴォーカリスト、イリアーヌ・イリアス1998年リリース作品『シングス・ジョビン』を取り上げましょう。  1960年3月19日ブラジル・サンパウロ生まれのイリアーヌ・イリアス、7歳からクラシックピアノを始め、12歳の頃からビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットらのプレイに親しみ、早熟だった彼女はジャズ演奏を構造的に理解したかったのでしょう、アドリブソロを採譜しインプロヴィゼーションの研究をし始めます。 のちの彼女の演奏で、複雑なハーモニーやト

          イリアーヌ・イリアス/シングス・ジョビン

          サウダージズ/トリオ・ビヨンド

           ジャック・ディジョネット率いるトリオ・ビヨンド、2004年のライヴ演奏2枚組CD『サウダージズ』を取り上げましょう。  本作サウダージズはドラム奏者ジャック・ディジョネットがリーダー、ギター奏者ジョン・スコフィールド、オルガン奏者ラリー・ゴールディングスを擁するトリオ・ビヨンドのデビュー・アルバムで、ロンドンにあるクイーン・エリザベス・ホールで催されたコンサートを収録した作品です。  各楽器の第一人者ばかりの演奏ですからハイレヴェルなのは間違い無いのですが、全体を貫く凄ま

          サウダージズ/トリオ・ビヨンド

          ザ・ニュー・スタンダード/ハービー・ハンコック

          ハービー・ハンコックの1995年録音リーダー作、オールスターによる作品『ザ・ニュー・スタンダード』を取り上げましょう。  本作リーダー、ハービー・ハンコックの発案ならぬレコード会社プロデューサーから持ち掛けられたコンセプトによって『ザ・ニュー・スタンダード』はレコーディングされました。 自発的では無いレコーディングのため、はじめは受け身のスタンスだったハービーの対応がバンドの変化に伴い、次第に本腰を据え始めました。  ジャズアルバムはリーダーやグループの意向により制作される

          ザ・ニュー・スタンダード/ハービー・ハンコック

          サークル・ワルツ/ドン・フリードマン

          ピアニスト、ドン・フリードマン1962年録音リーダー作『サークル・ワルツ』を取り上げましょう。  多作家ドン・フリードマンの代表作『サークル・ワルツ』は彼の2作目のリーダーアルバムに該当します。4作目までを名門リヴァーサイド・レーベルからリリースしました。 フリードマンのリリカルで知的な演奏は一聴ビル・エヴァンスのプレイに影響を受けている、似ていると感じさせます。 良く聴けば演奏の展開方法やタイム感、コードワークには異なったアプローチを確認する事ができ、主にピアノタッチに類

          サークル・ワルツ/ドン・フリードマン

          ディア・ジョン・C/エルヴィン・ジョーンズ

          エルヴィン・ジョーンズ1965年2月録音リーダー作『ディア・ジョン・C』を取り上げましょう。  ジョン・コルトレーン・カルテットの重鎮ドラマー、エルヴィン・ジョーンズがカルテット在団中にリーダー、コルトレーンに捧げた作品です。互いに大変良い関係を築いていた証ゆえのアルバム制作です。  コルトレーンの音楽にエルヴィンは欠かすことの出来ない存在でした。独創性は言うまでもなく、音楽的に補う部分もあれば、どちらかが触媒となりインタープレイやバンドの一体感を促進させる、二人は音楽的

          ディア・ジョン・C/エルヴィン・ジョーンズ