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日本人サラリーマンも世界を食べる

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【スニーカー文庫《俺のラノベ》コンテスト「笑える話」特別賞入選】 しみじみと面白い。 趣味は料理。外食したものをキッチンで再現して細部を探るのが好き。 外資系サラリーマンだっ…
「日本人サラリーマンも世界を食べる」をマガジンにしました。ここからそれぞれの記事を単品で買うことも…
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#ステーキ

アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

アメリカの殺人カクテルと絶品ステーキ

 二〇〇〇年の頃、僕は上司の命令でアメリカの某団体に所属していた。
 簡単にいうと、Windows-Intel支配を排除して、真に自由なPC開発を訴える団体だ。
 正直言って、主義主張に疑問があったし(僕は企業活動に於いては長いものには巻かれた方が安全と思ってる)、集まっているのも今は亡きコンパックとかの各社の暇人だったんだけど、お集まりは楽しかった。
 予算に関してはある程度裁量を認められていた

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和牛とWAGYUとキムチと納豆

和牛とWAGYUとキムチと納豆

 アメリカでは今、和牛がブームだ。
 従来、アメリカでは歯ごたえのある、赤身のステーキが好まれていた。安い店で食べたら靴底なんじゃなかろうかと思うくらいだ。
 噛みしめるとパリパリと細い筋が音を立て、噛み切れない肉を噛んでいるうちに牛肉の旨みが口中に充満する。
 脂身に旨みを求める日本の肉料理とはかなり違うが、慣れるとこれがやめられなくなる。
 むしろ、日本の肉料理が脂っぽくて鼻につくようになるほ

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アメリカのデザートは命がけ

アメリカのデザートは命がけ

 アメリカの飯はでかい。
 まるでテキサス州のようにでかい。
 これはまったく誇張ではなく、本当にバカでかいのだ。
 例えばステーキ。日本のステーキは大体大きくても三百グラム、一ポンド(約四百六十グラム)だと超大型になると思うのだが、アメリカでは一ポンドだったらまだ普通だ。骨付き肉のポーターハウスステーキ(いわゆるTボーンステーキ)ともなれば、平気で一ポンドを超えてくる。
 野菜も同様で、サラダ一

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